
整形前の自分の顔とそっくり!なのに幸せそうなのはなんで? / 画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)
本作は、モーニング月例賞で「期待賞」を受賞した白梅僚人(@eiichi_manga)さんの「同じ顔の女」。整形した朋美の前に、過去の自分とそっくりな顔をした女の子と出会う。自分らしく生きる彼女の姿を見て「自分はなぜ、彼女のように生きられなかったのか?」と、自身を好きになれなかった自分に問いかける。その答えは?
【漫画】「整形前の自分」にそっくりな女と出会う話 / 画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)
「整形前の自分」にそっくりな女と出会う話(2) / 画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)
「整形前の自分」にそっくりな女と出会う話(3) / 画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)
「整形前の自分」にそっくりな女と出会う話(4) / 画像提供:白梅 僚人(@eiichi_manga)
学生時代、容姿のことでいじめを受け、自分の顔を嫌いになってしまった主人公・朋美。ブスでデブだった過去を変えるべく整形を決意し、その結果、周囲からの評価も自己肯定感も上昇。「整形してよかった」と思える日々を送っていた。だが、大学でふと目にしたのは、自分の“整形前”とそっくりな女の子だった――。
本作は「容姿」をテーマに、「整形することで変わろうとした朋美」と、「ありのままの自分を受け入れ人生を謳歌するなっちゃん」、正反対の生き方を選んだ2人の女性を描いた作品である。物語の出発点は、作者・白梅さんが「整形した女の子の主人公のプロット」を思いついたこと。その後、担当編集から「整形前の自分と同じ顔の人物が登場したら?」というアドバイスを受け、作品の軸が定まったという。
特筆すべきは、朋美の心理描写の丁寧さだ。白梅さんは「朋美というキャラクターが実在すると考え、何度もモノローグや台詞を描き直した」と語る。「自分の経験と朋美の苦しみの共通点を探しながら執筆した」とも明かしており、そのリアリティが読者の共感を呼ぶ要因となっている。
一方で、なっちゃんは「周囲にブスと言われても、自分のことが好き」と言い切る、自信にあふれた人物だ。「好きなものを貫く人に憧れる」と語る白梅さんは、なっちゃんを「常にカッコよく見えるように」意識して描いたという。「世間的な美の価値観から外れているかもしれないが、私は常に『ええやん…』と思いながら描いていた(笑)」というコメントにも、作者の愛着がにじむ。
本作はモーニング月例賞で「期待賞」を受賞。心理描写の繊細さと、生き方に正解はないという前向きなメッセージが、多くの読者の心をつかんだ。また、現在はコミックDAYSにて、ラブコメ読切『二階堂先輩の秘密』も公開中。白梅さんの描く“人間味あふれるキャラクター”たちの次なる物語にも注目したい。
取材協力:白梅僚人(@eiichi_manga)