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シェアハウスで暮らす芸人の舞台裏を描いた漫画が話題!お笑いブームの今、要チェック

  • 2022年1月2日
  • Walkerplus

教育番組の裏側を描いたギャグ漫画「うらみちお兄さん」でも人気の久世岳さんが、「ヤングアニマルZERO」(白泉社)にて連載中の「ニラメッコ」(※最新2巻2022年1月28日発売)。シェアハウスで暮らす5人のお笑い芸人たちが、葛藤や問題をそれぞれに抱えながらも“人を笑わせること”に人生を懸ける姿を描いている。

本作の着想やお笑い芸人の魅力など、作品の根幹になっている部分について、作者の久世岳さんに話を聞いた。



■お笑い好きの人が「嘘っぽい」と思わない内容に
――性別や年齢を選ばないキャラクターや、含蓄のある人間ドラマを描く久世先生の作風が、ユニセックスを目指して創刊された「ヤングアニマルゼロ」に合うのでは、ということで連載が決まったと伺いました。そこで、お笑い芸人を扱った作品を掲載することになった経緯について教えてください。

【久世岳】いつかはお笑い芸人さんをテーマに描きたいなと思っていたんです。青年誌ベースで想定していたのですが、それが「ヤングアニマルゼロ」のカラーにマッチするんじゃないかと思い、提案しました。

――小学生の頃からお笑いがお好きだったそうですね。ちょうど今お笑いブームも来ていると思うのですが、その辺りは意識されたのでしょうか?

【久世岳】ブームに乗ろうという感じではなかったんですけど、第七世代と呼ばれるような若い世代の方たちが注目されてきているので、いいタイミングだったなと思います。

――まさに老若男女の垣根がないモチーフだと思うのですが、作品作りのうえで意識していることはありますか?

【久世岳】テレビや配信はもちろん、劇場に足を運んでいらっしゃる方など、お笑い好きの方が読んだ時に「こんなことないよ」とか「嘘っぽいな」と思われないように、というのは、とても意識して描いているところではありますね。

――そのためにされていることなどがあれば教えてください。

【久世岳】吉本興業さんに取材協力をいただき、劇場の外観や劇場内の背景などは、実際にあるものを描いています。ただ、コロナ禍であまり現地に取材に行けなかったんです。お笑い芸人の方へのインタビューの機会も設けていただいたりしていたんですが、私が現地に行けないこともあったので、それはもったいなかったなぁと思います。時期的なものなので、仕方ないのですが。

■舞台裏や袖での芸人の姿をかっこよく描きたい
――思うように取材ができない中でも、M‐1の舞台裏番組や雑誌など、メディアを通しての情報収集をかなりされたそうですね。

【久世岳】番組を観たり、芸人さんのインタビューが載っている雑誌を読んだりというのはすごくしました。M-1の後番組で、2019年に優勝されたミルクボーイさんの密着取材は特に印象に残っています。本当に感銘を受けるものがありましたね。

――作品を描くうえで、芸人さんに対して特にどんなところに心を動かされたり、魅力を感じたりするのでしょうか?

【久世岳】お笑いを本気で作ろうとしている姿勢というのが、一番かっこいいと感じるところです。そこを一番リスペクトしているので、表立って見せていない舞台裏や袖での芸人さんの姿をかっこよく描きたいなとは常々思っています。

――タイトルの「ニラメッコ」は作中に出てくるコンビ名でもありますが、どのように決められたのですか?

【久世岳】お笑いや漫才自体が笑わせ合いみたいなところがあるので、それを分かりやすく文字にしたときに“ニラメッコ”しかないかなというのは早い段階で思っていました。それをベースに1話を組み立てていって、という感じで。お客さんを笑わせるのももちろんですが、相方間とか芸人間とかでの笑わせ合いが基本的なテーマになっています。

――まさにこの作品を象徴する言葉ということですね。個人的に、相方が私生活で発言したさほどおもしろくもないことに笑ってしまって、「コンビとして、もうダメかもしれない」と思ってしまうシーンがとても好きです。コンビ間だからこそ起こる感情のようなものに、きっと読者も共感すると思うし、魅力的に描かれていらっしゃると感じます。

【久世岳】プライベートで芸人が集まっているからといって、ガチガチにおもしろいことばっかり考えて言ってるわけでもないと思うんですよ。他愛もないことやくだらないことを言ってしまうときもあるのかなと想像しながら描いたエピソードですね。

■コンビごとの距離感や多様性を3組の芸人で描きたい
――コンビ芸人がメインで描かれていますが、相方というのはいわゆるビジネスパートナーとも少し違って、お互いのプライベートに踏み込んでいるけれども家族とも恋人とも異なる特殊な存在だと思うのですが、そういった関係性についてはどう感じていますか?

【久世岳】コンビによって関係性も全然違うし、本人たちによっても異なる部分だろうなというのを、見ていて思います。「ニラメッコ」は3組のコンビがメインで登場しますが、コンビごとの距離感だったり、お互いへの思いや角度の違いだったりの多様性を、それぞれの観点から描けたらいいなと思っています。

――それを描くうえで、シェアハウスという設定が生きていますよね。

【久世岳】バラエティ番組などで芸人さんたちの絡みを見ていても、1組では生まれない笑いや掛け合いが起こりますよね。コンビ外での組み合わせによってどんな反応が起きていくのかというのは、私も興味があって描いてみたいなと思っている部分ではあります。

――「ニラメッコ」では誰かひとりが主人公として立つわけではなく、群像劇を描きたいと考えていらっしゃるんですよね。5人それぞれの視点から業界を見ることができるのも、本作のおもしろさだと思います。

【久世岳】それぞれをピックアップして、その時その時でしっかり主役を決めて描いていくことを意識しています。

――ありがとうございました。


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