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コーヒーで旅する日本/九州編|大濠公園の街並みに溶け込むコーヒーと自然派ワインの店「Filles et Garçons」

  • 2021年12月5日
  • Walkerplus

全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも九州はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

九州編の第2回は、2021年9月にオープンしたばかりの「Filles et Garçons(フィーユ エ ギャルソン)」の魅力に迫る。もともとスポーティーでカジュアルなスタイルのTWEENER COFFEE SHOPを営んでいたオーナーの里崎貴行さん。外装、内装さらに店名まで変えてのリスタートにはどんな思いが込められているのか。

Profile|里崎貴行
1987(昭和62)年、福岡県福岡市生まれ。過去には九州学生テニス選手権シングル・ダブルス優勝、全日本学生テニス王座決定試合ベスト8など、テニスプレイヤーとして活躍。一度は会社勤めを経験したが、飲食の世界に憧れて退職。大手コーヒーチェーンを経て、2018年にテニスをコンセプトの一つにしたTWEENER COFFEE SHOPを開業。2021年9月、妻の理紗子さん(写真中)とともに「Filles et Garçons」を開店。

■店名に込めた、だれでも気軽に、いつでも
フランス語である「Filles et Garçons」の意味は“女の子と男の子”。男性・女性はもちろん、年代も、国籍も問わず、だれでも気軽に立ち寄ってほしいという意味が込められている。その思いを表すように、気候が良い季節は入口のガラス戸は開け放たれ、オープンな雰囲気。赤と白を基調としたファサードからフランスの街角にたたずむカフェをイメージしたデザインで、昭和通りから一本路地に入った大手門の静かな街並みによく似合う。

店を営むのは里崎貴行さん、理紗子さん夫妻。もともと貴行さんが2018年11月に開いたTWEENER COFFEE SHOPからの新装。カウンターの位置から変えるなど、以前の店とはまったく異なる造りで、メニューも一新している。柱に据えるのはエスプレッソをベースにしたコーヒー系ドリンクと自然派ワイン。さらに理紗子さんが手作りする焼き菓子もおすすめしている。

貴行さんは「結婚を機に僕と妻が理想とする店にスタイルチェンジしました。僕もワイン好きですが、妻はとくに自然派ワインへの造詣が深い。彼女の知識を活かしたかったですし、自分たちが無理なく続けられる店を改めて考え、思い切ってすべてを変えてみました」と説明。

理紗子さんは東京出身。海外を旅するのが好きで、コーヒーの産地を見てみたいとブラジルを訪れたこともあるそう。10年ほど前に福岡に移住してからはさまざまな飲食店で働き、結婚前後には「珈琲美美」で約2年勤務。「そういった幅広い経験も含めて、尊敬しています」と貴行さん。さらに、「ともに働いてくれているスタッフたちもアイデアにあふれていて、個性的。助けられることばかりですし、僕は人に恵まれていると日々実感しています」と続ける。

■豆の個性を昇華させるエスプレッソ抽出
2021年11月現在、「Filles et Garçons」で使用しているコーヒー豆は福岡市・平尾の「MANLY COFFEE」のナチュラルプロセスのエチオピア。TWEENER COFFEE SHOP時代から使用している豆で、エスプレッソマシンで抽出することで、華やかなフレーバーが引き立っている印象だ。ラテにするとミルクの甘味と相まって、より香り豊かに。

理紗子さんが毎日店で手作りする焼き菓子は、このエチオピアの豆とのペアリングを重視。柑橘の香りが爽やかなガトーウィークエンド(400円)、アールグレイやジャスミンのマドレーヌ(250円)など、香りを味わいの大切な要素としたものがメイン。不定期替わりで4種程度を用意し、持ち帰りにも対応しているので、ちょっとした手土産にも良さそうだ。

コーヒーの自家焙煎にもチャレンジしたいと、2021年秋に焙煎機も導入。現在トレーニング中のため、自家焙煎豆に切り替わるのはもう少し先になりそうだが、焼き菓子をベースに生豆の産地や焙煎度合いなどを調整するといった試みにも期待したい。

■自然派ワインもカジュアルに楽しむ
九州編vol.1で紹介した「COFFEE COUNTY」の森さんも「コーヒーと通ずるものがある」と話すワイン。

「Filles et Garçons」では自然派ワインを60~70種ラインナップし、昼夜問わずオーダーできる。「TWEENER COFFEE SHOP時代から、クラフトビールに加えてワインなども取り扱っていましたが、そこまで力は入れていなかった」と貴行さん。自然派ワインをコーヒーと並ぶ柱に据えたのは、やはり理紗子さんの影響が大きい。理紗子さんは、「私自身、純粋にワインが好きという理由もありますが、自然派ワインはたとえ産地が同じだとしても、ワイナリーごとに味わいや香り、余韻に個性が出ます。そういった意味でもコーヒーが好きな方はきっと自然派ワインのテイストや考え方は好みに合うと思います」と理紗子さんは話す。

TWEENER COFFEE SHOPとは店のスタイルから違うのはもちろんだが、よりシンプルに、無駄を削ぎ落とした印象の「Filles et Garçons」。引き算の上に生まれた店だけに、本質を求める、コアなファンに愛されていきそうだ。

■里崎さん夫妻レコメンドのコーヒーショップは「ÉCRU.」
次回、紹介するのは天神北エリアの「ÉCRU.」。
「もともと、僕も妻も、お客として通っていた愛着のあるお店。なにより、コーヒーとワインの2つを柱に据えるスタイルは『ÉCRU.』さんが先駆けです。オーナーの達也さんもステキな人で、とてもリスペクトしています」(貴行さん)

【Filles et Garçonsのコーヒーデータ】
●焙煎機/BULLET R1
●抽出/エスプレッソマシン(LA MARZOCCO Linea-1)
●焙煎度合い/中煎り
●テイクアウト/あり(550円〜)
●豆の販売/シングルオリジン1種、200グラム1900円〜

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

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