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s**t kingz初の見るダンス映像アルバム「愛情こもりまくりの映像作品集です。見てね!」

  • 2021年2月18日
  • Walkerplus

演劇ライター・はーこが不定期で配信するWEB連載「はーこのSTAGEプラス」Vol.86をお届け!

“シッキン”の愛称でダンスファンを魅了するダンスパフォーマンスグループs**t kingz(シットキングス)。shojiをリーダーに、kazuki、NOPPO、Oguriの男性4人で構成、2007年から活動を開始した。世界レベルのダンステク、振付センス、表現力で超かっこよく、そのうえおもしろ企画も交えつつ繰り広げる楽しい舞台は人気が高い。さらに近年は、ソロ活動としてドラマやミュージカルにも活躍の場を広げ始めている。

2020年、新型コロナウイルスで生の舞台が中止になり、自粛期間中にはオンラインライブも開催しながら「シットキングスとして、これからどういうことをやっていけるか、メンバーやスタッフチームといっぱい話した」とOguri。そこで「自分たちがやりたいものを作れる機会では」と昨夏ごろから企画したのが、初めての“見るダンス映像アルバム”「FLYING FIRST PENGUIN」。ZOOMで打合せを重ねて作品を制作し、YouTubeでの5か月連続公開を経て2021年1月27日に発売した。「人に会うことが難しい今だからこそ、皆さんの手に届く作品を作ろう」と送り出した、“見るバム”。外出自粛中の今、自宅で彼らのクールなダンスを存分に楽しむことができる。シッキンの魅力と可能性にあふれた“見るバム”「フライペン」。そこにめいっぱい詰め込んだ4人の熱い想いを、たっぷりとどうぞ。

■作品への愛
Oguri:「今回、シットキングスとしてすごく挑戦でした。曲、音楽、そして振付はもちろん、映像をどんなふうにするか、本当に細部まで4人でこだわり抜いた映像作品集“見るダンス映像アルバム”ができたなって感じです。渾身の作品を世に出すことが出来る、気合と喜びが混在しています」

kazuki :「映像作品にここまで力を注いだのは、シットキングスとして多分初めてだと思う。それが全国どこでも手に入り、家でいつでも見れるようにできて、これ以上の喜びはないっていうぐらい。ほんとに自分たちが最初から曲とかすべてこだわって作って来た、愛情のこもりまくった作品たちなので。楽曲それぞれにもすごく個性があり、変なパフォーマンスや個人個人の個性があふれているような作品もある、バラエティに富んだアルバムになってますので、ぜひ皆さんに見てほしいなと思っております」

shoji:「タイトルの“ファーストペンギン”というのは、最初に群れの中から狩りに出る勇敢なペンギン、新しい世界に飛び込んで行くという例えとして使われる言葉なんです。それがさらに、飛べない鳥が飛んで行くという『フライングファーストペンギン』。今までダンサーたちがやりたくてもできなかったことを、シットキングスがまず自分たちで始めていくんだという思いを、今回のアルバムタイトルに込めました。

今まで自分たちでいろいろ映像作品を作っても、楽曲の著作権問題とかでSNSの公開やダンス映像の販売NGなど、なかなか残すことが出来なかったり、多くの人に見てもらうことが難しい状況でした。そのなかで、ダンサーたちでも自分たちの生きた証や表現したいものをちゃんと未来に残していけるようにという思いと、“見るバム”という形がいつか当たり前になったらいいなという思いで作ったものでもあるので、そんな思いが皆さんのもとに一緒に届いていくとうれしいなと思っています」

NOPPO:「僕らダンサーですけど、ダンサーでもこうやって映像が作れたり、いろんな作品が残せたりする時代になって来たんだと。映像がどんどん発達していくなかで、こんな事件を起こして(笑)、そこで爆発したものの化学反応で若いダンサーの子たちの刺激になったり、ダンスを知らない人にも、こんな表現があるんだっていう新しい発見になったり。ダンサーのいろんな機会につながればいいなという思いで作ったので、ほんとにいろんな方に届いてほしい作品です」

■“見るバム”はソロ作品から始まった
昨年にメンバー1人1人の映像ソロ作品を出す企画があり、その制作過程で今回の“見るバム”へと進化した。ソロ映像を見ると、ひとりひとりの感性が際立つ。映像でやりたいこと、音楽やストーリー設定へのこだわり…各人のダンスが個性的&魅力的に表現され、楽しい。

NOPPO:『足取り』 ベッドルームで別れた女性を想う男。セクシーでおしゃれ、やるせない感情が伝わってくる。「トラックメーカーの方と歌手の大石さんと、僕のメンタルな部分をいろいろ話して、それを反映していただいた曲です。勝手にセクシーになっちゃった(笑)」。

kazuki:『On my side』路地裏のクラブで起こった幻想の一夜。マイケル・ジャクソンを思わせる音楽と凝った照明で、ドラマ性が楽しい。「マイケル・ジャクソンがめちゃくちゃ大好きなので、音を作る上でもマイケル・ジャクソンの曲をこんなふうに変えた感じで、とか完全に意識しました。シチュエーションから考え、自分の好きな曲で好きなように踊ろうと」。

