
お笑いコンビ・バッドボーイズのボケ担当でおなじみの清人さん。地元・福岡の海沿いの町で過ごした幼少期のこと、家族のことをテーマにした漫画「おばあちゃんこ」を描き始めた。かなり特殊な家庭環境にあって、さらに身体に障碍を抱えながら、幼い清人さんを育てる哲子ばあちゃんがこの物語の主人公。
連載第7回の今回は、動植物が自由に出入りするボロ家において、おばあちゃんのたくましさが光る! 寝込みを襲うあの虫との戦いの日々を作者のおおみぞきよとさんに振り返ってもらいました。
■「なんで素手なんだ⁉」って鮮明に覚えています
――おばあちゃん、めちゃくちゃ強いですね。
普通、愛でるまではいかなくても虫を殺すのって嫌じゃないですか、ゴキブリ以外は。でもばあちゃんは虫全部がゴキブリ感覚なんですよね。でも、強風とか、台風とか、地震とか、自然の現象には怯えるんですよ。それが不思議でしたね。目が不自由だから本能的に、死につながるようなこととそれ以外を区別していたのかもしれないです。
――ゴキブリ相手に素手でいくって強烈です。
あの時は素手でいきましたね~。普段は違ったんですけどね。だから「なんで素手なんだ⁉」って鮮明に覚えています。
――それにしてもやっぱりタフな環境ですね。
猫もしょっちゅう入って来るのに、なんの役にも立たん(笑)。ゴキブリとネズミはほぼ同居している感じでしたね。今じゃ考えられないですけど、テレビを観ているとそこら辺をバァーってネズミが走り回っていました。それを見てばあちゃんの三男が「おっ、運動会やっとる」なんて吞気に言ってて。僕だけがビビっている、そんな家庭でした。なのに虫とか動物が出たらみんな僕にやらせてましたから。僕は害虫であっても退治するのは苦手なんです、いまだに。極力外に逃がすようにしています。さすがにゴキブリには殺虫剤を使うんですが、でも心が痛みますね。
40年以上経っても、きよとさんの記憶に焼き付いているゴキブリは、やっぱり恐ろしい生き物ですね。次回から、ちょっと切ないパートに入ります。支え合って生きる小学3年生と目の不自由なおばあちゃんの二人三脚の暮らしをお楽しみに!
■おおみぞきよと
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