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「スパイスとハーブのSDGs」… エスビー食品が考えるSDGsとは?

  • 2022年3月2日
  • Walkerplus

「スパイス&ハーブ」のリーディングカンパニーとして知られるエスビー食品。日本で初めて国産カレー粉の製造に成功し、今日までスパイス、カレー、わさび、フレッシュハーブなど、日本の食卓にさまざまな提案をしてきたことはご存知の通りかと思います。多くの企業がSDGsに呼応する姿勢を発表するなか、エスビー食品でももちろんサステナブルな取り組みを行なっています。

ただ、ここで気になるのが「スパイスやハーブを通して、SDGsに対してどのような取り組みができるのか」という点です。今回は、この疑問と合わせてエスビー食品の取り組みについて、同社の管理サポートグループ 広報・IR室長・中島康介さんに話を聞ききました。

■エスビー食品では、労働環境の改善・生態系に配慮した有機農法をいち早く導入

冒頭の通り、「スパイスやハーブで、どのようなSDGsの取り組みができるのか」を聞いてみたところ、我々消費者にはなかなか見えてこない課題を、まず聞かせてくださいました。

「そもそも『SDGs』という言葉が出る以前から、コーヒー、カカオ、スパイスなどの生産においては、児童労働や劣悪な労働環境などが課題とされてきた歴史があります。また、天産物であるスパイスやハーブが気候変動によって生産できなくなれば、当社のビジネスは持続できませんし、スパイスとハーブで日本の食卓を豊かにしていくことを目指している当社にとって、生産者の方との共生は必要不可欠です。そのため、SDGsが提唱される前から生態系への影響を考え、安全・安心な原料の調達や持続可能な資源利用を模索してきました。

過去、日本のメーカーでは『採算が取れない』という理由から、フェアトレードや生態系を考えたスパイスやハーブの有機農法に着手するところがありませんでしたが、当社は香辛料のナンバーワンメーカーとして、採算度外視で生産者の方々や地域の自然との共生という課題解決に取り組む義務があると考えてきました」(エスビー食品・中島さん)

中島さんのお話を聞いて目からウロコです。確かにスパイスやハーブは自然由来のものなので、生態系が崩れると直接影響を受ける原料です。また、こういったスパイスやハーブを扱う諸外国の労働環境の改善なども考えると、SDGsの観点から見れば、取り組むべき項目がかなり多くあることがわかります。

■エスビー食品の基幹原料「香辛料」「パーム油」「紙」の、持続可能な調達を目指す!

では具体的にはどんな取り組みを行なっているのでしょうか。

「当社商品における基幹原料である“香辛料”、環境・生態系・人権などの国際的な課題を抱える“パーム油”・“紙”を、持続可能な調達における重要原材料と捉えました。2019年5月には取引先の皆さまへのコミットメントとして、中長期的な調達方針を公開しました。具体的には、次のことを設定しています。

●香辛料……主要香辛料(※)について、2030年を目標として安全・人権・環境・コンプライアンスに配慮した持続可能な調達を目指す。また、フェアトレード・有機認証香辛料の調達や契約栽培の拡大も引き続き進める。
(※主要香辛料:こしょう・唐辛子・マスタード・パセリ・ローレル・オレガノ・わさび)
●パーム油……エスビー食品グループの全製品に使用しているパーム油を2023年までに 100%RSPO認証油に切り替える。
●紙……エスビー食品グループのカレーなどのルウ製品、レトルトおよびチューブ入り香辛料のパッケージに使用している紙を2023年までに100%FSC認証紙に切り替える。

また、エスビー食品では国際フェアトレード認証スパイスの輸入並びに製造販売に取り組んでおり、2009年から『オーガニックスパイス』シリーズの一部にフェアトレード認証付きの製品を展開しています。シリーズ65品中23品が国際フェアトレード認証製品で、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、開発途上国の生産者・労働者の生活改善と自立が促されるよう、取り組んでいます」(エスビー食品・中島さん)

