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子供を力で押さえつける“しつけ”や妻を支配したい夫!「威厳」を誇示したい理由とは?取材を経て男性の心理を漫画に

  • 2023年2月7日
  • Walkerplus

子供が宿題をせずにご飯を食べていた。しつけと称して父親は子供を殴る。子供に手をあげてしまったが、これはあくまで「しつけ」であり、悪いとは思っていない。今回は、家庭内で暴力を振るう男性たちの背景や心理を描いた水谷緑(@mizutanimidori)さんの「暴力をする男たち」を紹介する(『こころのナース夜野さん』(小学館)第3巻より一部抜粋)。暴力を振るう人の背景や心理まで描かれており、「勉強になった」「もっと広まってほしい」など、Twitterで4.1万のいいねが届いている(2022年1月31日)。※本作には、暴力的な描写があります。また、センシティブな問題を含みますので、閲覧はご注意ください。


ウォーカープラスでは、男性も育児うつになる心理を描いた「男の育児うつ」や「パワハラの拝見」(『こころのナース夜野さん』(小学館)第5巻より)を紹介し、大きな反響を読んだ。今回は、なぜ人は暴力を振るってしまうのか?を題材にした作品に迫る。



■加害者プログラムに参加し、男性の家族の関わりや背景を実際に取材した作品
本作は、精神科に勤めるナース夜野さんが心に病を抱えるさまざまな患者と向き合っていく話題作。答えのない精神科医療の本質をつく、奥深い話が毎話綴られている。今回は、「しつけ」と称して子供に暴力を振るう男性の話だ。

子供は父親に殴られて、家を飛び出した。公園にいるところを警察に発見され、父親に会うのが「怖い」と話しているため、児童相談所へ保護された。子供はしばらく相談所で預かることになるという。

子供に暴力を振るった父親は、「そもそもお前の育児が失敗しているから、あんな子に育ってるんじゃないか!」と、全て母親のしつけが悪いと言った。それに対し、母親は「大声出さないで、そういうのが怖いのよ」という。

児童相談所から加害者プログラムへの参加を勧められ、父親の裕は夜野さんが勤める精神科を訪れる。カウンセリングの際、裕は「稼ぐだけでも大変なのに、嫁のグチも聞かされて、家事育児も手伝わされて、俺の方が被害者ですよ」と言った。加害者意識が全くないと、夜野さんは思う。

加害者ブログラムに集まった男性は、裕の他に、弁護士、公務員、建築業、マスコミなど、身なりもきちんとしていて、常識人に見える人ばかりだった。参加理由は、妻子が出て行った、別居中、子供に手をあげてしまった、などさまざまである。

その中に1人「自分は暴力を振るっていない」という男性がいた。妻には「こうあるべきだ」と、家計簿をチェックしたり、洗濯物の片付け方や消耗品の管理方法について細かく注意しただけ。

暴力は振るわないが、妻を言葉で精神的に追い詰めていた。「あなたがやっていることは、愛情ではなくて支配です」と医師に言われ、男は不満げな表情をする。裕と同様、加害者意識は全くないようだ。

彼らはなぜ、家族に暴力を振るってしまうのか?家族を自分の支配下に置きたがるのか?参加者の家庭環境を聞いてみると、父親に厳格者が多く、自身も幼児期から暴力を振るわれていたと話す。そして夜野さんは「父の威厳」を誇示することが、暴力につながっていると言う。彼らは「父親」が本来どういう姿であるべきか、意識を変える必要があった。



心の病の原因は一人一人が違い、正解はない。しかし、この本では向き合い方を教えてくれる。本作は、加害者も被害者も第三者も気づかなかった深層心理が描かれており、多くの人が「勉強になった」とのコメントが届いている。

画像提供:「こころのナース夜野さん」(C)水谷緑/小学館

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