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視力低下にも関係あり?専門家が解説する「新しい生活様式が子供に与える影響」

  • 2020年8月1日
  • Walkerplus

8月に入り、例年よりも遅い夏休みを迎える子供たち。小中学生の子供を持つ20代~50代の保護者1000人を対象に、「新型コロナウイルスによって変化した子供の生活実態」に関する調査を「近視予防フォーラム」が実施したところ、1年前と比べ、小中学生約9割が「自宅で過ごす時間が増加した」、8割が「運動不足になっている」と回答。そして保護者からは「視力の低下」(70.6%)と「太陽に当たる時間が短くなること」(61.9%)を心配する声が上がった。

夏休み短縮やオンライン授業など、例年と比べて変化があった小中学生の保護者を対象とした今回の調査。まず、「1年前と比べた現在の過ごし方の変化」を聞くと、時間が「増えた」のは「自宅で過ごす時間」(86.3%)がもっとも高く、次いで「パソコンやスマートフォンを見る時間 」(72.9%) 、YouTubeなどの「動画を見る時間」(67.2%)、スマホゲームも含む「ゲームをする時間」(61.2%)などとなった。

逆に、過ごす時間が「減った」のは「屋外で遊ぶ時間」で、7割近くの小中学生の外遊びの時間が減少。外遊び時間は1日平均35.4分と、1年前の調査の61.1分より25分以上短縮した一方、PCやスマホなどの視聴時間は1日平均約80分と、1年前より20分も長くなっていることがわかった。

在宅時間が多くなり、これから新しい生活様式を取り入れていくなかで、小中学生の「健康・生活に対して心配なこと」についても聞くと、多かったのはやはり「運動不足」、「体力の低下」。そして「視力低下」と「学力の低下」といった声。さらに、保護者の多くは「生活リズムを整えるため」、「成長のため」、「ビタミンDの生成に必要なため」に太陽光を浴びることも「重要だ」と思いつつ、「新しい生活様式では、太陽光を浴びたり屋外で過ごす時間は減る」と予想していることもわかった。

太陽光を浴びたり屋外で過ごす時間が短くなると、小中学生にどんな影響が考えられるのか。近視予防フォーラムの発起人代表で慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授の坪田⼀男氏と、同じく発起人で公益社団法人こども環境学会 代表理事の仙田満氏に話を聞くと、「『外遊び時間の減少』が長期化すると、運動不足による体力低下や肥満の問題に加え、自由に遊べないことによる精神的なストレスなど、子供の心身共にさまざまな影響を与えることが懸念されます」(仙田氏)、「『外遊び時間の減少』は、子供の近視予防においても、全身の健康においても、非常に由々しき問題です」(坪田氏)とのこと。
坪田氏は、「お子さんの視力を心配されている親御さんは、おそらくタブレットの使用や、ゲームの時間などが増えていることで心配されていると思うのですが、世界の近視研究においては、外で過ごす時間が減ったことが、近視急増の最大の原因だという研究があります」と付け加え、さらに「我々の研究では、太陽光に含まれるバイオレットライトが近視の予防、進行抑制に働くことも解明されつつあります」とコメント。

さらに坪田氏は「家で過ごすときは、窓ガラスはバイオレットライトを遮断してしまいます。外光の入る明るい室内でも、実はバイオレットライトを浴びることができませんので、窓を開けたり、ベランダに出ることが重要です。感染を恐れて外出を避ける傾向にありますが、子供の近視予防、健康を考えると、散歩をしたり、公園で遊んだりする時間は非常に大切です」と解説した。

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