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学校卒業後も続いた養母の「家族内いじめ」について聞く。「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」制作裏話【92歳祖母の告白】

  • 2024年3月6日
  • Walkerplus

Instagramやライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」で、実話をもとにしたエッセイ漫画を描く漫画家のゆっぺさん。ブログは2021年には月間3000万PVを記録し「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリを受賞。2021年12月から執筆してきた「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」では、戦前から生きる“祖母・キヨさん”の幼少期からの実体験を漫画化し、コメント欄を解放した最終話には500件以上の熱い応援コメントが寄せられた。

著者のゆっぺさんと、物語の主人公である現在92歳のキヨさんに交互にインタビュー。今回は、「工場勤めの生活は、とっても気楽な生活でした」と語るキヨさんに、高等小学校(現在の中学1、2年生にあたる)の1年目を通い終えて、就職したときのことを語ってもらった。

■就職先での寮生活はご飯も食事も用意してもらえて、夢のようだった
――漫画にも描かれているとおり、キヨさんは高等小学校の1年目を通い終えたあと、工場に就職して、初めて養母の家を出て寮生活をしました。当時のお話を聞かせていただけますか?

もう家にいることに耐えられなくて、工場への就職を決めて戻らないつもりで家を出ました。家を出たのは8月でしたが、今、振り返ると義姉さんはよく出してくれたなと思います。どうしてかというと、当時は私が中心となって農業をしていましたが、8月は大根やら何やらいろんな野菜の種を蒔く大忙しの季節だったからです。

――工場でのお勤めや寮生活は不慣れなことが多くて、それはそれで大変だったと思いますが、実際はいかがでしたか?

工場勤めの生活は、とっても気楽でした。だって、働く時間が決まっていて、あとは何をしていてもいいんですから!業務時間以外は遊んでいても何も言われない。そんなこと、叔母さんの家でしたことはなかったので、こんな気楽なことでいいのだろうか?と思うくらい気楽でした(笑)。だって、朝ごはんは自分で炊きましたけど、昼と夜のご飯もお風呂も会社の寮の人が用意してくれるんですよ?夢のような生活でした。

■帰郷したのは「畑仕事を義姉が1人でしていると思うとかわいそうだったから」
――それなのに義姉さんからの手紙をきっかけに、キヨさんは叔母さんの家に戻りました。せっかく家を出られたのに、どうして戻ったのですか?

義姉さんから届く手紙には、毎回、今日は何の種を蒔いたと書かれていたので、それを見るたびに、例年なら私がやっていたのに、全部義姉さんがやらないといけなくなってしまった。私が家を出た分、姉さんが大変な思いをしていると思ったら、かわいそうになってしまって…。帰るのは嫌でしたけど、正月に帰省した際に「戻ってこんか?」と言われたので戻ることにしました。

――キヨさんは、優し過ぎます。

そんなことはないです。なぜかというと義姉さんのこともありましたが、もう19か20歳になっていたので、そろそろ嫁入りの年ごろ。ここでまた工場に働きに出ると、あの家は嫁入りのためのお金がないから私を働きに出したんだと周囲の人に思われたら、叔母さんたちも困るだろうとも思ったのです。昔はよそ様がそういうことを言ったものなんです。

■実家に戻るも、叔母と顔を合わせるのは苦痛で、結婚したいと思うように
――叔母さんたちを気遣って戻ったので、少しは態度が変わったのでは?

私も叔母さんの対応が少しは変わるかな?と思ったのですが、2カ月もしたら元に戻りました(苦笑)。でも、私も外の世界を経験して大人になり、少し強くなったので反抗するようになったのです。そうすると、少し気が楽になりました。それから義姉さんが家の近所で働かせてくれる工場を見つけてきてくれたので、畑仕事がないときはそこに通うようになりました。工場に通っているときは気楽でしたが、食事の際には叔母さんと顔を合わせないといけない。だから、結婚したいなと思いました。結婚すれば、完全に家を出られますからね。

――ところが叔母さんは、なかなかお嫁に行かせてくれなかったんですよね?家事や義姉さんの子どもの面倒を見る人がいなくなってしまうから。

そうです。でも、振り返るといろいろ経験できたのでよかったとも思いました。自分が子育てをするときに役立ったから。たとえば、子どものオムツを取り替えることも、体調を崩して病院に行くことも全部義姉さんの子どもで経験していたから、自分の子育てで困ったことになってもすぐ対応できたんです。まあ、結婚したらしたで相手があんまりよくなかったんですけど(苦笑)、叔母さんのところにいるよりもマシでした。旦那には反抗できましたからね(笑)。


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