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4コマエッセイを連載する大場花菜が、“マダム漫画”の作者に漫画作りのポイントをインタビュー!【はなコミ!特別編】

  • 2022年9月15日
  • Walkerplus

指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ・=LOVE(イコールラブ)に所属し、特技のイラストを生かしてグッズ制作にも関わっている芸術家肌なメンバー、大場花菜。そんな彼女の新たな挑戦として、4コマエッセイ「はなコミ!~となりにアイドル~」の連載がスタートします。毎月15日・30日に更新予定なのでお楽しみに!本編漫画の開始に先駆けて“漫画の描き方”を学ぶべく、大場さんが以前から好きだったという漫画「マダムが教えてくれたこと」の作者であるユニカさんに突撃インタビュー!普段、漫画作りで大切にしていることや実践的なスキルについて教えてもらいました。

■事実は小説よりも奇なり!“マダム漫画”が生まれたキッカケ

大場:元々「マダムが教えてくれたこと」が好きで、実は今日も購入した漫画を持ってきちゃいました!私はレトロファッションが好きなので、マダムのお洋服とかも含めてすごく好きな世界観なんです。

ユニカ:ありがとうございます…!うれしい(照)!私も取材前に大場さんのイラスト拝見して、私じゃ絶対に描けない可愛い絵柄でメンバーのイラストとかを描いていたので、もう、すっごく可愛い人!!って思いました。

大場:ありがとうございます!「マダムが教えてくれたこと」はどのようにして生まれたんですか?

ユニカ:この作品は実話が基になっていて、私が喫茶店でバイトしてた時に、本当にこの漫画に出てくるような青いドレスを着て入ってきた方がいらっしゃって、それを見た時にピーンときて話しかけたのが始まりです。それまでも、「そのネイル素敵ですね」とか「そのネクタイかっこいいですね」とか結構お客様に声を掛けていたんですが、その中でもその青いドレスが印象的で。「そのドレス素敵ですね!」と伝えたら、そのマダムが毎週来てくれるようになったんです。漫画だと結構長い話になっていますが、実際は私がバイトを辞めるまでの1カ月半とか2カ月くらいの短い期間でした。

大場:そうだったんですね。

ユニカ:だからちょっとセミフィクション的な部分もあるんですけど、その短い期間でもかなり印象的なご婦人だったので、通学先が変わってバイトを辞めるタイミングで、お礼の手紙を書いて渡したんですね。そしたら、その方が学童の園長先生をやっていて、「次のアルバイトが決まってないなら、うちの学童で働かない?」って誘っていただいて、そこで今も働いています(笑)。

大場:素敵な出会いすぎる…!SNSでよくキッズたちの話が出てくるので、何の仕事をしているんだろう?と思っていました(笑)。

ユニカ:そんなところまで見ていただいて(笑)!そうなんです、実はこのマダムの元に集うキッズたちのお話でした。マダムは既に定年で退職されていて、これは裏話なんですが、表紙のイラストで首に巻いているスカーフは、学童の職員さんがマダムにプレゼントしたスカーフだったりします。多分、職員のみなさんは気づいていないんですけど(笑)。こんな風に、バイト先で話しかけて次のバイトを紹介してもらってって、なかなかできる体験じゃないですし、すごく印象的だったので、自分のいい思い出としてだけ留めておくのはすごくもったいない!と思い、漫画にしてTwitterに上げてみようかなと思ったのが始まりですね。

大場:すごい、夢のあるお話ですね。その話を聞いたら、また読むのが楽しみになりました!

ユニカ:ありがとうございます。本当に、事実は小説よりも奇なり…って感じですね。

大場:この作品に出てくる主人公の女の子は、ユニカさんとは少し雰囲気が違いますよね?

ユニカ:そうなんです。最初は、自分みたいな子を主人公にしようとは思ったんですけど、多分私だったら絶対もっとグイグイ話しかけてるんですよ(笑)。それに私は、やろうと思ったら迷わずやっちゃうタイプなので、そういう子が主人公だとマダムがいなくてもいいかもって思って。唯一、私の要素を入れようと思ったのが、片方だけ髪を上げてるっていうところです。あと、この女の子にはあえて名前をつけていません。そうすれば、読んだ人がこの子になれるんじゃないかと思ったので、そこもこだわりました。

大場:なるほど!そんなところにも、自分なりのこだわりが込められていたんですね。

■「漫画を描くのが上手くなるから」という理由で、彫刻学科へ!

