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中田英寿がシェアしたい“日本の新たな価値”「徹底的なこだわりで“天然”を超える旨さ『横山さんの鰻』」

  • 2021年7月31日
  • Walkerplus

中田英寿氏が47都道府県を旅して出会った日本の「わざ」と「こころ」。日本のことを知るために47都道府県を巡る中田氏の旅は6年半におよび、移動距離は20万キロになった。その間、訪れた地は約2000に。そこで中田氏は、現地に行かなければわからない、素晴らしき日本があることを知った。

ウォーカープラスでは、中田氏の「に・ほ・ん・も・の・」との共同企画として、珠玉の“にほんもの”をお届けする。

中田英寿
「全国47都道府県の旅で出会ったヒト・コトを、”工芸芸能・食・酒・神社仏閣・宿”に分けて紹介。日本文化を多くの人が知る『きっかけ』を作り、新たな価値を見出すことにより、文化の継承・発展を促していきたい。」

養殖より天然のほうがおいしい。鰻に限らず、そんなふうに思い込んでいる人も少なくないのではないだろうか。市場に出回る天然鰻は全体のおよそ3パーセント程度、そうした希少性も相まってのことだろう。しかし、全国の鰻のプロが「天然ものよりおいしい」と口を揃える養殖鰻が鹿児島に存在する。

鰻は万葉の昔より国民に親しまれてきた食べ物のひとつ(一般により広まったのは江戸元禄時代以降とされている)で、養鰻(ようまん)の歴史は東京深川で始まり明治時代にまで遡る。しかし、ニホンウナギの生態、特に産卵場所については長年の謎が多く、2009年になってようやく産卵場が日本から200キロ離れた太平洋の西マリアナ海領付近だと特定された。ここで卵からふ化し仔魚(しぎょ)になると、太平洋を回遊して稚魚(ちぎょ)へと変態し、東アジア近海へと向かう。

この稚魚は「シラスウナギ」と呼ばれ、日本では鹿児島をはじめ、宮崎、高知、静岡などの川を遡上する。このことから鹿児島県では昭和40年頃から養鰻が盛んに行われるようになったという。現在、鰻の生産量は鹿児島県が全国1位。国内の養殖うなぎの約40パーセントのシェアを占めている。

中でも大隅半島の東側に位置する曽於郡(そおぐん)は県内の生産量トップを誇る。その曽於郡大崎町の風光明媚な田園風景の中に、全国の鰻の名店から支持される泰斗商店がある。泰斗商店は育てた鰻を全国の料理人やお客様に届ける販売店。倉庫には選別された自慢の鰻が出荷を待っていた。

「志布志で養鰻が盛んなのは、このあたりの海で鰻の稚魚(シラスウナギ)がよく獲れるから。加えて水が豊富できれいなことや気候なども影響していると思います。鰻を育てるには最高の環境がそろっているんです」と泰斗商店の横山桂一代表は話す。

豊富に湧き出る地下水は、霧島山系由来のシラス大地で長年にわたり濾過されたもの。泰斗商店が選ぶ鰻には臭みや雑味が一切ないのは、この水がベースになっているからだ。また安心・安全をモットーに、抗生物質を含む餌を使用せず、成長に合わせて丁寧に育てられた鰻だけを厳選しているのもこだわりだ。

「今までもいくつかブランド鰻というものは存在していたんですが、基本的には生産者が直接売ったり、料理人とコミュニケーションをとったりすることはほとんどありませんでした。でもそれだと本当にいいものを作ってもきちんとした評価をされない。それで最初から最後まで自分の目が届くところで販売する形を作りたいと思ったんです」と横山さんは現在の販売スタイルについて語ってくれた。

24時間365日、徹底的に水温や水質を管理し、丁寧に育てた鰻がおいしくないわけがない。天然うなぎが尻尾を巻いて逃げ出す、泰斗商店の鰻は、一度食べてみる価値がある。

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