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NMB48白間美瑠“みるみる道場”最終回「センターは孤独でした」

  • 2021年6月24日
  • Walkerplus

8月15日(日) に「NMB48 白間美瑠卒業コンサート ~みるるん、さるるん、ありがとう♡~」が開催。NMB48から卒業する白間美瑠にとって、自身最後のセンター曲となる25thシングル『シダレヤナギ』が6月16日にリリースされた。その発売を盛り上げるリレー連載『みるみる道場』がついに最終回。白間が自分自身とどう向き合い、NMB48のエースとして活躍してきたかを本人に聞いた。

■こんなにアイドルって苦しいのか!凄いな!って思ったのを覚えている
――11年前の12歳の時にNMB48に入ったんですよね。その時の気持ちを教えてください。

【白間美瑠】NMB48に加入する前は雑誌のモデルのお仕事をやらせてもらってたことがありました。写真を撮られるお仕事が大好きで、芸能界に憧れだしていたころ、お母さんの友達がNMB48のオーディションを見つけてきてくれて応募したんです。

その時は、ヒップホップダンスをしていて、アイドルのダンスはかっこよくないと思ってました。アイドルに興味もなく、やりたいという強い気持ちもなかったんです。アイドルをすごく甘くみていて、軽い気持ちで応募したのを覚えています。

オーディションにどんどん受かっていき、うれしいという気持ちというよりは、また受かっちゃったーみたいな感じでした。でも、最終審査はアイドルっぽく、歌とダンスで勝負しなきゃと思って、AKB48さんの『会いたかった』(2006年)を予習して行きました。

――実際にNMB48に入ってみて、どうでしたか?

【白間美瑠】入ってみたら、こんなにアイドルって苦しいのか!凄いな!って思ったのを覚えています。最初は、自分がいちばん可愛いし、ヒップホップもしていたので、かなり自信がありました。

でも、あまりにもできる人がいすぎて、こてんぱんにやられ、プライドが傷ついたのを覚えています。1期生で同じスタートなのに、みんなでレッスンを受ける時に、さや姉(山本彩 ※1期生、2018年卒業)だったり、他のメンバーもみんな覚えるのが早くて、私は誰より振り付けを覚えるのが遅くて、毎日、ダンスの先生に怒られてました。それを経験したからこそ、今こうやって毎日の努力を欠かさないというのがあるんだと思います。

毎日が競争、自分の努力次第で、順位も序列もぜんぶ変わっていくし、努力しなかったら、落ちていくと思います。1期生は一人ひとりが濃くて、それぞれ自分に自信を持っている子ばかりで、とにかく競争心が凄かったです。「あの子がいっぱいしゃべっているから、次は私がしゃべってやる!」みたいな、メラメラ感がありました。全員が全員を意識してましたね。

■今でも、あの曲を聞くと思い出して、怖くて悔しくて鳥肌が立つ
――白間さんもそのなかで、メラメラと戦っていたわけですね。

【白間美瑠】いや、私はその競争に入れてなくて、ずっとお姉ちゃんたちの背中を見ながら、ついていったメンバーでした。

――でも、センターをとってやるという気持ちはあったんですよね?

【白間美瑠】もちろんありました。でも、道のりは長かったですね。全員があまりにも強すぎて。今思うとそこにいてよかったなと思います。

――今、白間さんはNMB48のなかでトップを走ってますよね。今の白間さんだったら、当時の1期生に勝てると思いますか?

【白間美瑠】それは勝てると思います!11年間NMB48にいて、最後の1期生として残り、努力し続けてきたというのが一番の自信につながっていると思います。

――NMB48の人生のなかで絶対に忘れないということがあれば教えてください。

【白間美瑠】初めてセンターに立った時よりも、悔しい思いをした時のことを覚えています。初期のころに、SKE48さんのライブにNMB48が出させていただいて、『マジジョテッペンブルース』(AKB48・2010年)という曲を披露させていただいたことがあるんです。

めっちゃ怖い舞台監督さんにレッスンを見てもらって、5列あるなかで2列目に私がいて、やったと思っていたんですけど、「踊れてないから一番後列に!」と言われて下げられたのがむちゃくちゃ悔しかったんです。自分自身、そこからひと皮向けて、変わったなというのはあります。11年間でいちばんの“悔しかった”思い出ですね。今でも、『マジジョテッペンブルース』を聞くと思い出して、怖くて悔しくて鳥肌が立ちます!

――成功を収めた今でも、その時の悔しい気持ちに戻れるというのは、いいのかもしれませんね。しかし11年間のなかで一番の思い出が“悔しい思いをした時”とお話されるのは、いかにも白間さんらしいかもしれません。

【白間美瑠】当時のことを思い出すと、気が引き締まるんです!

