
「先生、アニメ化ですよ!!」と喜び勇んで担当編集が飛び込んできた。漫画家は担当編集の話は一切聞かず間髪入れずに「断ーーーる!!」と叫んだ。一体なぜか…!?担当編集は「くそー。編集長に何て言えば…」と頭を抱えるのであった。
漫画が売れて、アニメ化の申し入れが入った! / 高野准(@takano_66)
漫画家のペンネームは「大葉圭(おおばけい)」。週刊少年漫画雑誌の連載を抱えている売れっ子漫画家だ。毎週締め切りがある週刊誌で人間業とは思えないスピードで大作を描き上げ続け、読者から「神!」と崇められている存在。しかし漫画家の正体は「神」ではなく「おばけ」だった!!
アニメ化に断固反対のおばけ先生 / 高野准(@takano_66)
今回のエピソードは、おばけ先生の漫画にアニメ化の話が舞い込んできたというストーリーだ。実はおばけ先生はこだわりが強く、自分の作品を他人に任せたくない。よって、すべて自分が監修できるのであれば考えてもいい、と言うのだが…。
自分の目の届かないところで作品を扱われるのが許せない様子… / 高野准(@takano_66)
本作を描いたのは、「good!アフタヌーン」(講談社)の2024年9号で「峰家の双子は似ていない」が掲載された漫画家・高野准(@takano_66)さんである。高野さんはこれまで講談社が主催する「アフタヌーン四季賞」で数多の賞を受賞している漫画家だ。高野さんに本作について話を聞いてみた。
ただでさえも締め切りに追われる週刊誌の漫画家、おばけ先生はアシスタントもいないが大丈夫か? / 高野准(@takano_66)
――「おばけのマンガ家」のおばけ先生は、高野准さんが考える“最強の漫画家”を描いているとのこと。本作のなかで「細かいところだけどここを見てほしい」といった点はありますか?
はい、おばけ先生は寝なくてもよくて、描くのも早いという“スーパーマンガ家”です。おばけ先生には口がないので、目とかポーズとかでおばけ先生の感情や性格がわかるように心がけて描いてますので、その辺りを見て楽しんでいただけたらな、と思います。
――確かにおばけ先生に口はありませんが、表情豊かですね!
怒ってる時は目が吊り上がってたり、悩んでる時は伏せ目だったり上の方をみていたり、“元人間”という設定なので人間らしさを感じてもらいたいな、と思っています。
――高野さんおすすめの表情もあるんですよね?
はい!伏せ目のときにだけまつげがぴょこっと出るところが、個人的にカワイイと思っているこだわりポイントです!
アニメ化は実現するのか、もしくは頓挫するのか…? / 高野准(@takano_66)
アニメプロデューサーは「漫画家が全面監修」の申し出に対して、「週刊連載作家にそんなことできるのか!?」と不安視している。果たしてアニメ化の企画は双方合意のもと実現するのか、それとも頓挫するのか?今回のアニメ化のエピソード回は「おばけのマンガ家」の第6話に当たるが、第1話から5話も続けて読めるように収録しているので、ぜひ読んでみて!漫画の世界感がもっと分かるはずだ。
取材協力:高野准(@takano_66)
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