未知=怪奇なのか!?「深夜ドラマで観たい」「幾重にも深い」郵便配達員が体験した実話に読者絶賛!!【インタビュー】

  • 2025年2月5日
  • Walkerplus

「ああ、今日はいいお話を読んだなあ。。。ありがとうございました」「今回はいつにも増して幾重にも深い話」「15分くらいの深夜ドラマで観てみたい」という感想が集まった作品がある。郵便配達員が実際に体験した実話を元に描かれた「山に棲む」という話である。読者からは「人生最期のお見送りのお手伝いを仕事にしていますが、表面では見えないこと、平凡と思う生き方の中にも等しく“生きる重み”があることを教えられる毎日です。このお話からも、同じものを感じます」という声も。一体どういう話なのだろうか?


その先に民家があれば郵便局員はどこまでも行く
その先に民家があれば郵便局員はどこまでも行く / 送達ねこ(@jinjanosandou)


「踏み外せば谷底」という山深い細い道でも、その先に民家がある限り配達をしなければいけない郵便配達員たち。今回はバイクも入れないような場所の担当になった郵便配達員・N局のアラタさんが配達先で見た不思議な“モノ(!?)”の話である。

都会育ちのアラタさんが郵便配達員になりたてのころだった。教育係の江藤さんに連れられ、「一般車両進入禁止」となっている道の先にある集落に配達へ向かった。「こっからは歩きだ。上まで杖をついてく」と江藤さんから指示が出た。若いアラタさんが杖を断ると「足腰じゃねえよ!蛇追っ払うんだよ!誰がジジイよ!東京もんは何も知らねえ」と怒鳴られ、「すみません」と謝るアラタさん。その道中で、アラタさんは着物姿でおかっぱ頭の女の子を目撃するのだが…!?その後、江藤さんに緊急事態が発生し、それどころではなくなってしまう。本作の作者で現役郵便局員の送達ねこ(@jinjanosandou)さんに話を伺ってみた。
「杖」は足腰のために持って行くのではなかった!
「杖」は足腰のために持って行くのではなかった! / 送達ねこ(@jinjanosandou)


――本作の主人公のアラタさんは普通のおとなしい青年ですが、教育係である江藤さんに最初は怖がられていますよね?

ひと言で「怖い」といってもいろいろありますが、ひとつに「“わからない”ものへの感情もあるのでは?」と思います。人は身を護るために情報収集をして、その中でわからないことがあると、たぶん恐怖を感じる。だから別に霊じゃなく対人でも「よくわからない人だから怖い」とかあると思うんですね。ときには怖いから避けたり、護身のために攻撃したり…。そういうのを傍で見ると嫌っているように見えると思うんですけど、単に「わからない」からだったりするのではないでしょうか。

――確かに、すべてではないですが自分に理解できないことを恐怖に感じることってありますね。

でも、そういった「未知」に出合う意味は、その人にとって「足りない必要なもの」ということが絶妙にあるんじゃないかとも思います。だから「怖い」と思った相手を理解しようとすると劇的に仲良くなったりする。よい相方になることもある。避けて冷たくした「わからない相手」を、あるきっかけでわかろうとするうちに、本当は相手を必要とし惹かれてたと気づいたりする。そういうことがわりとあるように思うし、相手を理解しようとすることは愛の本質にとても近い行為だと思います。だから「怖い話」は案外に「愛の物語」になったりすると思います。

――とても深いですね。今回の話に読者から「いい話」「深い話」という感想が飛んだのもうなづけます!

ありがとうございます。話の途中で「昭和の田舎の怪談」も盛り込んでいますので、そちらは「祖父から父、父から子へと語り継がれている怪談」として楽しんでいただければと思います!

昭和の怪談も盛り込まれている
昭和の怪談も盛り込まれている / 送達ねこ(@jinjanosandou)

「郵便屋が集めた奇談」は、送達ねこさんのもとに届いた、同僚の配達員たちが体験した不思議な話を描いている。余談だが、今回の話で送達ねこさんが描いた絵にも読者からのツッコミが多く、「遠d…江藤さんの絵が強すぎて全く話が入ってこないので3回読み返しました(笑)」というコメントも。本作を読む際に、このコメントを思い出してみよう。きっと納得できること、間違いなし!


取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)

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