――そんな白間さんが、もう後列の私じゃない、フロントメンバーだと自分に自信を持てるきかっけになった曲やタイミングがあったら教えてください。

【白間美瑠】難波鉄砲隊其之伍の『山へ行こう』(2014年)という曲で、センターを務めさせていただいた時は、がんばれ!と期待されているんだなと思いました。難波鉄砲隊はこれからグイグイくる若手をセンターにするというのがあったので、そう感じましたね。

■競争があった方が私は好きですし、すごいやりがいがある
――では、11年間で一番うれしかった思い出も教えてください。

【白間美瑠】第9回AKB48総選挙で12位をファンの人と一緒に勝ち取ることができた時です。さや姉が出ない総選挙でもあって、NMB48のなかでは上から数えたときにさや姉の次は私だったんです。なので、私が頑張らないといけないというプレッシャーがあり、かっこいい背中も見せないといけないと思って、気持ちが高まっていたのを覚えています。

――白間さんの話を聞いていると、48グループは常に競争の中で頑張っていることを再認識させられますね。

【白間美瑠】競争があった方が私は好きですし、すごいやりがいがありますよね。自分自身が成長できますから!

――そんな中、NMB48を11年も頑張ってこられたのは、やはりお父さんのおかげですか?

【白間美瑠】はい。お父さんの影響が大きいです。尊敬してますし、憧れてますし、大好きです。パパみたいな人になりたいって思ってます。辛い時を乗り越えられたのは絶対にパパのひと言があったからだなって思います。気が抜けている時も、引き締めてくれたのはお父さんでした。

――白間さんは多くの曲のセンターも務めてきましたが、一番思い出深い曲を教えてください。

【白間美瑠】ふぅちゃん(矢倉楓子 ※2期生、2018年卒業)とのダブルセンターを務めた、10thシングル『らしくない』(2014年)です。ふぅちゃんというライバルと常に一緒で、MV撮影の時もふぅちゃんより絶対に目立ってやる!負けへんぞ!って気持ちでやってました。

この曲でテレビに出る時に、センターの私とふぅちゃんの間に必ずさや姉がいて、テレビに映るカット数もさや姉の方が多いんですよ。悔しいという気持ちと同時に、私の頑張り不足だと思ってました。

『まさかシンガポール』(3rdアルバムのリード曲・2017年)のMVで、さや姉からマイクを受け継ぐというシーンがあって、それがうれしかったのも覚えています。ずっと憧れて尊敬していますが、さや姉は同期なんで、なんか変な感じでした(笑)。17thシングルの『ワロタピーポー』(2017年)は、緊張もまったくなくずっと楽しい曲でしたね。

■“気合”をNMB48が教えてくれた
――白間さんにとって、NMB48 はどんなグループですか?

【白間美瑠】12歳でNMB48に入り、青春も、物心がついた時も全部NMB48みたいな感じです。私の成長のすべてがNMB48だと思いますし、濃い11年間でした。元々は人前に出るのが苦手で、すぐに泣いていたんです。でも今ではこうして人前に出て、笑顔と元気を届ける側になって、そう思うと“気合”をNMB48が教えてくれたんだと思います。

――AKB48の選抜メンバーとしても活躍されていて、多忙な日々を過ごされてましたが、どんな気持ちでやられていたのですか?

【白間美瑠】AKB48の選抜は、歌番組では毎回ポジションが違うのが当たり前でした。選抜のお仕事は毎回楽しみで仕方なかったです。やっぱりNMB48に中にいると、自分が一番の先輩という気持ちですけど、選抜に入るとゆきりんさん(AKB48・柏木由紀)だったり、ほかにも先輩方がいっぱいいるんですよね。みなさん自分よりもすごい部分を持っているので、毎回いつも勉強させてもらい、いいとこを盗もうと思ってました。

Mステ(ミュージックステーション)で1stシングル『絶滅黒髪少女』(2011年 1stシングル)を披露した時に、ゆきりんさんがそれを観てくださっていて、LINEで「めっちゃ表情がよかった!」って褒めてもらえたのはうれしかったです。『希望的リフレイン』(AKB48・38thシングル、2014年)では、AKB48選抜に入り、姉妹グループのメンバーといい意味でバチバチだったのを覚えています。

AKB48・チームAとの兼任は本当に大変でした。NMB48の公演にも出ながら、チームAの公演「M.T.に捧ぐ」にも出ていたので、東京への移動で振りを覚えたりしていました。でも、それぐらい大変な状態に追い込まれている時のほうが自分は生き生きしていたな、というのがあるので、卒業後もまたお仕事で忙しい状況になればいいなと思っています。

■卒業後は女性が憧れるような強い雰囲気を出していきたい
――卒業を意識したのはいつぐらいからですか?

