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「お酒の強さは人並みなのに…?」元アルコール依存症OLがマンガで描く“依存症”と診断された日のこと

  • 2021年3月21日
  • Walkerplus

にほんブログ村「コミックエッセイ」ランキングでTOP10に入るなど人気を博している、元アルコール依存症のアラサーOL・かどなしまるさん(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)。新卒で入った会社で人間関係に悩まされ、「ダメだ」とわかっていながらも、お酒を飲んでから出勤するようになってしまったという。その体験記を新たに描き下ろしてもらったマンガがウォーカープラスで連載中。医師に「アルコール依存症」であることを指摘される第5話の掲載に合わせ、当時の体験を振り返る。

――アルコール依存症というと、すごい量のお酒を飲んでいるというイメージがあります。もともと、お酒には強かったのでしょうか。

「人並みくらいだったと思います。1回に飲める量は、『スト缶』(アルコール度数7~9%程度のストロング系缶チューハイ)なら350ミリリットルを3缶。依存症だった頃に飲んでいた、洋酒をジュースで割ったものなら、どんぶり2杯分くらいです。間を空ければもう少し飲めますが、ここから先は頭痛がしてきます…」

――飲酒のことを医師の方に相談するというのは、とても勇気がいることだったのではないかと思います。

「そうですね。医師の方に話すということは当然、“実際にあった症状”としてカルテに記録され、治療が行われていくということです。つまり、いよいよ自分が本当に『アルコール依存症』であることを認め、その事実と向き合って、症状を改善するために前向きに取り組んでいかなくてはならないということになります。それにはかなりの覚悟が必要でした」

――「アルコール依存症」という診断を受けたとき、すぐに受け入れることができましたか。

「すぐに思い浮かんだのは『私はまだ大丈夫』という言葉で、医師の診断を否定的にとらえ、聞き流そうとしてしまいました。自分としては、もし明日会社を辞めさえすれれば、お酒を飲むこともすぐにやめられると思っていたからです。実際には、当時の会社を退職しても、仕事のある日もない日も朝から飲んでしまったり、これといった理由もなくお酒に手が伸びてしまったりする生活が待ち受けていました」

――つらかったとき、救いになったものは何でしたか。

「誰のものか忘れてしまったのですが、『不幸のドン底でも、いまから幸福になると決めちゃいけないことはない』という言葉です。お酒と上手く付き合えず、人間関係もボロボロで絶望感たっぷりだったあの頃、ふと『髪を染めておしゃれしたい、自分を磨きたい』というような前向きな気持ちが芽生えても、すぐに『いやいや、まずはお酒との関係を清算してからでしょ』と自分で打ち消して、立ち直るきっかけを失ってしまっていました」

「それでも、できることから少しずつ変わっていきたいと改めて思ったとき、この言葉が背中を押してくれました。『いまはアルコールに溺れてしまっているけど、明日幸福になってはいけないなんてことはないんだ』と自分を励ましてくれる、人生の指針のような言葉でした」

――今回のマンガを読んで、改めてお酒の怖さを実感しました。お酒なしでは生きられなくなってしまった当時の自分に向けて、何か伝えたいことはありますか。

「あの頃の私は、社会に順応しようと必死に努力しては空回りし、日々自分だけ摩耗しているような感覚に陥ってしまっていました。そんな中で、『何も考えずにただ世界をゆらゆら漂いたい』という願いを叶え、つらい現実を少しでもマイルドなものに感じさせてくれるのが、お酒だったんです」

「お酒を飲み続けていると、『私はダメな人間で、このまま諦めたような人生を送るしかない』という声が自分の中でどんどん大きくなってきて、ついそれに流されてしまっていました。それでも、『もっと違う風に生きたい、やり直せるって信じてる』という想いも、私の中にたしかにあったんです。人生をまるごと諦める前に、今度は自分の中の“小さな声”を拾ってみてもいいのではないか。『きっと、転ぶだけの私しかいないわけじゃないよ』と教えてあげたいです」

取材協力:かどなしまる(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)

※飲酒の際は、食物をとりながら、自身にとって適切な量をゆっくりとお楽しみください。自分で飲酒の量やタイミングをコントロールできず、お悩みの場合は、専門の医療機関を受診してください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。

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