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エロ漫画を「誇れ」と言い切る職人気質の奥さん。「結婚する漫画」にキュン

  • 2021年12月18日
  • Walkerplus

奥さんとの出会いから結婚に至るまでを描いた4コマ「結婚する漫画」。かわいくも男前な姿に「奥さん素敵」という声が上がり、Twitterでの更新を心待ちにしている読者も多い。作者のとだかづきさん(@nononodesuno)に、作品に込める思いを聞いた。

漫画家、イラストレーターとして活動しているとださん。「結婚する漫画」はエッセイ形式だが、普段は市の公務関係から地域のイベント、山口県の自衛隊のマスコットなど、さまざまなイラストや漫画を手がけている。「R18の漫画では『香月とだ衛門』という別名義で活動しています。2誌で隔月連載、毎月どちらかが載るスケジュールです」と多忙だ。

■いつか「結婚する漫画」を読んで当時を思い出したい

とださんにとって、「結婚する漫画」は初のエッセイ漫画。「昔、師匠から『経験を切り売りして描く漫画は120%おもしろいから、売れなくなるまでとっておけ』と言われていたので、描いたことはありませんでした。でも結婚って、祝いたいし祝われたいし、表に出したいことだから。入院した経験を漫画にしてもよかったんですが、初めて描くならおめでたい方がいいと思って」

「子供ができたころに見返して、当時のことを思い出すようにしたいな。奥さんと僕、お互い忘れっぽいので残しておきたいと思っています。実際、過去の自分たちのLINEのログを見返したら、忘れていることが多かったんですよね」と笑う。

漫画でも描かれている2人の出会いは、友人宅での飲み会。とださんが描いているR18の漫画に「稼ぐ仕事ならむしろ誇れ」と言う現奥さん・みきさんが印象的だ。改めてどんな人か聞くと、「すごいかっこいいですよ」との答えが。「僕の仕事に対する見識、理解がある人。エロ漫画だからって嫌ったりすることもないし、色眼鏡なしで見てくれるいい奥さんだなと思います。この人を逃したら絶対結婚できないと思いました。彼女はお寿司屋さんの娘で、2代目。向こうもそういうところにも理解がないと結婚できないと思っていたので、相性がよかったですね」

奥さんの印象は、初対面の時から全然変わらないという。「初めて会った時は、男性と出会いに来たんじゃなくて、おいしいお酒を飲みに来ているってかんじ。そういう飾らないところがいいなと思って。話しても気が合うし、エロ漫画に対しての考え方も共感が持てて救われたなと感じました」と、漫画通りの関係が伺える。

漫画に関しては、アップしてから奥さんに報告することが多い。「奥さんは、3次元と2次元を一緒にしたくないと思っているんです。リアルな写真を上げて漫画とリンクさせたくない、と。僕も、ああいう世界の漫画家とお寿司屋さんの漫画と思ってもらえればと考えて描いています。結婚に関する漫画って、妬み僻みもあると思うし、リアルになればなるほど受け入れられないかなと思って。だから、僕はクッション素材の抱き心地がいいキャラクターとして描いています」

■プロポーズは漫画やアニメを参考にめちゃくちゃ悩みました

2人が入籍したのは、2021年11月11日。「付き合い始めたのが2021年の1月で、3月14日の僕の誕生日にプロポーズしました。プロポーズ前は、アニメのキャラクターってどうしていたっけ?とめちゃくちゃ悩みました。イメージは、花、言葉、指輪。だけど指輪のサイズわからんしなー、漫画は上手くいっとったけど現実は違うねんと(笑)。その後、天赦日に奥さんのお父さんに挨拶しに行きました。天が許してくれる日だしお父さんも許してくれるだろうと。お父さんとバトルがあって、6月に結納して、あっという間に挙式でした」と当時を振り返る。

結婚式については、「縁のあるみなさまに参加していただいて本当に楽しい式でした。コロナ禍で難しい時期だったんですが、90人ぐらいの盛大な式になりました。感動して、式中の9割は泣いていましたね。彼女は寿司職人なので料理にもこだわって。来てくれた人もみんな、『すげー式だったね』と言っていました」とうれしそうに話してくれた。

