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亀梨和也主演で映画公開!「事故物件怪談 恐い間取り」著者が語る事故物件の実情

  • 2020年7月30日
  • Walkerplus

テレビ番組の企画で事故物件に住み始め、現在「事故物件住みます芸人」として活躍するお笑い芸人・松原タニシ。大阪をはじめ全国で10軒の事故物件を渡り歩いている松原は、2018年に著書「事故物件怪談 恐い間取り」を発表。現在は怪談企画のイベントや番組にも多数出演し、7月6日には待望の第2弾「事故物件怪談 恐い間取り2」が発売し話題となっている。

そして、この松原の著書を原作とした映画「事故物件 恐い間取り」が8月28日より全国公開。今回、松原に事故物件に対する思い、映画化についての話を聞いた。

■「事故物件は逃げていくので覚悟してほしい」

――よろしくお願いします。現在で10軒の事故物件に住んでいる松原さんだからこそ言える、事故物件に住みたいという人に向けたアドバイスはあるでしょうか。

「ひと括りに事故物件に住みたいと言っても、その目的によりますね。例えば『幽霊に会いたい』という目標の前では事故物件は逃げていくんです。事故物件住みます芸人を続けていくと『幽霊の出る部屋に住んでいました』『3人連続で自殺した物件を知ってます』という情報はいただくんです。情報は入ってくるんですけど、いざ借りようとすると『不動産屋がNGを出しています』『もう貸してないです』となかなか辿りつかないことが多いんです。あと、『松原タニシ』という事故物件のあの芸人が住むのなら貸せないとなったこともあります。なので事故物件は逃げていくので、探すのであれば覚悟してほしいですね」

――逆に事故物件に絶対に住みたくないという人もいると思いますが、そういう物件に出会わないコツはあるのでしょうか。

「経済面で少しでも安くするのであれば事故物件(にあたる確率が上がること)は否めないですね。やはり相場を知って妥当な値段の物件を選ぶことが大事だと思います」

――安すぎる物件は事故物件につながる確率は上がるんですね。

「そうですね。しかし不動産屋はなかなかその安い物件を貸さないことが多いんです。いわゆる『釣り物件』というもので、安さ目当てに釣られた入居希望者に『実はここで人が亡くなられた』という話をして『値段が張るけど、自分が勧めたい物件』を紹介することに利用するんです。それでも僕は『安いところに住みたい』と話したら『実は空いてません』なんて言われたこともあったりしました。だからこそ見つけられない、事故物件は逃げていくんだと思います」

――お客さんを呼び込むための物件ですか…。いろいろとグレーな感じもしますけど。

「日本の人口も減ってきているので事故物件を市場に出す必要がなくなったこともあると思います。昔と比べて入居できる物件数と人口の割合が変わってきている。入居できる物件が余ってきているので、事故物件をわざわざ選ぶ必要がないのかもしれませんね」

■「事故物件怪談 恐い間取り2」も好評発売中!前作と違い「もっと身近な恐怖を」

――最近では「事故物件怪談 恐い間取り2」が発売されて大変話題になっています。やはり、いろいろな恐い情報が集まってきているのでしょうか。

「いや、実はその逆なんですよ。一冊目の時に実際に住んでいた物件や人から聞いた恐い話を選りすぐって集めたので出し尽くしたんですよね。今回『恐い間取り2』を出版するにあたって前と同じ心霊現象をテーマにするのではなく、それよりも現実的というか、みなさんの身にも降りかかるもっと身近な恐い話を集めました」

――もっと身近な話というと。

「『恐い間取り2』には『身内が亡くなったことで事故物件にしてしまい、不動産会社から損害賠償請求を受けてしまう話』『物件の内覧に行くと何故か離婚する物件』といったエピソードを収録しています。一冊目で紹介したような心霊現象って僕も何度も経験しています。例えば部屋で通話すると何故か音が乱れるところとか。でもそういった現象は慣れてきて当たり前になると恐くなくなってしまうんです。今回は体験して恐いというより降りかかってほしくない嫌な話を集めてみました」

――「事故物件住みます芸人」を続けるうちに心境の変化があったということでしょうか。

「はじめはテレビに出られなかった芸人がチャンスをもらって事故物件に住んでみて幽霊を撮影するという企画でしたね。当時は幽霊が恐いんだけど、同時に何も残せずに終わることが恐かったんです。たまたま最初に住んだ物件で怪奇現象を撮影することができて、早い段階で結果が出て良かったという気持ちがありました。でも『なぜか気分が悪くなっていく部屋』のように現実として何かが起こる部屋。幽霊が出るといったことよりもそっちの方が恐く感じられて、それが事故物件の本質のような気がします」

