何度も死にかけながら生き続けた“オオカミおばあちゃん”を通して痛感する不確かな命「死はいつも近くにある」【作者に聞く】

  • 2023年7月7日
  • Walkerplus

人生100年時代――。2017年末に「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、今や多くの人が耳にしたことがあるフレーズだ。長寿大国と言われる日本に暮らす我々にとって「人生100年時代」は決して他人事ではない。しかし、超高齢化社会の到来と比例するように少子化が進み、単身世帯、孤独死、老年期鬱、高齢ドライバー、老害など、高齢者を取り巻くさまざまな問題はネガティブな印象に偏りがちである。そんな日本の超高齢化社会を明るく生き抜く“最強おばあ”がいた。

“最強おばあ”の孫である、きよまろさん(@sobomiyako98)は、戦争や震災、夫との死別、シングルマザーを経て100歳までポジティブに生き抜いた祖母・みや子のエピソードを「祖母・みや子98歳」として漫画化、発信している。ウォーカープラスでは、「祖母・みや子98歳」をパワーアップさせ「祖母・みや子100歳~年を取るって楽しく愉快だ!~」と改め、筆者・きよまろさんの漫画を中心に、老いることを愛おしく感じられるエピソードを多数紹介していく。今回は、何度も“死にかけた”という、みや子さんの生命力が感じられるエピソードです。


――何度も死にかけているという祖母・みや子さん。家族や周囲の人のエピソードで何か印象的なことはございますか?

「生きている限りは元気いっぱいの祖母でしたので、最初危篤と聞いたときは、家族は大変驚いて取り乱しもしましたが、3回目には『オオカミ少年』ならぬ『オオカミオバァ』と言われるまでに。ですが、漫然と『元気だから死なない』と思ってきた家族も、祖母が生死をさまようたびに『人はいつか死ぬもの』『死はいつも近くにある』と心の準備を重ねるようになりました。家族それぞれが命という不確かなものを意識することができたのは、祖母の生きざまのおかげですね」

――みや子さんが、ケアマネジャーを頼るのではなく、自らで立てたケアプランとはどのようなものだったのでしょうか?

「ポータブルトイレの使用は断固拒否でしたので、先ずはトイレに行けるようになる!という目標を立てました。退院後は訪問リハビリで日常生活動作をメインに練習、歩行器や手すりなど福祉用具を介護保険でレンタル、週2回デイサービスで入浴と運動の時間を設け、自宅でも自主トレに励みました。退院直後はトイレ移動にヨーコ(筆者の叔母)が介助を行っていましたが、3カ月後には一人でトイレに行けるようになっていました」

――これらの作品を描きながら思い出す、みや子さんの姿や言葉はありますか?

「年であることを受け入れる一方で『だからこそどうあるべきか?』を常に考えていたように思います。私は医療職でもあるので、よく祖母から相談を受けていましたが、『年のせいにして自分から“できない理由”にするのは好きじゃない』と、よく言っておりました。『病は気から』と言いますが『齢(よわい)は弱いになりやすい』。自ら老いに縛られることが無いように気を付けていたのは印象的です」



今を生きる老若男女を元気にする、100歳まで生きた“最強おばあ”祖母・みや子。いくつになっても「自分らしさ」を追い続ける姿は、歳を重ねていく我々に勇気と導きを与えてくれる。

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