
好きになった人には、別に好きな人がいたーーもし、この恋が絶対に実らないとわかっていたら、あなたならどうする?そんな複雑な三角関係を描いたイララモモイ(@iroiro_kangae)さんの『七夕☆大ぱにっく!』に注目した。タイトル通り、読者をパニックに陥れる不思議な三角関係の秘話にも迫る!
女性の片思いや三角関係の切なさを描くのが好きなイララモモイさんは、現在サイコミにて『付き合えなくていいのに』を連載中。好きな人の一言に揺れてしまう感情の振れ幅が、多くの女性に刺さる。『付き合えなくていいのに』は、第2巻まで発売中だ。
短冊に願いごとを書いた野崎。どんなことを書いたのか、気になる水野。水野はどうやら、野崎に好意がある様子。
誰が誰を好きなのか?会話や表情で、水野は野崎が好きだということがわかる。しかし、相手側の野崎は、水野が好きなのか会長が好きなのかわからない。会話の流れで「この鈍感!」と野崎が水野を蹴り散らすあたり、もしかして両思いなのでは?という伏線も流れる。
しかし、物語は「恋を実らせるために短冊に書いた願い事が叶う」方向へシフト。なんと、野崎と水野の体が入れ替わってしまうのだ!それは、物語の最初に野崎が短冊に書いて願いごとに遡る。彼女は「水野になりたい」と書いたのだ。
その後、水野に入れ替わった野崎が会長に向かって告白。すると会長は、実は好きな人が水野だという。野崎の中身が水野で水野の中身が野崎で会長は水野を好きでーー何かが間違ってると翻弄されるのは、水野だけ!?いや、違う。読んでいる読者も何がどうなっているのか、パニック!となる。
ーー七夕の願いが叶うータイトル通り、読者としても大パニックになりました!本作のきっかけを教えてください。
三角関係の話が好きなので描きたいと思い、完璧に全員の思いがすれ違う関係性を考えたところこうなりました。
ーー野崎さんの執念のラストのセリフがホラーですね。これは逆に美奈子に近づくな!のホラー感と似ていますが、いかがでしょうか?
前作同様、少しヒヤッとしたものを描きたいとはおもっていたので、似ているかもしれません。
ーー「美奈子に近づくな!」も、複雑な三角関係を描いていましたが、前作と違うポイントはありますか?
自分の好きな関係性を描いたという点では共通していますが、まずストーリーとキャラクターは異なっていますし、仕掛けも違うものを考えました。
中身が誰で好きな相手が誰なのか、相関図を描いたところで水野の最後のセリフを読んでみよう。そしてもう一度読み返すと、「なんか、ごめんね。バイバイ」のセリフに戦慄が走る。仕掛けが違う「美奈子に近づくな!」も合わせて読んでみると、人間の本性が見えてきて面白い。
取材協力:イララモモイ(@iroiro_kangae)