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愛犬家の心を射抜いてTikTokなどSNSでバズり中!歌っているのは独特な視点を持つアーティストだった

  • 2022年11月24日
  • Walkerplus

愛犬との“お散歩”をユーモラスに歌った曲「Osanpo」が、SNSを中心に話題となっている。2022年11月22日現在、確認できるだけでもTikTokでは100万回再生を大きく超える勢いで再生されているほか、同曲の音源を使用したInstagramのリール動画は5000本以上。音楽ストリーミングサービスSpotifyの国内バイラルトップ50でも4位(最高3位)を記録するなど、ペット関連以外の動画にも波及するほどバズを起こしているこの曲。歌っているのは、名古屋を拠点に活動する角刈りのユニークなラッパーだった!

■バズは想定外。愛犬家にさえ届けばいいと思っていた
2022年9月に発表された、SOCKS & DJ RYOWの楽曲「Osanpo」。歌っているのは、名古屋を拠点に活動するラッパーのSOCKS(ソックス)さんだ。「Osanpo」はリリース後瞬く間にSNSを中心に広がり、愛犬家の中で話題となっている。現在の状況について、本人は想像していなかったそう。

「これまでは、自分の生活について楽曲を作ってきました。よく行くホームセンターのDCMカーマとか、トレードマークの角刈りのこととか。『Osanpo』も同じで、コロナのせいで遊びにも行かず友人とも会えず、愛犬との散歩が中心の生活が続いていたんですよね。愛犬の名前は『クレム』で、5歳の女の子です。妻と『ブリュッセルグリフォンを飼いたいね』と話していて、先にペットOKの家に引っ越したんですよ。ちょうど物件を決めた翌日ぐらいかな、それこそカーマでクレムと出合って。そこから、とんとん拍子で一緒に暮らすことになりました。もともと犬が大好きで、実家でも3頭飼っていました。一緒に生活するのは4頭目です」(SOCKSさん)


「そっちはイヤっていうときのあの目」などという歌詞からもわかるように、クレムと散歩している時の表情やしぐさを見ていて、さまざまなフレーズが浮かんできたそう。YouTubeのミュージックビデオのコメント欄は、愛犬家たちの愛情に満ちた言葉であふれている。それも、おそらく普段はヒップホップを聴かないであろうリスナーたち。それに対して「本当にうれしい」とSOCKSさんは言う。

「バズるとか考えてもいなかったですし、今も実感はしていません。ただ、愛犬家の方に届けたい気持ちはありました。曲のプロデューサーのDJ RYOWさんも愛犬家なので、2人で『犬に対する愛を伝えたいね』と話していて。僕たちのことを知らない方にも届いたのは素直にうれしいですし、愛犬家の皆さんからのコメントは光栄ですね。狙っていたことができたのかなと思います」(SOCKSさん)

今回の制作の背景と楽曲の反響について、プロデューサーのDJ RYOWさんはこう話す。

「この曲ができたときに『おもしろいからMV作ろうよ』から始まりました。僕もSOCKも犬が大好きで、正直、自己満足なところもありました。それが意外なところで響いて、今ではInstagramのフォロワーにも愛犬家の方がすごく増えて。よく遊びに行っているドッグランから『イベントをやってくれないか?』なんて相談もされました。この曲をきっかけに、そのドッグランの方は僕が音楽をやっていることを知ってくれたみたいで。こういう自然なきっかけで流れが生まれていくのはすごく好き。『こんな平和なヒップホップもあるんだ』と知ってほしいですね(笑)」(DJ RYOWさん)

■愛犬と散歩にご飯。それが僕にとってはリアルなヒップホップ
SOCKSさんはこれまでもほかのアーティストなら素通りしてしまいそうなことに目をつけて、独自の視点で歌詞を書き上げてきた。DJ RYOWさんはSOCKSさんについて「ほかの人と違う」と話す。

「おもしろいですよね。視点がほかのラッパーと違うと感じています。僕が好きなことを試せる、おもちゃのようなところもありますけど(笑)。SOCKSは日常の思いついたことを歌詞にできるので、彼とだったら朝起きてから夜寝るまでを描いたアルバムだって作れるような気がしています」(DJ RYOWさん)


SOCKSさんは自身について「怒りは20代に置いてきました」と話すほど、雰囲気が穏やか。「怖い」や「荒っぽい」など、よくイメージされるステレオタイプなラッパーとはいい意味で違い、クスッとくるような楽曲も多い。

「正直に言えば、バカみたいなテーマの歌もたくさん作ってきました(笑)。でも、別におもしろいことを狙っているわけではなくて…う〜ん、昔から格好つけるのが苦手なだけなんですよね。だから、ちょっとダサいくらいでいい。ダサいけど、それを“アリ”にしたいっていう感覚です。極端に言えば、ナシをアリにしたい」(SOCKSさん)


「普段は朝5時に起きて、5時半にクレムと散歩に行って、それから朝食をとって、仕事。18時には帰ってきて、クレムと夜の散歩をして、21時には寝ています。それが僕のルーティン。たとえば昼に起きて夜はクラブ、それもヒップホップとしてアリだとは思います。クラブで生まれていく音楽もいいですけれど、ヒップホップはそれだけじゃないっていうことを知ってほしいですね。クラブでシャンパンを空けて…っていうヒップホップもあるけど、愛犬と散歩に行ってご飯…っていうヒップホップもある。僕にとっては後者がリアルなヒップホップですから」(SOCKSさん)

「あと、どの曲もヒップホップらしいフレーズというか、押さえるべきところは押さえるようには意識しています。ヒップホップを知っている人からするとニヤッとできる部分があると思うんです。バカはバカでも、ヒップホップバカでいたいですね」(SOCKSさん)

日本のヒップホップシーンの第一線でさまざまなものをクリエイトするDJ RYOWさんと一緒に制作することで、SOCKSさんの思うところの“ナシがアリに”なり、彼の輝きが増しているようにも思う。今後については「歌詞の中でも言っちゃったので、クレムの曲を作ってあげたいですね」とのこと。

最後に、SOCKSさんにとってのクレムちゃんとは?

「『子は鎹(かすがい)』という言葉と同じで『ペットは鎹』ですね。彼女が僕と妻に平穏な日々を授けてくれた場面はたくさんあります。僕にとっては家族であり、最愛の存在ですね」(SOCKS)

※本記事の制作にあたり、専門家指導のもと犬の安全と健康に配慮して撮影を行いました。
取材・文=初野正和/撮影=古川寛二/撮影協力=STILL THINKING COFFEE



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