大場:ユニカさんは、いつ頃から漫画を描き始めたんですか?

ユニカ:一人っ子だったので、物心ついた時から絵は描いてました。漫画をちゃんと描き始めたのは、高3の受験期。本当にバカですよね(笑)。その時はちゃんとした原稿用紙に描いて、週刊誌とかに送っていました。1作目は今でも取ってあるんですけど、読み返しても破りたくなるくらい(笑)。その次に描いた作品が最終候補くらいまで残って、評価されたのがうれしかったので大学に入っても漫画を描こうと思ってたんですけど、忙しかったのもあり、ブランクが空いてしまいました。

大場:私は、専門的な学校には行っていないので、美大に行くためにどういうことするのか、すごく気になります。

ユニカ:私の場合は周りよりスタートが遅くて、高3になってから美大受験用の予備校に通い始めました。高校の時、先生に「漫画が上手くなる学科はどこですか?」って聞いたら、「彫刻学科は人体が一番上手に描けるようになる」って言われて、ろくに立体も作れないのに彫刻学科を選びました。案の定、石膏も粘土も下手だったんですけど、「ムービングデッサン」っていう踊っている人物をデッサンする科目は、自分でも驚くくらい得意だったんです(笑)。そのおかげで、人体の動きや表情をとらえるのが上手くなったなって思います。大場さんはアイドルになる前、絵の道に進むことを考えたことはあったんですか?

大場:そうですね。小学6年生の卒業文集には、将来の夢で「イラストレーターになりたい」って書いてました。

ユニカ:わぁ、素敵~!

■表情や角度にこだわりたい時は、アナログで描いてからデジタルで修正

ユニカ:今日は普段使っているノートなどをいくつか持ってきたんですが、例えばこのノートは持ち歩く用で、芸大の卒展に来た人をスケッチしたりとか、道行く人のファッションが素敵だなと思ったら、電車の中でクロッキー(※対象物を素早く描くこと)したりもします。

大場:すごすぎる…!アナログで絵を描く時は、どんなペンを使ってるんですか?めっちゃ描きやすいペンとかありますか?(笑)

ユニカ:いやもう、全然普通のシャーペンなんです(笑)。万年筆で描くこともありますね。あとは、たまに鉛筆を使ったりとか…それも小学生の時に無限に買ってた「ポンポネット」の(笑)。

大場:わかります!(笑)うちにも、めっちゃたくさんあります。可愛い鉛筆って使えないですよね。

ユニカ:こっちのノートには、「マダムが教えてくれたこと」について最初にいろいろと設定を打ち合わせした時の内容が書いてあります。このキャラクターはこういう考え方を持っているとか、掘り下げたメモはちゃんとノートを分けて書きましたね。

大場:アナログとデジタルは、どうやって使い分けていますか?

ユニカ:表情とか角度にこだわりたい時は、まずは紙に描いてからスキャンして取り込んで、デジタルで修正しています。紙をなでる感覚とか勢いで描くのがすごい好きなので、落書きみたいな感じで形とかが歪んでても気にせずに描いて、それから形を整えたり、微調整するのをデジタルでやるって感じですね。

大場:漫画のネームもアナログですか?

ユニカ:最近はネームもデジタルでやるんですけど、「マダムが教えてくれたこと」を描いた時はアナログでした。でも、大きい紙に描くのはあんまり好きじゃなくて。ノートの端っこに描く落書きが、一番楽しかったりするじゃないですか?だから、小さめの裏紙とかも普通に使っちゃいます。それに画面を小さくすると「このページは全部バストアップだからメリハリをつけるためにどこかのコマを全身にしよう」とか、そういう部分も見えてきます。

大場:やっぱり、最初は紙に描いた方がわかりやすいですよね。私も紙派です!

■人物を描く時は、細かい部分よりも雰囲気が似てるかどうかを意識

大場:ユニカさんは1話分のお話を描くのに、どれくらい時間がかかりますか?