Oguri:『I won’t say goodbye』広がる大地の向こうに太陽が昇る。自然の息吹を体中で受け止め、一体となって踊るダンス。ドローンを使った映像と曲がマッチし、すごく気持ちいい。「個人的にあぁいう気持ちいい曲が大好きで。設定を先に決めて、映像も音楽も皆さんに自然に聞いてほしいという思いのもと、自分の好きな曲で『気持ちい~』って踊りたいなと」。

shoji:『too hard to choose』昭和な匂いのするコンビニが舞台。買い物風景を切り取ったワンシーンに、おなじみのShojiらしさを盛り込んで。「普通の日常生活に近いような映像にしたいなと。コンビニで何を買うか選ぶところをダンスにと思ったんですが、今ひとつパンチが足りない、最後に気になるものを残したいなと、レジのお母さんとしてちょっと女装して登場させていただきました。僕にとっては女装も日常生活、そんなことはない!(笑)」。

■制作に込めたそれぞれの思い
kazuki:「映像だと見てほしいところを調整できるんですよね。今回はダンスで作品を表現したかったので、足元のステップは映っていなくても表情もダンスの一部というような考え方で作りました。だから生のステージとは全然違う感覚の使い方で、こう伝えるためにはどこを見せればいいか、と映像監督と相談しながら細かく話し合って作っていきました」

Oguri:「音楽も、今までは舞台のテーマとストーリーの流れにハマる曲を、と作って来たんです。でも今回は流れがなく、1曲1曲が作品として完成されているところが、自分たちとしてもやりがいがあったと感じています」

shoji:「楽曲はクリエイターの方たちそれぞれで関わり方は違っていたんですが、基本的には皆さんとすごく密にやりとりさせていただいて、シットキングスが表現したいものを汲み取ってもらいつつ、それぞれのアーティストさんの良さを思い切りぶつけてくれたっていう感じでした。ほんとに1曲1曲、作り甲斐があるな、やってよかったって思いながら一緒に音楽を作っていったという感触があります」

■気持ちよく見てもらえるように構成
shoji:「最初は、いろんなバリエーションのシットキングスを見てもらおうと作っていったんですけど。今回の“フライペン”の表題曲でアルバムを象徴する『FFP』を1番目に置いて、そこからは音楽の世界観や表現の方法など、ずうっと流し続けても気持ちよく見てもらえるベストな流れはどれかなと考えて、この流れにたどり着きました」

■特典映像にも注目!
shoji:「けっこう特典映像モリモリになってしまいまして、100分を大幅に超えたという感じなんですけど(笑)。特典映像はメニューに表示されるんですが、その中のひとつに特殊な“隠れコマンド”という、メニューには載ってない動画があるんですよ、今回。買ってくださったみなさんが、いろんなボタンを操作すると『あ、出てきた!』みたいな映像があり、そこにおもしろコンテンツもちゃんと入ってますよ(笑)。数量限定版は売り切れたら再販予定がないんですが、カレンダーや写真が入ったカードとか、いろんなグッズとか、特典がたくさん付いたものになってますので、オススメです!」

■結成13年、進化を続けるシットキングス
Oguri:「シットキングスを始めた頃は、ほんとにただただカッコよく踊るっていうことしか自分たちの中になかったところから、表現者としてちょっとずつステップアップしていく中で、あ、こういう表現の仕方もありなんだなって、いろんな見方が出来るようになってきた気が今すごくします。5年前だったら、絶対にシットキングスは歌わない、言葉をしゃべらない、みたいなかたくななところもあったんですけど、なんかどんどんいろんなことにチャレンジしていくにつれて、視野や選択肢もどんどん広がって行きましたね」

NOPPO:「若い頃はスキルアップのためとか、挑戦的なものもあったけど、この作品はどうしたらおもしろくなるだろうと、だんだん作品に重きを置けるようになってきた感じ」

kazuki:「いままでシットキングスがしゃべらないで舞台やっていたのは、ひとつのコンテンツだと思うので、しゃべるようになったからもうやらないというわけではなく、どんどん新しいものが生まれてくるだろうなと。僕自身は今、自分で楽しく企画して何かを作ることに熱中しているので、新たな企画がシットキングスの力に加わればいいなと思っています」

shoji:「シットキングスの良さって、ルールを決めすぎないというか。歌った方がおもしろいなら歌えばいいし、ダンスだけで勝負した方が届くものもあるし。そこは自由に、自分たちが今ベストだと思うことをやっていきたい。いろんな可能性を自分たちの中でちゃんと持っておきたいですね。シットキングスで表現したいと思うものは、つねに衝動的にみんなの中で生まれてきています。誰かが『これやったらおもしろくない?』って言い出して、みんなが『おもしろそう!やってみようよ』って、突き進んでいく。そのスタンス自体はずっと変わってないんじゃないないかな。そうやって新しいものを作っていけることが、自分たちの強みだと思っています」

取材・文=演劇ライター・はーこ

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