フォロワーから寄せられた体験談をマンガで描いた投稿が、Instagramなどで話題になっているしばたまさん。短いストーリでありながら、ゾッとしたり、ほっこりしたり、共感したりと、多彩なエピソードが人気の理由だ。
■自身の怖い体験を投稿したのがきっかけ
フォロワーからの体験談をマンガとして描き始めたきっかけやその反響を、作者のしばたまさんに聞いてみた。
「募集型の体験談シリーズは、2018年10月からSNSに投稿しはじめました。以前自分の怖かった体験をマンガにして投稿したら、『私の怖かった体験もマンガにしてください！』という内容のコメントやメッセージをいくつかいただいたのがきっかけです。単純に皆さんの体験談を聞いてみたかったのと、皆さんも、いろんな方の体験談に興味あるかな？と思って。
当初は単発でいくつか描いて終わりにする予定でしたが、共感してもらえたり、ゾッとする話は注意喚起にもなっていて、続けていこうと思いました」
今回は、しまたばさんイチオシの6作品を紹介。さらに作品への思いなどを聞いてみた。
■本当にゾッとするシリーズ
まず1作目は、『フォロワーさんのゾッとしたお話～1人目～』。鍵っ子は本当に注意してほしい話だ。
「フォロワーさんが体験した『ゾッとしたお話』シリーズ1話目の、鍵っ子の女の子の話です。名前の通り本当にゾッとする内容でした。お子さんがいるご家庭では、お子さんと一緒に読んで、再度子どもが一人でいるときの危険性を共有したという感想を多くいただきました」
■本当の母娘のような繋がりにスカッと爽快
続いて2作目は、母と祖母に深い繋がりを感じる『フォロワーさんが体験した〇〇なお話～スカッと感動！！～』。
「これは血の繋がりだけが家族じゃないということが、とてもすんなり心に入ってくるお話でした」
■前世からの縁を感じる運命の出会い
3作目の『フォロワーさんが体験した〇〇なお話～感動！！～』は、運命的な出会いで結ばれていた夫婦の話。
「奇跡や運命という言葉は普段あまり使わないのですが、このお話に関しては奇跡だし、運命って本当にあるんだなと思わされました！とにかく衝撃的な展開でした」
■やさしさや夫婦愛にほっこり
4作目の『みんなのほっこりする話～2人目～』は、人のやさしさや亡くなった妻への思いに、うるっときたり、ほっこり温かい気持ちにもなれる。
「いただいた体験談の文章で、心を揺さぶられました…。私はお年寄りの話に特に弱いので、なおさら思い入れのあるマンガになりました」
■「夜泣きの時間は家族の時間」にキュン
5作目は、赤ちゃんの夜泣きが家族の絆をより深めるエピソードをマンガにした『フォロワーさんのキュンとしたお話～2人目～』。
「育児系のエピソードはテレビやネットなどでも、『夫が育児に参加しないで困っちゃう！』みたいな内容が多いなか、このお話は真逆で『こんなに天使のような夫がいるのか…国宝級だな』と思いました。コメントでも『この旦那様の爪の垢を煎じて飲ませたい！笑』など旦那様を称賛する声が多く上がりました」
■ラストがかなりホラーでゾゾゾッ
そして6作目の『フォロワーさんのゾッとするお話～15人目～』は、手作りのバレンタインチョコをもらった男性保育士のゾッとした体験が。
「ゾッとする話の募集では、女性が男性にゾッとさせられた話が多いのですが、この話は男性が女性にゾッとさせられた話で、男性でも油断は禁物だし、本当に全国の男性にも気をつけてほしいなと思いました」
現在SNSやブログに約150作品が投稿され、毎週土曜19時ごろに更新されるとか。週末のゆっくりした時間に、覗いてみるのもいいかもしれない。
また、2、3か月に1度、Instagramで体験談の募集のアナウンスをしているので、興味があればチェックしてみよう。
■SNS未掲載を収録した書籍にも注目！
マンガを描き投稿しはじめたきっかけを、「外出先でとても恥ずかしいことが起こり、帰りの電車でその出来事をマンガにして投稿したことがきっかけです…」と話すしばたまさん。
ご自身の過去をエッセイ漫画で描いた『ギャルが美大に入るまで』(2020年4～9月投稿)もおすすめで、「『才能』という言葉に邪魔されて、いろいろ挑戦できずにいる方にはぜひ読んでもらいたいです！」とのこと。
また、多くのマンガをSNSに投稿しているが未掲載の作品もあり、今年3月にそれらをまとめた書籍『1万人がいいね！した 心ゆさぶる本当の話』を刊行。描き下ろしの新作や裏話も収録されているので、ぜひこちらにも注目を。
取材・文＝下八重順子
