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【漫画】まだ小学一年生なのに娘の胸が膨らみ始め…まさかの思春期早発症に戸惑う母の決断は

  • 2021年12月31日
  • Walkerplus

自閉症スペクトラムの娘・しぇーちゃんと楽しく暮らす様子を描いたエッセイ漫画をInstagramに投稿している主婦のマミヤさん(@mamiyang83)。最近、娘さんに突然ふりかかった病気に立ち向かう経験を描いた「小1の娘の思春期早発症」を連載し反響を呼んだ。そんなマミヤさんの今の生活、娘さんの様子を聞いてみた。

■聞きなれない「思春期早発症」 その症状や治療法は
マミヤさんは今年小学一年生になった娘・しぇーちゃんと楽しく暮らしていたが、ある日、しぇーちゃんから胸の辺りが硬くてゴワゴワすると打ち明けられたそう。「最初は、虫刺されかなと思っていたのですが、確認してみると右胸は小石くらいの硬さと腫れがあって、まさか腫瘍?と不安になりましたね」

見た目には大きな変化もなく、痛みもないとの事だったので、しばらくは様子を見ることにしたが…。「その後、二週間たったころに再度確認したところ、明らかに胸がどんどん大きくなっていて、見た目も変わっていました。慌てて、『小学一年生』『胸腫れる』など思い当たるキーワードを打ち込んでネット検索したところ、見つかったのが思春期早発症という病気でした」

思春期早発症とは、通常より2〜3年早く思春期が来てしまう症状。成長が早まり、女の子の場合は生理が小3、小4あたりで始まる傾向がみられる。さらに、その分成長期が早く終わってしまうため、最終的に身長が通常より低くとどまるケースが多いとか。もちろん腫瘍の可能性も残るため、マミヤさんはさっそく総合病院の小児科へ。

「そこで先生に、胸の膨らみは腫瘍ではなく発育している状態だと言われました」。さらにレントゲンで骨の成長具合を見たところ、しぇーちゃんの実年齢は6歳11か月だが、撮った骨の年齢は8歳。主治医の話では、胸の発達と骨の成長から思春期早発症と断定されるとのことだった。

■娘が「思春期早発症」だと診断され、母が思ったのは…
マミヤさんは診断を聞いてどう思ったのか。「以前自閉症スペクトラムの診断をしてもらった時は『だろうな』と想像はできていたのですが、今回の思春期早発症は『まさか、本当に⁉』という気持ちでしたね。娘は身長も低めで、発育も良い方ではないと思っていたので」

さらに、親ならではの心配も。「この病気は、治療をしなくても死ぬことはありません。ただ、もし治療をしなければ周りの子より早く体が変化するので、からかわれたり注目されたりして、ストレスにもなります。内面のまだ幼い娘が、周囲に隠しながら学校で毎月生理の対処をするのはかなり大変ですし、生理時の不快感や生理痛も心配。身長もこの診断が出る子の割にはかなり低いらしく、将来の生活や妊娠(体が小さいため難産になりやすい)なども気になってしまいましたね」

となれば治療しかない。だが、治療には注射嫌いのしぇーちゃんが苦手な血液検査が定期的にあるため、負担は相当のものだ。「思春期早発症の診断時に血液の負荷検査があったのですが、娘の血管が逃げてしまうらしく、うまくできずに痛みで大泣きしてしまいました。その様子がとてもかわいそうで…。その時に『たとえ思春期早発症と診断されても命には関わらない。娘が望まないなら治療はしない』と心に決めました」

だが、娘とじっくり話したところ、心の変化が訪れる。「娘には、出来るだけ簡潔に説明しました。治療しなかったらこうなる、治療したらこうなるということを書いたりもしましたね」。一通り話し合った後の娘の決断は、「『生理も早く来るのが嫌だし、注射も頑張るからみんなと同じくらい(の時期)で大きくなりたい』と。自分の気持ちをハッキリと伝えてくれました」

治療は基本的に、4週間に一度リュープリンという注射を打つことのみ。ほか、ホルモンの活動が抑えられているかを見るために、数か月に一度血液検査が必要だという。「娘の場合、効果は主に3つありました。片方だけ出ていた胸が小さくなって、癖毛っぽくなっていた前髪の髪質が戻りました。また、太もものムチムチ感もなくなりましたね」。この注射は、統計的に2年くらい打てば治療が終わるそう。「4〜5年は治療が続くと覚悟していたので、思ったより短めなのにちょっと驚きました」

■SNSの共感コメントを見て、しぇーちゃんが前向きに!
なぜ漫画にすることにしたのだろうか。「この病気の診断が下った時は、内容的にも漫画を書く予定はありませんでした。だけど、この症例を調べるうちに体験談の少なさ、認知度の低さを痛感。自分のように悩まれている親御さんやこの症例を知らない方々に対し、漫画を通して少しでも知ってもらえたらと思い、今回描くことを決めたんです」。

実際に投稿してみての反響は?「私がいつもあげている漫画とは方向性が異なるので、あまり興味を持たれないかも、とササッと描いて投稿しました。すると思いがけずたくさんの反響があり、コメントもずいぶん届きました。娘と同じ病気のお子さんを持つ親御さん、実際に治療を体験した方、もしかして自分も思春期早発症だったかもしれないという方、どれも貴重な内容ばかりでしたね」

しぇーちゃんにそのことを伝えたところ、「自分と同じ人がこんなにいるんだ、私も頑張りたいと前向きになってくれました。また、自分だけがこの病気になったわけじゃないと思ってくれたことも大きいです。みなさんに本当に感謝しています」

マミヤさんはこれから、娘とご主人との関係を漫画に描くという構想があるそう。「主人からも描く許可がおりたので、得意な子育て漫画を軸に描くことを続けたいと思っています」。思春期早発症についても、治療がしばらく経過したら続編も予定しているそうで、マミヤさんの漫画に今後も注目だ。

取材・文=斉藤育世(エディターズ・キャンプ)

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