■世界中の取引先にも調査を行い、課題がある場合は解決策を探る

他方、エスビー食品ではこういったSDGsの取り組みを世界中の取引先やビジネスパートナーとも共有し、その全体を通して「持続可能な社会」を目指しているとのことです。「当社だけがすばらしいスパイスを入手して利益を回すのではありません。サプライヤー(供給者)やその先の生産者の皆様も持続可能な状態であるかどうかは重要なことです。

そこでサプライヤーに対して、サステナブル調達基本方針に基づいた書面調査を行い、その調査回答をもとに、『強制労働や児童労働が行われていないか』などを、オンライン会議で確認し、その課題がある場合にはパートナーとして共に解決策を探る取り組みも始めています。書面での回収率は、1回目で100%。さらに深掘りした2回目の調査でも80%と高水準でした。サプライヤーの意識の高さを改めて実感しました」(エスビー食品・中島さん)

つまり、エスビー食品が考えるSDGsを世界中の全ての取引先と共有し、安心・安全な原料のみを扱い、さらには劣悪な労働環境に陥っていないかなども細かく確認し、全て良しの状態で商品の製造・販売を行っているということです。また、多様な人材の採用や育成にも積極的に取り組んでおり、特に2014年からは「S&Bポジティブアクション」という基準を制定。女性採用や管理職登用における具体的な数値目標を定めて取り組んでいるとのことです。

■地球環境に配慮した事業を行い、カーボンニュートラル達成へ

ここまでのお話を聞き、エスビー食品のSDGsへの思いと、徹底した取り組みがよくわかりました。これらの取り組みをもって、将来をどう見据えているかも聞いてみました。

「地球上の動植物の生態系が守られつつ、農・畜・水産に関わる全ての人々の人権が尊重されながら、バリューチェーンの中で価値を創出し、その価値が分け隔てなく消費者のもとに分配され続けるフードシステムこそが、食品メーカーである私たちから見た理想的な持続可能な社会だと思います。そのような社会で、お客さまの心も体も健やかでいていただくために、エスビー食品は食卓に自然としあわせを提供し続けます。そしてそれを提供し続けるためには企業として永続的に存在し続けなければならず、そのための重要な課題を整理し、目標を設定し日々取り組んでいます。

目標を達成するための活動が、結果的には地球環境・生態系の保全や人権の尊重などの社会課題に対する貢献にもつながることから、この一連のサイクルを維持継続していくことが、持続可能な社会と企業の関係性と言えるのではないかと思います。我々はスパイスとハーブをコアコンピタンスとする企業です。これらはどちらも植物なので、事業が盛んになれば植物がたくさん植えられることになります。そうすれば自然とCO2の吸収・固定につながります。これからは自社の事業が『地球環境に良い影響を与えている』という側面を、さらにたくさんの人に知ってもらい、地球環境に配慮した事業を拡大していくことで、持続可能な企業と社会の実現に貢献していきたいと思います」(エスビー食品・中島さん)

また、SDGsと連動してよく耳にする「カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)」の達成についてもエスビー食品では目標を掲げ取り組んでいるとのこと。「地球環境保全への取り組みとして2021年10月に、当社グループのCO2排出量削減目標を新たに設定しました。具体的には以下になります。

(1)2050年カーボンニュートラルを目指します
(2)2030年までにCO2排出量50%削減を目指します
(3)2030年までにサプライチェーンCO2排出量30%削減を目指します

これらの達成に向けて、今後もグループ一丸となって取り組んでいきたいと思っています」(エスビー食品・中島さん)

エスビー食品のSDGsは、幅広い項目に対応したものである一方、細部まで徹底されており目を見張るばかりでした。こういった社会への配慮をする企業の商品なら安心していただけるはずです。エスビー食品によるSDGs、今後も注目していきたい。

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