新婚旅行も楽しいものだったそう。「家族みんなで大分に行きました。奥さんのお兄さんたちの子供もいるから、大人9人、子供8人の状態(笑)。子供がすぐ消えるんですよ!高崎山では子供か猿かわからないぐらい。子供好きだから楽しかったですね。自分たちの子供時代を思い出しました。自分たちの子供ができたらまた大変ですね」

■奥さんは職人気質。気が合う、尊敬しあえる関係

結婚後の2人の生活はというと、「僕は下関、彼女は門司に住んでいて、仕事があるので週末婚状態で行き来しています。向こうは朝早いし、自分はずっと漫画を描いて深夜になったり。お互い、自分のペースでこれまでの生活を崩さずに生活できています」とのこと。

「向こうの実家でお寿司を食べると、関門地区の魚はやっぱりおいしいと感じます。日本海と瀬戸内海両方が近いので新鮮。お寿司屋さんでは、お父さんが大将で、奥さんもアナゴを炙ったりしています。奥さんは寿司職人、僕は漫画家として、お互いが夢を持っているから、尊敬しあえる、応援しあえる関係です」

「自分はキャンプやコーヒー、料理など、独身時代からの趣味がいっぱい。一人で生きていけるし、金がないけど手がかからない旦那だと思います。奥さんは職人気質。人にはいいものをあげたいし、自分はボロを着ていても人にはボロを着せないような。自分の作っている作品がよければいいという点は僕も同じなので、話が合うんです」。ちなみに、とださんはSNS上でパスタやキャンプ飯など、おいしそうな料理写真もアップしているのでそちらもぜひチェックを。

■結婚後も距離感は変わらず。「お小遣い制」も楽しい

結婚後もお互いの距離感は今までどおりだが、「財布を握られて、小遣い制度になりました(笑)。自分が小遣いをもらう身になるとおもしろいですね。これ今月の分ね、って渡されて、『パチンコで溶かすやつや、漫画で見た見た!』って思ったりして。でも、漫画家って家にいてトイレに行くしかないから、お金を使わないんですよね。一日に400歩ぐらいしか歩かないし」と変化を楽しんでいるよう。「大体のものは独身時代に手に入れたから、欲しいものがなくて。独身時代、最後に欲しくて手に入らなかったものが嫁さんでした」

奥さんに出会う前に結婚願望があったか聞いてみると、「めちゃくちゃありました」と潔い返答が。「みきに会うまで、世界を呪っていました。友達での飲み会で結婚できない、彼女すらできないといつも言っていました。出会いがないし、同人誌即売会などのイベントで会ったとしてもそれ以上先にいけないんです。初めて会って、『お茶でも行きますか』とか言えないし。そんなポジティブじゃないんですよ。ああいう場所にいるオタクはそういうことができないんです!」と熱を込めて語ってくれた。

ちなみに、以前付き合っていた彼女とのエピソードも衝撃的。「約7年付き合って『最近、断捨離が趣味なんだ』って言っていたんですが、そのデートの終わりに振られました。『僕も断捨離された』って思いましたね(笑)。今ではいい思い出です」

「その後は、一人で暮らせばいいか。料理できるし、キャンプ行けるしと思っていたんですが、2020年の年末にみきに会ってから2021年3月にはプロポーズ。出会いから一年経たずに結婚となったので、展開が早すぎて友達には『はあ?』と言われましたね(笑)」

■まだまだ漫画は現実に追いつきません

たびたび「思い切りノロケですよね」と言うとださんからは、深い奥さん愛が感じられた。「男目線のこういう漫画ってあまりないし、描きながら過去の自分アホやなって思っています。思い返すと楽しいですね」とアップしている漫画は現在、2021年3月ごろまでのエピソードを公開中。完結予定は決まっていないというが、「プロポーズ、ご挨拶、結納、前撮りに向けたダイエット編が始まって…。まだまだですね(笑)」。話にも出た奥さんのお父さんとのバトルなど、見どころは多そうだ。これからも、Twitterでの更新を楽しみに待ちたい。

取材・文=上田芽依(エフィール)

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