ユニカ:「マダムが教えてくれたこと」を描いていた時は、1話が4~8ページだとして、長くて3日くらい、ガッツ出して描いたら1日半~2日くらいでした。でも私、追われてないと何もしないタイプらしくて(笑)。締め切りが無いと描けないんですよね。

大場:そうなんですよね、すっごくわかります。それに、気になった部分をずっと修正しちゃいます。

ユニカ:デジタルっていくらでも修正できちゃうからキリがないですよね。それが嫌だから紙に描いてるのもあるかもしれません。大場さんはどれくらいかかりますか?

大場:私は、めっちゃかかります。普段はイラストを描くことが多いんですけど、例えばメンバー1人のイラストを描くとして、1週間とかかかっちゃうかもしれないですね。

ユニカ:でも、メンバーの顔をちゃんとキャラクター分けて描けるって、本当にすごいことだと思います。

大場:全然そんなことないです。ユニカさんが、似顔絵を描く時やデフォルメする時にこだわってることってありますか?

ユニカ:目や口の形、輪郭とかは意外と人によって全然違うので、そういうところを注意して描いたりしますね。デッサンを教わった時に、「目をすぼめてみた時のシルエットがその人の印象だ」って聞いたのが印象的だったので、細かく描くより、雰囲気が似てるっていう部分を意識しています。

■細かいこだわりに読者が気付いてくれた時が一番うれしい!

大場:実は今、「はなコミ!」の1話を描いてる途中で…。(と、原稿を見せる)

ユニカ:(原稿を見ながら)すごーい!!うまい!!この、成長していく過程を絵で表現してるのもめっちゃ可愛いです(※写真参照)。コマの密度が高いですね。

大場:こんなに細かく描かなくていいのかな?って思ったりしてます。

ユニカ:いや、私はこういうの大好きです!読む人が気づかない部分でも、自分が好きだから描くっていうのは大事にしています。それで、その地味なこだわりが伝わった時が一番うれしいですしね。初めての漫画で、これを全て自分だけで描いてるなんて本当にすごい!

大場:メンバーがいっぱいいるので、ネタは豊富なんです。今迷ってるのが、説明文やセリフの文量が難しいなって。先に絵を描いてからセリフを入れてみたら、思ったより多くなっちゃいました。

ユニカ:私もそういうことあります。ポエミーな文が浮かんだら絶対入れたい!って思うんですけど、いや多いな~って悩んだり。そういう時は、悔しいけど絵だけで伝わるようにしようって削ったりします。それこそ、私がさっき可愛いと言った成長過程のコマとかあったじゃないですか。これとかも、ちゃんと絵で説明ができているコマですよね。もし文が多いなと思ったら、「これは絵で描いてるからいらないな」って捨てていくと意外とすっきりしていきます。

大場:やっぱり、語りたくなっちゃいますよね。背景とかは、どれくらい描き込めばいいんでしょうか?

ユニカ:私も4コマをしっかりと描いたことがないのでえらそうなことは言えませんが、大場さんの漫画は絵が可愛いので、背景をそこまで描き込まなくても、色を変えるだけとかニュアンスの柄を描くくらいでも十分いいのかなって気がします。

大場:ありがとうございます。ユニカさんが、今までに担当さんから言われて気をつけていることなどはありますか?

ユニカ:漫画を描き始めたばかりの頃は今よりも技術が無かったので、「フキダシが全部こっち側!」とか「このページ、ぜ~んぶ顔だけ!」とか指摘されたりしてました(笑)。今でも、ふと気づいたらフキダシが全部同じ方になってたりするので、慌てて直したり(笑)。

大場:へぇ~!私も気をつけて見てみます。

ユニカ:それこそ、私もたまに4コマを描いてみたりするんですが、4コマってコマが全部同じ大きさなので、「ここを目立たせなきゃ!」っていうのが続くと、顔がアップの証明写真みたいなコマだらけになっちゃうんですよね(笑)。そういう時は冷静になって見直して、ここはもうちょっと小さくていいか、みたいな感じで直したりしてます。

大場:これから4コマを描いていく上で、すごく参考になります。いろいろなお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました!

ユニカ:原稿を少し見せてもらっただけでも、絶対に面白い漫画になるだろうなって思いました。連載、頑張ってください!

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