
一緒に暮らすインコとのエピソードを中心に、日常の出来事を漫画にして発信しているえるぽぴ( @lpo_on )さん。実はオタクな一面も持ち、中学生の頃からオリジナルキャラや魔法の設定をノートに描いたり、意味もなく包帯や眼帯をつけて登校したりしていたそう。
コミックエッセイ「えるぽぴの楽しい黒歴史ライフ〜解放の刻来たれり〜」は、そんなえるぽぴさんの挙げたらきりがない「黒歴史」の数々を、独特のテンションで描き下ろした作品。平成をオタクとして過ごした人は、きっと懐かしさと恥ずかしさで震えることだろう…(ちなみに筆者は震えた)。
今回は、「同人即売会」の思い出について。「同人即売会」とは自費で同人誌やグッズを作りさまざまな人と交流する、いわばオタク活動の一大イベントだ。えるぽぴさんは高校で出会ったオタク友達と共に、初めて売り手として参加を決意する。
■「コピー本」はZINEのはしり…!?
まずはイベントで販売するグッズについて。花形はやはり本だが、えるぽぴさんたちは「合同本」と「コピー本」を作ることに。この2冊の違いについて教えてもらった。
「『合同本』は、同人誌印刷を専門にしている業者さんに入稿して作ったものです。紙や表紙のコーティングを選べて、断裁面もしっかりそろっているので、売り物のような立派な冊子になりますね……(内容はともかく)!『コピー本』は今でいうZINEのようなものですが、(当時は)オマケ程度に作る方が多く、モノクロコピーの一色刷りでそこまで装丁に凝るものではなかった雰囲気です」
本だけでなく定番グッズの「ラミカ」も作ろうと張り切るえるぽぴさんたち。印刷したイラストをラミネート加工してカットしたこのグッズに、懐かしさを覚える人も多いのではないだろうか(かく言う筆者も、使い道がないのに購入していた)。ほかに懐かしの同人グッズについて聞いてみた。
「グラデ便箋は鉄板ですね(笑)!!あとはメイキングトイの『Canバッチgood!』で自作した缶バッジや、普通紙にコピーしたシールなど、今では業者さんで印刷できるグッズなんかもすべて手作業で作ってました!」
ちなみにこれまで、買い手としてイベントに参加したことはあったのだろうか?
「もちろんあります!興奮してお金を使いすぎてしまうので、しょっちゅうは参加していませんでしたが……(笑)」
売り手側として初めてのイベント参加は、どんな気持ちだったのだろう。
「緊張もありましたが、ほぼ楽しみでしたね…!未知の場所に飛び込むときは、いつもめちゃくちゃワクワクしています!」
イベント当日はコスプレして売り子をすることにしたえるぽぴさん。果たして渾身の合同誌やグッズたちは売れるのだろうか…?サークル参加の様子も描かれる予定なので、楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京