

「手の描き方が美しすぎる!」と話題の漫画家・小菊路よう(@TheeKick)さんが、今回描くのは〈腕のお化け〉の話。仕事に悩み、疲れてしまった会社員・梅さんがうまく寝つけずにいると、目の前になんと〈腕のお化け〉が現れた!この腕のお化けの正体は悪者なのか?味方なのか?ちょっと抜けたところのある天然な会社員・梅さんと、色白マッチョな腕のお化けの不思議なコンビが繰り広げる、ほっこり笑える怪異漫画の世界にどっぷり取り憑かれてみてはいかが?
■ピタゴラスイッチを知っている幽霊!ホラー感がなさすぎる!?
8話2-3 / 漫画=小菊路よう
8話3-1 / 漫画=小菊路よう
8話3-2 / 漫画=小菊路よう
本作「腕のお化け」を描く小菊路ようさんは、「けっこう細かいところまで描いちゃいがちなので、そういうところでもクスッと笑ってくれたらいいなというのはあります」と語ってくれた。物語の中に散りばめられた“ちょっとした違和感”や“こだわり”が、何気ないシーンをより印象深く、そしておかしく見せてくれる漫画である。
作中に登場する「サラットラップ(50m)」は、誰もが知る有名なキッチンラップのパロディアイテム。実はこの名前には“トラップ”の意味も込められており、登場人物カイさんが仕掛けた「ある種の罠」であることを示唆している。単なるネタアイテムかと思いきや、物語上の伏線としても機能している点が小菊路さんらしいところで、細部にまで遊び心が詰まっていて、読み返すたびに新しい発見があるのが魅力の1つだ。
また、作中に登場するちょっと気になるキャラクターたちについて、小菊路さんは「何かのキャラクターというわけではなく、カプセルトイでたまたま出てきたおもちゃだと思います」と語り、そのあいまいな答えもまた、作品のふしぎな空気感を作る一端となっている。
さらに、物語に登場する“ウェルカムピタゴラ装置”のような仕掛けも、子どものころに誰もが一度は夢見たもの。作者自身も「試してみたことはありますが、上手くできなくて諦めました」と語っており、そんな経験も作品のユーモアに自然と反映されているようだ。
細かく描かれた小道具や仕掛けの数々、ちょっと変わったキャラクターたち、そしてふっと笑えるシーンの連続だが幽霊漫画でもある本作。ホラーを感じたいときだけでなく、クスッと笑いたいときにぴったりの「腕のお化け」をぜひ読んで欲しい!
取材協力:小菊路よう(@TheeKick)
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