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コーヒーで旅する日本/九州編|移動販売でクラシカルなエスプレッソの魅力を広める「Great Coffee Atsu」

  • 2022年1月24日
  • Walkerplus

全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも九州はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

九州編の第9回は、移動販売専門の「Great Coffee Atsu」。ひと月に20日程度、熊本の各地に自ら足を運び続け、コーヒーの魅力を広める店主の田端敦典、通称“Atsu”さん。移動販売を続ける理由、エスプレッソ抽出へのこだわりに触れてみた。

Profile|田端敦典
1988(昭和63)年、熊本県宇城市生まれ。18歳からストリートダンサーとして活動し、25歳で上京。ダンススタジオのインストラクターをしていた時期に、とあるコーヒーショップで飲んだカプチーノを通して、エスプレッソに魅せられる。その後、原宿のカフェで修業し、31歳で帰郷。2020年6月に「Great Coffee Atsu」をオープン。

■フットワーク軽く、熊本県内を縦横無尽
軽バンをカスタムした移動販売車(Atsuさんいわく、“Great号”)で、熊本県内を中心に出店する「Great Coffee Atsu」。7年前、東京のカフェでエスプレッソマシンに初めて触れ、「エスプレッソこそコーヒー豆のおいしさが凝縮されたドリンク」だと実感。コーヒーを柱に生きていくことを決め、2019年に故郷の熊本に帰ってきた。

「お客さまに店舗に来ていただくのではなく、エスプレッソのおいしさを広めるために僕自信が各地に足を運ぶ移動販売というスタイルを選びました。そうすれば、例えば地方で暮らされているご年配の方々にも飲んでもらうチャンスになる。僕は純粋に、より多くの人にエスプレッソ、もしくはエスプレッソをベースとしたドリンクのおいしさを伝えたいんです」とAtsuさん。

熊本に帰ってきてすぐに中古で軽バンを購入し、オーダーメイドした移動販売車。コーヒーを淹れるために車内に備えるのは、エスプレッソマシンのLA MARZOCCO Linea miniとMAZZAのグラインダー。ともにイタリアのメーカーで、これもAtsuさんのこだわりの一つ。

「浅煎りや中煎りの豆で抽出したエスプレッソも増えていますが、僕はクラシカルで重厚な、いわゆるイタリアンバールで出されるような昔ながらのエスプレッソが好き。ボディ感や豆由来の甘味をしっかり引き出せるように、どちらかというとリストレット(※1)に近い抽出をとっています。日本ではエスプレッソをそのまま飲む人は少なく、ミルクや水で割るのが一般的。そうした時にでも、はっきりとコーヒーの味わいを感じられるようにしたいからです」(Atsuさん)

コーヒー豆は八代市に焙煎所を構えるENDELEA COFFEEから仕入れている。深煎りのオリジナルブレンドで、チョコやナッツのようなテイストを感じられるブラジル、コロンビアがベース。Atsuさんは「熊本に帰ってきた時、地元のコーヒー事情に詳しくなかったので、知人から情報を集めましたね。ENDELEA COFFEEさんのコーヒーは純粋においしく、すぐにオリジナルブレンドをお願いしました。僕の抽出方法に合わせて、焙煎度合い、ブレンドを考えていただき、本当に感謝しています」と話す。

■エスプレッソをベースにアレンジドリンクも
「Great Coffee Atsu」ではアメリカーノ(450円)、カフェラテ(500円)、キャラメルラテ(550円)などエスプレッソを使う定番メニューに加え、宇治抹茶エスプレッソ(580円)、チャイマサラエスプレッソ(680円)など、オリジナリティが光るアレンジドリンクも用意。

「意外と思われるかもしれませんが、エスプレッソは抹茶やチャイマサラとの相性が抜群に良いんです。実際、一度アレンジドリンクを頼まれた方のリピート率も高い」とAtsuさん。ちなみにチャイマサラは熊本県・長洲町にある人気カフェ、サイフォンタツヤのオリジナルを使用。地元とのつながりを大切にしているのも「Great Coffee Atsu」のさりげないこだわりの一つだ。

2020年12月からは自家製カヌレを販売し、各種ドリンクに並ぶ名物になっている。バニラビーンズとラム酒が香るリッチなテイスト。1日30〜50個の数量限定で、毎回売り切れるほどの人気だ。

■まっすぐ自身の信じた道を歩む
Atsuさんのエネルギッシュで、まっすぐな人柄も「Great Coffee Atsu」の魅力。Instagramでも“Great‼”を連発、コーヒーは“ロマン”と目を輝かせながら話す。

「僕にとって海、音楽、ダンス、登山など、何かのロマンの隣にあるものがコーヒー。追い求めても、追い求めても正解がわからない。だから追い求める価値があるもの。そんなコーヒーに魅了される日々です」とAtsuさん。

2022年の目標を尋ねると、「開業当初は出店場所を探すのに苦労しましたが、光栄なことに今はオファーも増えてきています。主に熊本県内なので、県外にも積極的に出店していきたい。今の目標は九州全県を巡ることですかね」と笑顔で話してくれた。

■Atsuさんレコメンドのコーヒーショップは「JUNCTION Coffee Roaster」
次回、紹介するのは熊本市東区にある「JUNCTION Coffee Roaster」。
「『JUNCTION Coffee Roaster』の店主・田﨑くんは僕と同い年ですが、オーストラリアで抽出と焙煎の修業を積んでいます。技術、知識はもちろん、考え方も先進的で、リスペクトしています。これからの熊本のコーヒーシーンを盛り上げる一人だと思いますね」(Atsuさん)

【Great Coffee Atsuのコーヒーデータ】
●焙煎機/なし
●抽出/エスプレッソマシン(LA MARZOCCO Linea mini)
●焙煎度合い/深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/ブレンド1種、200グラム1600円




※1…エスプレッソの一種。エスプレッソと同量のコーヒー粉で、エスプレッソよりも少ない湯量で抽出する。結果、エスプレッソよりも濃度が高い液体となる。

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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