【白間美瑠】2年ぐらい前からです。韓国から帰って来た時(2018年、オーディション番組『PRODUCE 48』に参加)に、卒業が頭をよぎりましたね。自分のやりたいことがNMB48ではなく、別の場所にあると思い始めました。『だってだってだって』(2020年)であーやん(山本彩加 ※5期生、2021年卒業)と恋和(梅山 ※5期生)のダブルセンターを見た時に、後輩たちの勢いもすごいし、NMB48を任せられるんじゃないか、もうNMB48を卒業してもいい時期がきたのかな、と思いましたね。そこからは、「自分が自分が」になるんじゃなくて、後輩にいろんなことを教えようと思いました。気持ちがすごい変わりましたね。

11年間やってきて、NMB48のなかでは、これぐらいやったらここまでできるやろという気持ちの余裕もでてきました。その余裕が自分的には嫌で、死ぬ気でがんばるぐらいの状態に自分を持っていきたくて、今のNMB48では物足りないという気持ちになったんだと思います。

――卒業後は、ソロアーティストとして活動していくことを発表されました。

【白間美瑠】NMB48とは違うカラーを出していきたいと思っています。かっこいいなって女性が憧れるような強い雰囲気を出していきたいです。男性には美しいと思われたいです。

――最後のセンター曲『シダレヤナギ』でも十分、白間さんは力強いパフォーマンスでかっこいいと思います。

【白間美瑠】そうですか!ありがとうございます。そこをさらに強化して、かっこいいアーティストになります。歌うことは大好きなんで、いろんなジャンルの曲を歌っていきたいです。

卒業したら、演技もやってみたいですし、いろんなことに挑戦したいと思っています。世界が広がるなって、今はワクワクした気持ちの方が強いです。お仕事でも新しい方々との出会いもいっぱいあると思うと楽しみです。

■応援してくださっている方と一緒に人生を楽しみたい
――『シダレヤナギ』はどんな曲ですか?

【白間美瑠】自分が最後にセンターをさせてもらった曲なので、自分のかっこいいしっかりとした背中を後輩に堂々と見てもらいたいと思っている曲です。

――劇場盤にはソロ曲『いつもの椅子』も収録されていますね。

【白間美瑠】バラードで本当に素敵な曲です。その曲を練習している時は涙が出てきました。11年間の歴史を感じながら歌える曲です。この時はこんな気持ちやったなというのがすごい歌詞に入っていて、辛さだったり、その辛さを乗り越えたら笑顔が待ってたよね、みたいな、そんなこれまでのいろんな感情を辿れるような歌詞になっています。素敵な言葉がいっぱい含まれていてうれしいですね。

センターを経験させていただき、センターは孤独だと感じました。きっとさや姉も孤独だったんじゃないかと思います。今思い返しても、自分の深い気持ちはメンバーにも誰にも話してなかったかもしれません。きっと強がりなんですよ。

――卒業後もNMB48のライブにスペシャルゲストとして登場してくださいね!

【白間美瑠】呼ばれたらどこにでも行きますし、いくらでも出ますよ(笑)!

――「みるみる道場」では、2期生から7期研究生まで、多くのメンバーと対談しましたね。いかがでしたか?

【白間美瑠】後輩メンバーが私のことをこんなに思ってくれてるんやなって思いました。私のこういう部分を参考にしてますとか、私のことを見てくれてるんやなって。いろんなことに気がづくことができたから、もっとがんばろうって思いました。自分も後輩メンバーから学ぶことがいっぱいあったし、まだまだ成長できる部分がいっぱいあるなって感じました。

――今後のNMB48を背負っていくと感じたメンバーがいたら教えてください。

【白間美瑠】塩月希依音ちゃんは間違いになくセンターになる!センターが似合うと思いました。なんでも全部こなせるさや姉タイプ。お笑いもがんばろうって思ってる子だし、ダンスもできるし。

でも、私のなかでは、恋和(梅山)にきて欲しいなというのはあります。恋和はすごく華があって映えるんですよ。そこはめっちゃ強いですよね。

――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

【白間美瑠】こんなに多人数いるなかで、私を見つけてくださってありがとうございます。お猿さんみたいなこどもだった頃からずっと応援してくださって、何にもできなかった自分がこれだけ自信をもって堂々としてられるのは、本当に応援してくださったファンの方が、たくさん背中を押してくれて、自信を持たせてくれたおかげです。

「美瑠ならセンターいけるよ」って言ってくださったファンの方々、本当にありがとうございました。ここから先は、皆さんに笑顔になってもらえるように恩返ししていきます。卒業したら、皆さんとより近い存在になって、応援してくださっている方と一緒に人生を楽しみたいなって思います。

撮影・取材・文=野木原晃一

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