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86歳の"おばあ"が握るおにぎりが超個性的!6000個以上食べた孫の想いとは?

  • 2020年8月27日
  • Walkerplus

今、とあるおばあさんが握る"おにぎり"がSNSで話題を集めている。その名も「おばあめし」というアカウントで、ソーセージやちくわなどの具材で顔をかたどったものから、揚げ物を大胆に貼り付けたものまで、個性的なおにぎりが次々とアップされている。

今やこのユニークなおにぎりのファンは増え続け、Instagramのフォロワーは7000人超え。写真がアップされると、「かわいい!」や「おばあさんの発想が半端ない」などのコメントが100件以上も付くこともあるという。

一体、どういうきっかけでこのおにぎりは誕生したのか。約10年にも渡り"おばあ"が握るおにぎりを食べ続けたという(その数なんと6000個以上!)、このアカウントを運営する孫の大迫知信さんに話を聞いてみた。

■「うまい」けど「ズレてる」!おもしろさを記録したいという衝動

大学を卒業し一般企業に就職後、再び大学に入学し直した大迫さん。食費代を浮かせるために、近所に住んでいた"おばあ"(沖縄で暮らしていた経験から、大迫さんは愛情を込めておばあさんをそう呼ぶ)に、晩ごはんと翌日に大学へ持っていく昼食のおにぎりを作ってもらうようになったのが、「おばあめし」のきっかけだという。

「食費が助かるので、とにかく感謝していました。料理もおいしい。だけど、あるとき気付いたんです。なにかズレてるぞ、と。例えば、食卓に種類が違うシュウマイが2つ並んでいたり、おかずがすべて野菜だったり…」と大迫さんは言う。

この"ズレてる感"におもしろさを感じた大迫さんは、これらの料理の数々を記録し、インターネットで発信しようと思い立つ。それが、今から約3年半前に開設した「おばあめし」のサイトだった。日を追うごとに想像の斜め上をいくメニューに対して、大迫さんの愛情がこもったツッコミ風メニュー紹介が反響を呼び、今では月間数万PVを叩き出す人気サイトとなっている。

晩ごはんをメインに据えたサイトが人気を得るようになった後、大迫さんはInstagramを活用し、おにぎりだけに絞ったアカウントを開設。「最初は、おばあが作る素朴なおにぎりを皆さんに見てもらおうという軽い気持ちでした(笑)。たまに皆さんからのコメントをおばあに見せるのですが、何かを感じたのか、だんだんユニークな顔ぶれになっていたんです」と大迫さん。

大迫さんが特に印象に残っているおにぎりは、小さなイカを貼り付けた「イカメシ」風おにぎりや、定番となりつつある顔おにぎりなど。大迫さんが「キムチがおいしい」とポツリと言ったことで誕生した「キムチおにぎり」などは、"おばあ"の愛情を感じられる。

■86歳を迎えた"おばあ"が健康で長生きするために

大学を卒業した今も、"おばあ"の自宅に通って晩ごはんを一緒に食べ、翌日の昼食用のおにぎりを受け取るという。「そのかわり、食器洗いや掃除などの家事は僕がやっています。毎日顔を出すのは、おばあの様子を見に行くという意味もあるんです」と大迫さん。

いつしか雑誌やテレビでも取り上げられるようになった「おばあめし」。ある時、テレビの取材で「いつまでも、お孫さんにお料理を作ってあげたいですか?」と質問された"おばあ"は、「そんなん、いらんわ!」と笑いながら答えたという。

「口ではそう言っても、ちゃんと毎日料理も作ってくれますし、本当は喜んでいると思うんです。それが、生きる張り合いになって、1日でも健康で長生きしてほしいですね」と、大迫さんは笑顔で話してくれた。

祖母と孫の愛情から生まれた「おばあめし」。今後はどんなおにぎりが登場するのか、2人の関係のように温かく優しい視線で楽しんでいきたい。

取材・文=橋本未来

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