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芸人の舞台裏がテーマの漫画「“苦しい”だけを見てほしいわけじゃない」と語る作者が描きたいもの

  • 2022年1月8日
  • Walkerplus

「ヤングアニマルZERO」(白泉社)で連載中の「ニラメッコ」(※最新2巻1月28日発売)は、ギャグ漫画「うらみちお兄さん」でも人気の漫画家・久世岳さんが描く、お笑い芸人をテーマにした作品。1話はSNSで発表され、シェアハウスで暮らす5人のお笑い芸人たちが、もがきながらも売れるべく奮闘する姿に大反響が起こった。

作者である久世岳さんのインタビューは、キャラクターに関する話題やSNSを通じて思うことについて語ってもらった。



――本作「ニラメッコ」は最初にSNSで1話が公開され、大きな反響を呼んだそうですね。それこそ作中でもネットでの評価を目にするキャラクターたちの姿が描かれていますが、久世先生ご自身はエゴサーチされますか?

【久世岳】たまにしますね。基本的にSNSを使って宣伝や告知をしているので、Twitterのリプライとかはすべて目を通して、ありがたく受け取っていますし、検索もたまにします。最新話についてどう思っているか、どういうところに注目しているかという、私に向けたものではない作品へのフラットな発信は参考になるので、見るようにはしています。影響を受けすぎないように、しっかり張り付いて見るということはないですけど。

――市場調査のような形で活用されているんですね。

【久世岳】そうですね。雑誌ベースの作品なので、アプリのコメント欄などでの反響もあまり見られないですし、アンケートはがきを送ってくださる方も少ない時代なので、貴重なコメントとしてありがたく見ていますね。

――印象的だったコメントや反応はありましたか?

【久世岳】作中に登場する劇場に対して、「ここ、∞(むげんだい)ホールだ」とか「なんばグランド花月や!」って分かってもらえるとうれしくなります。私もコロナ禍前は頻繁に劇場に行っていたので、そういう場のワクワクする気持ちを共有できている感じがしてうれしくなります。

――そんな劇場での姿の裏側にあたる、芸人さんが笑いを生み出すまでの苦しさを描きつつ、「苦しいだけを見てほしいわけじゃない」とお話されている記事を拝見したのですが、そのバランス感覚みたいなものは掴めてきましたか?

【久世岳】まだちょっといろいろと考えながらではあるんですけど、初めの頃よりは掴めてきていますね。

――そこに繋がってくるところもあるかもしれませんが、キャラクターの描写に関して大切にしていることがあればお伺いしたいです。

【久世岳】キャラクター同士が密接になりすぎないように、というのは意識して描いてるとこではあるんですけど、特に決め事というほどのことはないですね。設定をがっちり固めて動かしているわけではなく、展開によってキャラクターが動いていくものではあると思っているので、今後どんな動きをしていくか私もわからない部分はあります。

――五者五様といいますか、シェアハウスに住んでいる5人プラス「門真アミーゴ」のツッコミ・土井柴雄(どい・しばお)の相方で、シェアハウスでは暮らしていない須胡井宙太(すごい・ちゅうた)の6人3組、それぞれ個性が立っていますが、人気のキャラクターだったり、キャラクターに対する反響だったりはいかがですか?

【久世岳】この漫画ではお笑い芸人の群像劇を描きたいと思っていますが、タイトルにもなっている水吉令(みなよし・りょう)と朝木和(あさき・やまと)からなる「ニラメッコ」というコンビが一応、主役ではあります。でも、「潮来(いたこ)」というコンビが今圧倒的人気でして…そこはちょっと調整していきたいなとは思っています。

――金髪ロン毛で元バンドマンの来海小太朗(くるみ・こたろう)と、霊感があってミステリアスな雰囲気を持つ八潮侘助(やしお・わびすけ)のコンビですね。私もオタクなので、ビジュアル含め、オタク好みするキャラクターのような印象は受けます。

【久世岳】おいしいポジションではありますよね。

――ちなみに、「門真アミーゴ」は「うらみちお兄さん」にも登場しているんですよね。

【久世岳】須胡井宙太は、「うらみちお兄さん」に登場する“歌のお姉さん”の彼氏という設定があります。そういった作品を超えてリンクさせている部分や、細かい隠し要素も入れています。絶対気付かないだろうなっていうところに気付いてくださる読者の方もいて、すごく読み込んでもらっているんだなとよく思います。

――作品とSNSを通して、読者とキャッチボールをしているような関係性ができているのが素敵だなと思いました。


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