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遺体が見つからないため成仏できずにいる霊を弔う仕事を請け負う「亡骸探偵」。今回の依頼は「行方不明の遺体を探して欲しい」というものだった。死んでもなお旅立てずにいる者を弔ってくれる吉野(@stone25shion)さんの「亡骸探偵」を紹介しよう。
■成仏したい遺体を探す仕事?
亡骸探偵の出雲は、人とは違うものが見える。いわゆる霊感が強い類の人間だ。幽霊に聞き込みをしたり死んだ本人に聞いたりして、遺体を見つけ出している。今回の依頼は、義理の姉の亡骸を探して欲しいというものだった。
亡くなった母が義理の姉を殺害し、その遺体を隠したと記されている日記を発見した。ただ、そこには遺体を埋めた場所が書かれておらず、義弟は義姉の亡骸を見つけてきちんと弔いをしたいと言う。
出雲には書かれた日記を見ただけで義母には殺したことを後悔する念が残っていないことが分かった。そして、殺された義姉の霊は「ここにはいない」と断言する。
義弟は義姉が前妻の子供で、母親に虐げられていたことを知らなかった。何も知ろうとしなかった。母親が死んで日記に書かれた真実を知り、2人を一緒のお墓で眠らせてあげたいと思ったらしい。
依頼を受けた出雲は、日記の中から舞い落ちたひとひらの花びらを手に取り、彼女の思念を察知する。「いいですよ」と依頼を受けた亡骸探偵は、義姉の遺体を探す旅に出かける。
本作は「桜の話が描きたくて、桜の下には死体が埋まっているという文章からインスピレーションを受けて作品を作りました」と作者の吉野さんは語る。人を寄せ付けない辺鄙な場所に季節外れに咲く桜がある。そこで美しい桜を愛でながら、彼女はいつまでも「誰か」を待っていた。誰かに気づいて欲しかった彼女は、ずっとそこで待ち続けていたのだ。一体、誰を?
画像提供:吉野(@stone25shion)