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いつもと違う「海外旅日記」はどう生まれた?五箇野人さんの新連載「海外 縁にまかせて歩くだけ。」【作者に訊く】

  • 2023年10月28日
  • Walkerplus

甚平と忍びハチマキ姿で世界各地を旅し、そこで出会った人たちとの交流や思いがけない体験を漫画に描く五箇野人(@gokayajin)さん。SNSやブログで公開される「海外旅日記」シリーズは「つかれたときに読む海外旅日記」として書籍化され人気を博している。そんな五箇野人さんが描くもう一つのシリーズが、ゲッサン(小学館)で連載中の「海外 縁にまかせて歩くだけ。」だ。
海外旅日記シリーズよりも現地の人々や情景に深く踏み込み、ガイドブックに載らないようなディープなグルメやカルチャー、また知り合った人たちが織りなす人間ドラマも濃厚で、まさに「海外旅日記」シリーズの拡大版とも言える内容となっている。2023年10月12日、「つかれたときに読む海外旅日記(4)」と「海外 縁にまかせて歩くだけ。」第1巻が同時発売されたばかりの五箇野人さんに、新シリーズがはじまった舞台裏や海外旅を漫画に描く上でのこだわりを取材した。

■海外での長い時間を「もっと深く」新シリーズのコンセプト
――単行本二作同時刊行おめでとうございます。待望の第1巻となる「海外 縁にまかせて歩くだけ。」ですが、本作はどんなコンセプトで始まったのでしょうか?

「ありがとうございます!今まで書いてきた『海外旅日記』では現地の人と出会った場面やちょっとした交流を主に描いてきましたが、今回の『海外 縁にまかせて歩くだけ。』では、1人の人とより長い時間を過ごしてその人の暮らしや考え方や人生をもっと深く描くことをコンセプトとしています。

その人のご自宅にあがらせていただくのも、現地のくらしをリアルにお伝えできるポイントとして、見どころの一つだと考えています」

――確かに「海外 縁にまかせて歩くだけ。」では、「海外旅日記」より出会った人物に深く踏み込んだ描き方をされているように感じます。

「今までの旅の中でもこのように長時間、時には何日も、行動を共にする人との出会いがあり、その中でその人の過去や想いを深く聞くことはありました。ただ、基本的には1ページ漫画である『海外旅日記』ではそういった面を描くことが難しかったので、本作ではその部分をしっかり描きたくてこうしたアプローチになりました」

――また、親しみを感じる絵柄はそのままに、訪れた場所の風景や何気ない1コマもディティール豊かに描かれているのも印象的です。

「背景は全て自分が撮った写真を元に描くことをこだわりとしています。それは読者のみなさんに『自分が見た風景』をそのまま追体験していただきたいという思いからです」

――いわゆる「作品として映える背景」よりも、五箇野人さんだからこその視点を重視されているんですね。

「漫画の構図だけを考えるとネットで見つけた画像を元にした方がいいときもあるかもしれませんが、そこはブレずに自分の見たもの撮ったものをそのままの角度で描き出しました。細部まで描き込んでいるのでそのとき、その場所の空気を楽しんで頂けたらと思っています」

■コロナ禍での海外旅の中断、再開後は現地での体験が「敏感だったり新鮮に」
――同時刊行の「つかれたときに読む海外旅日記」も今回で4冊目を数えます。コロナ禍でなかなか海外に行けない時期も挟んだシリーズですが、続いて描く中での変化はありますか?

「特に意識はしていないのですが、強いていうなら、海外渡航の中断期間を経て旅が再開できてから描いている漫画は、自分自身でも異文化や現地ならではの暮らしに対しての驚きなどが敏感だったり新鮮になっていると思いました。『いい人に出会った』だけでなく『こんな文化に出会った』という現地体験の楽しみをストレートにお伝えしているものが増えたかもしれません」

――「海外旅日記」と「海外 縁にまかせて歩くだけ。」、題材は同じでも読み味が異なるのも魅力です。作者から見たそれぞれの見どころをお聞かせください。

「『海外 縁にまかせて歩くだけ。』は現地で出会った人が感じていること、過去、人生などさまざまな話を聞いて『海外旅日記』の拡大版とも言える内容に描いています。描き込んだ背景も含め自分の旅を追体験して頂きながら、現地ならではの暮らしや想いを知って頂けたらと思います。

『つかれたときに読む海外旅日記』はおかげさまで4巻目を出すことができました。これまで通りのユルさも保ちつつほっこりだったり、笑えたり、時に深い言葉があったりな、現地での出会いを楽しんで頂けたら幸いです」

――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

「いつも漫画を見て頂き本当にありがとうございます。おかげさまで単行本を2冊同時に発表することができました。これからも引き続き海外旅をして漫画を描いていくのでよろしくお願いします」

取材協力:五箇野人(@gokayajin)

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