疲れ切った大人たち→「くも膜下出血で妻を失った夫」「色を失った看護師」世界がモノクロに見える日々で、色をくれたのは小さな猫だった【作者に聞く】

  • 2025年4月23日
  • Walkerplus

すい臓がんの病状が進行して、ホスピスに入ったおじいさん
すい臓がんの病状が進行して、ホスピスに入ったおじいさん / 画像提供:猫原のしさん

学生時代から漫画を描き続けてきた猫原のし(@nyan_boku)さんは、現在もX(旧Twitter)を中心に漫画を投稿し、多くの読者の共感を集めている。


自分の世界から色がなくなったと感じる女性…「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」1-1
自分の世界から色がなくなったと感じる女性…「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」1-1 / 画像提供:猫原のしさん
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2023年11月に発表された『ちびっこしろにゃんの色彩屋さん』では、心がすり減った大人たちが、しろにゃんたちと出会うことで少しずつ色彩を取り戻していく姿を描いている。なかでも第2話では“元カノを忘れられない男性”の物語が大きな反響を呼び、3.7万件を超える「いいね」を記録した。

本作の制作は、2021年の冬、コロナ禍の真っただ中に始まったという。「当時は行動制限が続いていて、“色を見失ったような日々”を過ごす人が多かったと思います。私自身も出産・育児を経験するなかで、不安や孤独を強く感じていた時期でした。だからこそ、誰かの心に“優しい色”を届けられるような作品を描きたいと考えたのが、きっかけでした」と猫原さんは語る。

第3話に登場するのは、愛する妻をくも膜下出血で亡くした夫。長らく「色のない世界」で過ごしていたが、やがて思い出の中に少しずつ色が戻ってくる。猫原さん自身も「大切なものを失ったとき、世界がモノクロに見えることがある」と振り返る。時間の経過とともに心の穴が広がっていく感覚。それは現実だけでなく、記憶のなかからも“色”を奪っていくのだという。

本作のラストシーンでは、若かりし頃の夫婦の記憶に色が戻る描写が印象的だが、「現実に色が戻ったかどうかは、読者の想像に委ねています」とのこと。思い出のなかに鮮やかさを取り戻すことが、今を生きる力に変わっていく……そんな静かなメッセージがにじむ。



取材協力:猫原のし(@nyan_boku)
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