
ペットとして人気の高い小鳥。ウォーカープラスでは小鳥と暮らすうえで知っておきたい知識や疑問を徹底解説するコミックエッセイ「トリ扱い説明書」より印象的なエピソードを厳選してお届け。3羽の小鳥と暮らす鳥野ニーナさん(@sinamomomomo)の漫画と、「森下小鳥病院」の院長・寄崎まりを先生の監修&エッセイで、小鳥の飼育に必要な知識を身に付けよう!
今回は、鳥さんのお世話について。飼い主は毎日どんなことを行っているのか、ブンチョウ2羽とセキセイインコ1羽と暮らす鳥野ニーナさんに聞いてみた。
「朝はまずごはんと飲み水を交換し、ケージの敷き紙もフンをチェックしてから交換します。放鳥や日光浴、水浴びなどをして過ごし、夜になるとケージにカバーをかけて寝かしつけます。翌日まで鳥さんたちとは会えないため、夜は少しさみしいです」
「また鳥さんの爪切りも、大切なお世話のひとつです。ただし小型の鳥さんの爪を切るのは非常に困難なため、どうしても難しい場合は動物病院で切ってもらう方法もあります。ちなみにわたしは旦那さんと2人がかりで切っていますが、爪切りの直後は鳥さんに嫌われてしまいます。そして、毎朝行う鳥さんの体重測定は、元気かどうかを確認するうえで一番重要なことです」
■「毎日のお世話に欠かせない体重測り」
体重でわかることや、測定のタイミングについて、「森下小鳥病院」の院長・寄崎まりを先生が詳しく聞いてみた。
「毎日鳥さんの状態を確認するために、一番重要なことはなんでしょう?
食欲でしょうか?実は鳥さんは食欲がなくても、食べているふりをします。「昨日から具合が悪いです」と病院に連れてこられた鳥さんが、実はすごく痩せてしまっているというケースは、診察しているとよくあります。
それでは便やおしっこの異常でしょうか?排泄物の観察はとても重要です。しかし、排泄物はある程度見慣れないと難しいため、初めて飼育する方には難易度が高いかもしれません。
しかし、ご安心ください。初心者の方でも、簡単に鳥さんの状態が推察できる方法があります。それは『体重測り』です。体重の変化は客観性のある数字として表れるので、誰にでもわかります」
鳥さんの状態の確認には体重測りが重要とのことだが、具体的に体重を測ることでどんなことがわかるのだろうか。先生が詳しく解説してくれた。
「具合が悪くてもエサを食べているふりをするというのは、前述したとおりです。しかし、体重までは隠せません。実際に食べている量が減ると、体重は確実に減ります。例えば鳥さんをお迎えしたばかりの頃は、環境の変化によってエサを食べなくなることも。そんな時には獣医師が適正体重と許容できる体重を推測し、どれくらいエサを食べなくでも大丈夫かなど相談できます。
また、メスの鳥さんは卵を産んでしまうことがありますが、それも体重測定である程度予測できます。鳥さんは発情するだけで体重が増え、おなかに卵ができるとさらに体重が増加します。卵をたくさん産んでしまう鳥さんは、卵が詰まるなどのトラブルが起きることも。体重をコントロールすれば、卵を産まないように調節もできるのです」
ではいつ体重を測ればいいのでだろうか。体重測りのベストなタイミングについて教えてくれた。
「鳥さんは食道に『そのう』というエサをためる袋があるため、おなか一杯食べると体重がかなり変わってしまいます。そのため、体重測定のタイミングは、朝起こした直後でエサも水も入れる前が理想的です。もしどうしてもその時間帯に体重が測れないときは、一日の内でできるだけ同じ時間に測るようにしてください。体重はできるだけ毎日測りましょう。とくに換羽や産卵時、具合が悪いときなど、普段と様子が違うときには、必ず測定してください。
なお、おなかに何かできていたり、『そのう』にエサが停滞している場合は、体が痩せていても見せかけの体重は普段と変わらないこともあります。例え体重が同じでも、定期的に健康診断は受けてくださいね」
「小鳥と楽しく幸せに暮らしたい」と願うあなたの役に立つ、超実用的な知識が満載の「トリ扱い説明書」。これからもさまざまな情報を届けるので、楽しみにしてほしい。