
コミックエッセイ「自閉症育児奮闘記~今できること」は、シングルマザーのまるさん(@shishishishimr)と、発達障がいと診断された幼い息子・リュウくんの日常を描いた作品だ。ただでさえ大変な初めての育児に加え、息子の成長への不安や戸惑い、悩みが描かれ共感を呼んでいる。また、そんな親の苦しみをよそに、ゆっくりと確かに成長していく息子の姿も微笑ましい。今回は、元義母が親切にしてくれる話を取り上げる。
リュウくんが1歳になる前に離婚したまるさんだが、元義母さん(ばぁば)とは今も親しい関係が続いている。周囲の人に言うとちょっと驚かれる。
元義母さんとリュウくんの3人で、久々に旅行に行くことになった。リュウくんにとっては初めての特急電車体験!元義母さんはまるさんと境遇が似ているせいか理解があり、やや落ち着きのないリュウくんにも優しく接してくれる。
リュウくんを元義母さんに預けて久々に温泉でのんびり!とはいかなかったが、楽しい旅を過ごすことができた。
■「息子のことを思う人がほかにもいる」というだけでうれしい
元義母さんとは、実際に会う以外にも「たまにメールで連絡をとります。息子の誕生日だったり、『七五三の写真撮りました』と言って写真見せたり、何か大きいイベントがある時だけですが。話は息子についてことだけですね。元義母からは『果物送ったよー』などが多いですね。ありがたいです」
そんなに頻繁に会うわけではないとはいえ、心強い存在でもある。「『息子のことを考えてくれている人がほかにもいる』というだけで気持ちが軽くなるんです。息子をかわいがってもらいたいという目的で会っていることもあり、やはり優しく接してくれるのはうれしいので」とまるさん。
“半年に1回”とか“コロナで1年ぶり”などと漫画にあるように、リュウくんは実は元義母さんと数えるほどしか会っていない。それでも「息子が元々あまり人見知りをしない性格なので、1日一緒に行動すると大体なついちゃうんです。数カ月に一度しか会ってないので、毎回最初だけはちょっと距離がありますけど(笑)。息子が電車好きなのを伝えてあるので、元義母は旅行に行ったときに乗った特急電車のプラレールを買ってくれたり、電車のリュックを買ってくれたり。電車関係は全部喜んで使っています」
悩みも多い毎日を過ごすまるさんにとって、元義母さんの存在はまるさん自身のメンタルやリュウくんの成長にもいい影響を与えてくれているようだ。
取材・文=折笠隆