サイト内
ウェブ

「人生が一度めちゃめちゃになった」元アルコール依存症OLがマンガで告白する“依存症”になったワケ

  • 2021年3月28日
  • Walkerplus

にほんブログ村「コミックエッセイ」ランキングでTOP10に入るなど人気を博している、元アルコール依存症のアラサーOL・かどなしまるさん(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)。新卒で入った会社で人間関係に悩まされ、「ダメだ」とわかっていながらも、お酒を飲んでから出勤するようになってしまったという。その体験記を新たに描き下ろしてもらったマンガがウォーカープラスで連載中。学生時代の回想も交えながら、「アルコール依存症」になった原因を解き明かす第6話の掲載に合わせ、当時の心境を振り返る。

――子供の頃のかどなしまるさんはどんなお子さんでしたか?

「大人しく、目立つことが苦手で、存在感の薄い子だったと思います。学校の休み時間や放課後に仲の良い友達とはしゃぐことはありましたが、自分から誰かに話しかけることはできない、超受身なタイプです。とにかくシャイであがり症で、たとえば国語の授業で作文の発表があるときには、2週間前から心臓がドキドキして心もとなかったです」

――「みんなと一緒に何かをつくり上げたことがない」ことがコンプレックスだとおしゃっていましたが、共感する人も多いのではないかと思いました。

「人の輪に入れなかった経験ってしょっぱいですよね…。調理実習や理科の実験、グループワーク、どれも苦手でした。進んで自分の役割をもらうのも図々しい気がしてはばかられるし、逆に指示待ちだと『なんだ、コイツ使えない』みたいな目で見られるし、どうしたらいいのかわからなかったです。おどおどしているうちに物事が進んで、『私って必要ない人間なんだ』と心が冷えていく経験を重ね、みんなで一緒に何かをつくるということを忌避するようになりました」

「人の輪に入れないなりに、『人と違う』何かがないかと自分の存在意義を探してみても、何も見つからず、さらに落ち込みました。自分に何か欠陥があるような気がして、これから先もひとつのものをつくり上げる一員にはなれないんだと思ってしまいましたね」

――依存症になったのは “自分のせい”だと、マンガを通してご自身のことを客観的に振り返っているのが印象的でした。

「昔から、『私って思い込みが激しいかも』と思っていたんです。緊張すると感情が迷子になって笑いが止まらなくなるクセがあったのですが、そうなりそうな機会を得るたびに『今回もそうなる!』と思い込んでしまっていましたし、性格の全然違う子がいれば『絶対に仲良くなれない』と、先生に少し注意されれば『私のことが大嫌いなんだ』と決めつけてしまっていました。でも、往々にして、それは思い込みだったということにあとから気付くもので、周囲に感情を振り回されがちな自分をだんだんと一歩引いて見るようになりました」

「アルコール依存症に関しては、あくまで“私の場合”ですが、自分の中にいろいろな考えや選択肢があった中で、お酒でその場しのぎすることを選び続けた“自分のせい”だと思っています」

――重いアルコール依存症だった頃のかどなしさんにとって、お酒とはどんな存在でしたか?

「たとえるなら、リモコンでいう『スキップボタン』でしょうか。暗くて鬱々としている“いま”を陽気な気分に変えてくれたり、ごちゃごちゃ悩む頭をぼんやりさせてくれたり…。飲めばいろいろなつらいことをスキップして、私じゃない私が日常を終わらせてくれるような気がしていました」

――「自分を変えようとしなかった」という過去を経て、これからはどう変わっていきたいですか?

「丸く、柔軟に生きたいですね。思い込みや先入観に支配されて自分を変えることができず、人生を“コケて”しまったと思っているので。あとは、自分の中で思考をぐるぐる循環させるだけではなく、人と対話し、異なる意見を取り入れて自分のものにしながら、柔軟に生きていきたいです」

――これから先、何か挑戦したいことはありますか?

「一人旅や街ブラを楽しめるようになりたいです。実は、重い依存症を脱したいまでも、休日にひとりで街歩きをするのは苦手なんです。あてもなくフラフラしていると『挙動不審に見られていないか?』と不安になってしまったり、おしゃれでおいしそうなレストランに入りたくても『場違いじゃないか?』と思ってしまったりと、周りばかり気になってしまいます。でも、これもきっと自分の中の考え方ひとつで、何のしがらみもなく街の雰囲気を味わえるようになるはずなので、どこか知らない街で挑戦したいですね」

取材協力:かどなしまる(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)

※飲酒の際は、食物をとりながら、自身にとって適切な量をゆっくりとお楽しみください。自分で飲酒の量やタイミングをコントロールできず、お悩みの場合は、専門の医療機関を受診してください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。


キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.