
祖母から「臭い」「部屋の換気しろ」と言われ続けて育った主人公は… / 画像提供:(C)小野寺こころ
子供に無関心な父親と「臭い」「ゴミだと思った」など毒しか発しない祖母に育てられた主人公が、自分のために家族と決別するまでを描く漫画家 小野寺こころ(@onoderaKOKORO8)さんの「だんしゃり」に、7万いいねと1.2万リポストがついている。今回は、本作を描いた背景など、制作への思いを小野寺こころさんにインタビューした。
■祖母が勝手に部屋の物を捨ててしまう。心の痛みを繊細に描いた実体験漫画
祖母は部屋からなんでも盗む… / 画像提供:(C)小野寺こころ
だんしゃり(1) / 画像提供:(C)小野寺こころ
だんしゃり(2) / 画像提供:(C)小野寺こころ
幼い頃から、祖母に部屋の物を勝手に盗んだり捨てられたりしてしまう主人公のしょうこ。祖母を問い詰めると「部屋が汚い」「臭い」などと罵倒されてしまう。そんな環境に囲まれて生きてきたしょうこの心象を繊細かつリアルに描いている。
実体験をベースに描かれたというが、執筆の際に苦労したことを聞いてみると「テーマや内容が重いものだったり、実体験をベースにしているので、嫌な出来事やトラウマと向き合わないといけなくなるので、できる範囲で自分に優しくしようとはしています」と語った。
作者はSNSに作品を公開するといずれも万バズを獲得する注目の若手作家だが、漫画を描き始めた時期について伺うと、「初めてちゃんと原稿を完成させたのは高校1年のときです。高2になり、ショート漫画がいくつかあったので『せっかくやし持っていってみるか〜』と、京まふ(京都国際マンガ・アニメフェア)の出張編集部に行き、たまたまサンデー編集部に持っていったのが始まりです」と教えてくれた。
本作「だんしゃり」同様、心象描写が印象的な「ららばい」という高校生の日常を切り取った短編漫画について伺うと、「『ららばい』は自費出版なので自由度が高く、好きに描きました。ふと鬱だなと気づくとき、いつも普通に聞いている音が異常に大きく聞こえたり、不快、不安感が増すので、それらを伝えるならあまりセリフがない方がいいと思いました」と実体験に基づく心象描写のディティールについて語った。
希望が感じられるラストに「救われてよかった」と声が届くなど、心が動く読者も多い本作。ぜひ読んでみてほしい。
■取材協力:小野寺こころ(@onoderaKOKORO8)
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