――少し気が早いかもしれませんが、二冊目も好評ということは第三弾も楽しみにしていいのでしょうか。

「今回もエピソードを出し尽くした、やり切ったといった感じなので今は考えていないのですが、もし次があるなら確実に幽霊と出会える部屋なんかを体験したいですね。いろいろな物件をまわって不思議なことを体験しましたが幽霊にはあったことがないので、見られるなら見てみたいです。そういう物件のウワサは巷にあふれているのですが、幽霊の見えない人が見えるようになることは少ないので、まだまだ難しそうですね」

――これからも事故物件を探し続けるんですね。

「海賊にとっての宝探しのようなものと言えばいいのでしょうか、事故物件は僕にとって日常になっています。逆に住まなくなることに理由が必要で思い切った選択になってしまう。それくらいに当たり前になりました。はじめはやらされた企画だったとはいえ、みんながしないことをするのが好きだったんです。だからこそ見つけられたものでもあるし、ハマっていきましたね」

■著書が中田秀夫監督、亀梨和也主演で映画化。事故物件の再現度はいかに

――8月28日より公開の映画「事故物件 恐い間取り」は主演・亀梨和也、「リング」などで知られる中田秀夫監督がメガホンを取るなど、話題となっていますね。最初に映画化の話が挙がったときのことを教えてください。

「映画化の話は、2018年に1冊目の『事故物件怪談 恐い間取り』が発売してからすぐにきたんですよ。その時はできたらいいねっていうくらいのもので、そんなふんわりとした話だったので無くなるだろうって思っていたんです。僕自身できるだけショックを受けないように、普段からネガティブに考えるクセがあるので『本当に実現したらすごいけど、あると思うなよ』って言い聞かせてました」

――信じないようにしていたんですね。でも主演が亀梨さんになったり、いろいろなものが決まっていって現実味が帯びてきたのではないでしょうか。

「亀梨さんに決まったって聞いたときもまだ信じてなくて、『嘘やろ…』っていう感情の方が強かったですね。でも映画化の企画が始まって、直接亀梨さんとお会いする機会があったんです。第一声が『事故物件に住んでてどんな気持ちでしたか?』っていう食い込んでくるような質問がちょっとおもしろかったですね」

――映画化にあたって松原さんからオーダーはあったのでしょうか。

「実際に人が亡くなられた事故物件という題材なので、死者を冒涜することはないように、誰かを傷つけることのないようにとはお願いしました。それで実話ではあるけど『山野ヤマメ』というキャラクターのオリジナルストーリーにして頂いたので、これだったら成立すると思いました」

――この作品は主人公が住む事故物件の部屋も大きな魅力になっていると思います。松原さんが住んでいた実際の部屋と比べていかがでしたか。

「すごい忠実に寄せてもらいましたね。実は映画を見ないと分からないことなんですけど、『事故物件だからおどろおどろしい』なんてことはなくて、みなさんの住まれている部屋とさほど変わらない『どこにでもある部屋』なんですね。それを映画作品ということで照明、音楽で演出されていて、ただの部屋との違いを上手く表現してくれていました」

――完成した映画「事故物件 恐い間取り」はいかがでしたか?

「正直に言ってビックリしました。番組の企画で住み始めたとはいえ、日常生活を送っていただけなんですけど、こんなにもドラマチックに仕上げてもらえるとは思っていませんでした。主人公の成長物語もあり、ラブロマンスもあり、それでいてちゃんと恐い。こんなにも詰め込んでくれたんだって感動がありました」

――最後に関西ウォーカーの読者にメッセージをお願いします。

「僕が神戸出身ということもあって、『事故物件怪談 恐い間取り』は地元の沿線の話など関西の話が多く収録されています。関西の方なら『あっ、ここかな』と気づいてもらえる場所もあるので、いろいろと推理しながら楽しんでもらえたらうれしいです。また8月28日公開の映画『事故物件 恐い間取り』でも関西から物語が始まり、関西のローカル番組の雰囲気なんかも楽しめると思います。あとお笑い芸人・山野ヤマメを演じる亀梨さんの『関西弁』にも注目してほしいですね(笑)。後半になっていくにつれて関西弁をものにしていく感じなど微笑ましい姿もあるので、いろいろな楽しみ方ができると思います」

取材・文=関西ウォーカー編集部 ライター・さくらいけんたろう

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