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常にブンブン動く我が子に思わず「赤ちゃんがひ弱なものか!」率直な思いを綴った育児4コマ漫画が人気

  • 2022年7月13日
  • Walkerplus

この世に生まれたばかりの赤ちゃん。もちろん歩くことも寝返りを打つこともできず、飲むのはミルクだけ、腕も足も細くて小さい…そんな見ている者の庇護欲をかきたてる赤ちゃんには、か弱いという言葉がぴったりだ。しかし、ある日自分の子供と同じ動きをしてみたダルダルのダル子さん(@darudarudaruiko)。「アーイ!」と叫びながらブンブンと手足を振り回す赤ちゃんの隣で一緒に手足をブンブン。小休止をおいて、またブンブン。そのあまりにも激しい動きに大人のダル子さんが先に音をあげ「コイツヤバ」「持久力バケモンか?」「ストイックすぎる」と我が子の体力に驚嘆するのであった。

この4コマ漫画は3.6万いいね(2022年7月時点)を獲得。ダル子さんは妊娠期間中から日々4コマ漫画をTwitterにアップしており、率直な描写が評判を呼んでいる。ダル子さんに漫画を描くようになったきっかけや、育児について話を聞いた。

■漫画は感情が新鮮なうちに描いてアップ
ダル子さんが初めて漫画を公開したのは2021年9月のこと。つわりで体調は絶不調、そしてメンタルの波も激しく、辛いことも多かったそう。

「日記を書く習慣があるのですが、妊娠中は毎日初めてのことが起こるので、『コレが辛い』と文章でまとめられずに悩んだのが漫画を描くようになったきっかけです。言葉にはできないけどなんとか気持ちを残したいと、試行錯誤した結果この表現に辿り着きました。それまで漫画を描いたことはなく、イラストも得意じゃないんですが、感情が新鮮なうちに残さなくてはと思い『もうこれでいいや!』と思い切って毎日描いています」

つわりや体重管理、不眠など妊娠に伴うさまざまな苦難を乗り越えて2022年3月に出産。妊娠漫画は育児漫画になったが、精力的に漫画をアップしている。自分の時間を確保するのもなかなか難しそうだがいつ描いているのだろうか。

「みんなが眠って静かになった深夜か、漫画公開日の朝に大パニックで描いています。ストックを作ってみたこともあったのですが、今日あったことは即シェアしたいし、数日経つと『これは違う』と思ってしまって。描き溜めた漫画は公開せずに捨ててしまいました。子供が泣き止まない時は抱っこ紐で抱えながら踊りながら描いたり、夫に預けたり。結構必死です。ストック作れば良いんですけど」

勢いで描いているというダル子さんの4コマ漫画は、妊娠や出産、育児に戸惑う気持ちもストレートに表現しており、同じ立場の人たちからの共感を得ている。ダル子さんに妊娠、出産、育児とそれぞれのフェーズで何に一番びっくりしたかを聞くと「妊娠中はお腹の中の子を大事に育てるんだ!と思っていたら、勝手に栄養を奪って大きくなり、母体はヨボヨボに枯れていく。出産は苦しくも感動的!と思っていたら、予定通りにいかず『腹を切ります』と言われてパニックのまま出産。生まれた我が子は問答無用で即カワイイ!と思っていたら、実感のないままボロボロの体で授乳に試行錯誤。こんなにやられっぱなしのことがあるんだな、と驚きました」と回答が返ってきた。

生まれてきた我が子に対し、可愛いと感じながらも存在に慣れず当惑する気持ちは「現代へようこそ」「新生児訪問、ドキドキ。」といった話の中でも描かれている。新生児訪問とは、保健師や助産師が家庭に訪問し、赤ちゃんや母親の健康状態を確認してくれる制度のこと。その際、母親のメンタルチェックのためアンケートを記入するのだが、「赤ちゃんを愛しいと感じるか?」という設問に、「愛…まだ赤ちゃんの存在に呆然としてるんですが、とても可愛いと思っています、守らんと死ぬし」と正直な気持ちを漫画にしている。

「新生児の我が子は妙に可愛くて大切だけれど『愛おしい』というほどの時間はまだ過ごしていなくて、アンケートを見た時『あれ?愛情に乏しい?』と不安になりました。10カ月もお腹にいて、あんなに一心同体だったのに。でも、一緒に毎日過ごして我が子を知ってきた今、また同じ質問をされたら『愛おしいです!』って言えます。子供が生まれてまだ1年も経っていませんが、もっと前からいたみたいに家族という気持ちが芽生えています」

■「作品のリプライ欄が井戸端会議みたいになっているのがうれしい」
漫画を描き続けられているのには、現在10カ月の育児休業を取得している夫の存在も大きいという。

「我が家の場合は、『子育ての責任が一人に偏ると、絶対ケンカになる』という理由で『夫婦で育休がとれなければ子供は持たない』という前提条件がありました。夫に育休をとってもらって、毎日一緒に育児をしているので、説明をしなくても欲しいものをくれたり、些細なことを相談できたり。試行錯誤で養った育児の勘とスキルが同じレベルなので、安心して任せられます。育休取得が確実だったので、妊娠中から『一人じゃない』という気持ちの余裕が『漫画を描こう』に繋がって、今はたくさんの方々とSNSを通じて繋がれています」

自分の漫画を通じて、さまざまな人との繋がりを感じるとのことだが、近頃の楽しみは漫画のリプライ欄でのやりとりなんだそう。

「『私の時はこうでした』『これが便利』みたいに情報交換の場になっていることがあって、井戸端会議みたいでうれしいです。それと、楽しみとは別なんですが、『妊娠したら幸せじゃないといけないと思って怖かった』『孤独が癒えた』という声が、“誰にも怒られないように”という感じで届くことがあって、何か私にできることはないかな、と悶々としています。子供が可愛い漫画だけではなく、親のことを主題にした漫画を描いていきたいなとも思っています。そのうち忘れてしまう苦労や葛藤を全部残して、頑張ったことを忘れないようにしたいです。壮大な夢はないんですが、これからも日々更新していって、ネットでみんなとワイワイできたらいいなと思っています」

最後に読者の人へメッセージをもらった。

「いつも読んでくれてありがとうございます!感想もいっぱいいただいて、なかなか返信できてないのですが、何度も読み返してガソリンにしています。大好き!」

子育てで起きる悩みや戸惑いも率直に語ってくれるダル子さんの漫画には、「同じ悩みを持つ人がいる」と感じられて救われる人も多いはず。ダル子さんの“井戸端会議“に参加して、“育児あるある“に共感してみてはどうだろうか。

取材・文=西連寺くらら

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