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眠ることで生計を立てるおねむ界のプロ「ぷろねーまー」とは?思わずニヤける「ゆるいキャラ図鑑」

  • 2021年9月25日
  • Walkerplus

カレーと一緒に食べたくなる見た目の、ネコのようなナンのようなナゾの生き物「ニャン」など、日々投稿されるキャラクターたちがじわじわと人気を集めるTwitterアカウント「ゆるいキャラ図鑑」。「専門家の間ではネコかナンか意見が分かれているが、お店のインド人が言うには、おかわりは無料とのこと」となど、イラストの下に書かれた独特な設定についつい夢中になってしまう。今回は作者の高橋のぞむさんに、設定や名前の決め方、キャラクターデザインのポイントを聞いた。

■癒し効果がハンパない!ワサビがまだチョットこわい「すしのあかちゃん」
特に反響があったのが、小さな玉子のお寿司をキャラクターにした「すしのあかちゃん」。イラスト下の説明文にはこう書かれている。

「おかあさんが つくってくれた たまごやきを のせて きょうも ゴキゲン あかちゃん おすし。はやく おとなに なって あこがれの おおトロを のせたいけれど ワサビは まだ チョット こわい。」

Twitterでは「なにこれかわいすぎ」「かわいくて泣いちゃった」「最後の1行が素敵」と、見た目と設定のかわいさに悶える人が続出。「ワサビ怖いのか〜、人間の大人でも苦手な人がいるから大丈夫だよ〜」と、思わず話しかけたくなってしまう。そして、冒頭にさらっと書いてある「おかあさん」の存在が筆者はとっても気になっている。寿司職人のことを「おかあさん」と呼んでいるのだろうか…。真相はわからないが、乗せてもらっている光景を想像するだけで顔がにやけてくる。

続いて人気だったのは「ウサギカメ」。こちら、ゆるかわなフォルムは先ほどと同じなのだが、設定に少しクセが。「歩みは遅いが着実にサボり、全くゴールに近づいてないのになぜか慢心しているという、考えうる最悪の存在」。

童話の「ウサギとカメ」に出てくる互いの欠点をかけ合わせた厄介なヤツだった…!でもよく考えてみると、学校のテスト前や資格試験前なんかはみんなこんな状態のはず。フォロワーからは「これは私ですね」との声が多数あがっていた。

さらに名前が印象的な「ぷろねーまー」は、おねむをする(眠る)ことで生計を立てるおねむ界のプロ。誰もが憧れる職業のように見えるが、「起きたらすぐに二度寝をし、忘れずにお昼寝をこなすと夜9時には眠るハードな毎日を送っている」らしい。連日寝続けるのは案外大変そう…。ゲーミングキーボードのようにキラキラ光りそうな、ねーみんぐ布団(?)をかけているのもポイントだ。

■名前・見た目・設定の3要素がキレイに舞い降りてくると、たちまち人気キャラに
このゆるいキャラ図鑑の更新が始まったのは、今からちょうど2年前のこと。多すぎず少なすぎずの更新頻度も人気の理由の一つで、今ではもう230種を超えるキャラクターがいるという。「なんとなく何かを始めたいなと思い、1日1つこなせるぐらいの日課的なものが欲しくて始めました」と、作者の高橋のぞむさん。

「ゆるいキャラ図鑑のキャラクターを構成する重要な要素に『名前』『見た目』『設定』の3つの要素があるのですが、まず、その3つの中から引っかかるものを見つけにいきます。要素が1つ埋まったら、ひたすら周りを磨いていって完成させる、という割と力技の流れですね。ごく稀に3つの要素が苦労もなく同時に降りて来ることがあるのですが、そういうキャラクターが人気キャラになる率が結構高いので、そういう時は『授かったな~』と思います(笑)」

これまで数々のキャラを生み出してきた高橋のぞむさんの、一番のお気に入りキャラは「ボッコルト」。小学生男子の心をワシ掴みにする“イイ感じの木の棒”を道端に置いていく妖精、という設定のキャラクターだ。

「設定と見た目は思いついたものの、このキャラクターの名前だけが全然思いつかなかったんです。ドイツ民間伝承に出てくる妖精の『コボルト』をうまくもじって、何か名前に出来ないかなとこねくり回していたら、ボッコ(北海道の方言で棒の意味。『木のぼっこ』とかよく言う)と奇跡的にかかって『ボッコルト』という完成度の高い名前が仕上がりました。『うわ~!ほんまもんのキャラクターみたいだ~!』と一人で感動しましたね」

■目の付け所が絶妙なキャラ設定や、ちょっぴり毒のある表現がクセになる
時にゆるい見た目に反してどこか毒を感じるような言い回しがあるのが、ついついクセになってしまう理由。「ウサギカメ」もその一つだが、ほかにも、柔らかい心を持った柔和なワニ「にゅうわに」は、目の前においしそうな人間が現れたとしても襲いかかるコトはなく、優しく、平和に、穏やかに、かじる。また、中身は抹茶クリームと見せかけて実はワサビがたっぷり詰まっている「わるいおもち」など、わるい〇〇シリーズも評判だ。

「設定で意識していることはバランスですかね」と話す高橋のぞむさん。「例えば、毒が強めのキャラクターは見た目をかわいくしたり、『わるい○○』系のキャラクターも印象が悪いだけで終わらないようにしたり…と心がけています。あと、名前が既存のキャラクターと被ってないかどうかもチェックするのですが、これだ!と思った名前のキャラがすでに世に出回っていることも結構あって、シュンとなります」と、キャラを生み出す難しさを語ってくれた。

人間味あふれる設定も魅力の一つで、例えば、好きな子からの返事が来ないのか、あるいは今日が月曜日だからなのか、炎を吐く元気もないドラゴンの一族「ツラゴン」や、おもちのようにまん丸なシシャモ「おもちししゃも」は、ポヨポヨの体にたっぷり卵が詰まっている、というわけではなく、食べ過ぎと運動不足のたまもの。

友達と遊びに行く約束の前日になると現れる犬っぽい悪魔「ドタきゃん」は、心当たりがありすぎるし、休みなく働く人の前に現れるという伝説の魚「ユウキュウノツカイ」なんかはぜひ出会いたい。目にした人は楽しみにしていたゲームの発売日になぜか仕事が休みになるらしい。最高だ。

■ゆるさを表現するポイントは「なめらかさ」&「シンプルさ」

キャラクターデザインのポイントは?と聞くと、曲線には強いこだわりがあるという。「少しでもボコっとしてしまったところがあったら削ったりして、なめらかにもっちりになるように描いています。また、ゆるいキャラ図鑑において、キャラクターのデザインはタイトルの通りできるだけシンプルになるように心がけています」と教えてくれた。

「僕は結構細かくエゴサをしてしまうのですが、ひとつひとつの『かわいい』や『おもしろい』などの言葉を見つけては嬉しい気持ちになっています。何も反応がなかったら絶対にもう辞めているので、本当にそういった感想は創作を続けていく糧になっています」

今後の展望や目標について「グッズがたくさん出て、ゆるいキャラ図鑑ショップなんて専門のコーナーが出たらうれしいです」と、高橋のぞむさん。今回紹介した以外にも個性豊かなキャラクターがたくさんいるので、自分の推しキャラを探してみては?

取材・文=江口琴音(glass)

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