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【余命わずか】寝たきりの祖母の夢を覗き見?「いつでもここにおるよ」鮮やかな入道雲で思い出せる!家族愛に「感動した」の声

  • 2022年10月11日
  • Walkerplus

人は記憶を五感で結びつける、という。例えば、音楽。懐かしい音楽を聞くと蘇る過去。例えば、匂い。いつ誰と食べたものか、記憶が結びつく。今回は、何気ない晴れた日の入道雲が祖母を思い出すきっかけとなった電気こうたろう(@gurigurisun)さんの「今でもきっとあの頃の」を紹介する。

■何気ない「いい天気」が家族の心を救う
最近、食事もあまり量を食べられなくなり、寝ている時間が増えてきた祖母。家族のみんなが少しずつ祖母の余命があまり長くないことを感じていた。

ある日、祖母の寝言を耳にした孫。「この雲だけは…忘れんように…」と呟いたことをきっかけに、祖母は眠ったままどんな夢を見ているのだろうと気になり始めた。

そのことを医師に相談すると、他人の夢を覗くことができる「ドリームプロジェクター」と言う装置を貸してくれるという。貸し出しされるのは一カ月先。その間にも、祖母は食事が喉を通らなくなり、いよいよ寿命を迎える時が近づいてきていた。

装置が届き、寝たきりの祖母の夢を見ようと準備を始める。しかし、「もし恐ろしい夢を見ていたら…」と、不安がる母。「どんな悪夢を観ていたとしても、ぜったいに最後まで見届けようね」と約束し、2人で祖母の夢を覗くことを決めた。祖母の夢を見て、祖母が眠りながらも辛くないことがわかり希望を持つことができた。

■友人の介護の話から派生した物語
死を間近にした家族の葛藤を描いた作品。今回は、電気こうたろうさんに作品を描いたきっかけや本作のメッセージ性について話を伺った。

――眠ってしまった祖母の夢の中を覗くという切ないお話ですが、実際に体験されたことがベースになっているんですか?

これはぼくの体験ではないのですが、友人がおばあちゃんの介護をしていて、その話をする中で印象的だった部分を借りて漫画にしました。

――元気だったおばあちゃんが寝たきりになってしまう、同じ境遇の方々から共感の声が届いていますね。いかがですか?

漫画の中に深く入って読んでいただけたのがまず嬉しいのと、先に挙げた友人のような境遇の方々がたくさんいることをちゃんと意識するきっかけになってありがたかったです。

――ちなみに眠っている祖母の夢の中を見ると言う発想は、どこからきたのでしょうか?

毎回なのですが、核になる変な発想は音楽を聴いて深く入り込めたらパッと思いつくので音楽からということになります。

――本作の見どころやこだわったところを教えてください。

フィクションではあるのですが、友人をモデルにしたことで、いつも描く漫画よりも現実味や重みが出ているんじゃないかと思います。そこが見どころです。

――他には、どのような漫画を描いていますか?

この頃は、影絵のようなタッチで変な設定の漫画を描いています。これが気に入っているので、しばらくは続けるつもりです。

「希望が表現できたら」と、描いた大きな入道雲。夏空に雲が広がるたび、家族らは祖母が「ここにおるよ」と言ったことを思い出すだろう。読者からは「自分の母とおばあちゃんを重ねてしまい、泣けた」「介護で辛い時に読めてよかった」などの感動の声が寄せられている。

取材協力:電気こうたろう(@gurigurisun)

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