「植物活力剤について」|初心者向け「家庭菜園用語解説」

  • 2023年1月14日
  • NUKUMORE

家庭菜園をするときに知っておきたい専門用語を、分かりやすく解説していきます。ここでは植物に活力を与える成分を含んだ資材「植物活力剤」について、おすすめの「天恵緑汁」の詳細や作り方を知ることができます。

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天恵緑汁とは

天恵緑汁
【読み】てんけいりょくじゅう
【用例】弱り気味の野菜に天恵緑汁の希釈液を散布したら、野菜が元気を取り戻した。 天恵緑汁は、ヨモギの新芽などに黒砂糖をまぶして自然に発酵させてつくる、野菜の育ちを助ける発酵液のこと。韓国の自然農法家、趙漢珪氏が広めたものです。

まず、大量のヨモギの新芽を摘んで集め、これに重量比で半分程度の黒砂糖をまぶし、カメやバケツなどの容器に詰めて封をします。
黒砂糖を加えることで、浸透圧でヨモギの新芽から水分がしみ出やすくなります。酵母菌や乳酸菌の働きで発酵が進み、冷暗所に約1週間置くと、黒っぽい液体がたまります。
採取してペットボトルなどに移して保管します。これが天恵緑汁で、ヨモギ発酵液と呼ばれることもあります。 YD20_p88_map_1_1671600333 野原や空き地に生えるヨモギの新芽を大量に集める。朝早くに摘むとよい。 天恵緑汁には、アミノ酸、アルコール類、糖類、ミネラル類、酵母菌や乳酸菌、その代謝物などが豊富に含まれていて、利用すると野菜の生育を促進します。

野菜の定植時や、強い剪定を行ったあと、台風のあとなど、野菜がダメージを受けた際や、また、低温や乾燥、日照不足などの天候不良で野菜に元気がないときに、天恵緑汁を500倍程度に水で薄めて葉面散布して様子を見ます。
葉面散布のほか、土壌散布すると土づくり効果が期待できるほか、ボカシ肥料づくりでは発酵促進剤として天恵緑汁を利用できます。

さて、ヨモギの新芽が出るのは春。うまくつくるコツは、早朝に新芽を採取することです。新芽が水分をたっぷり含んでいるからです。用意した容器に目一杯詰められるよう、大量に採取しましょう。

次に天恵緑汁をつくる手順を紹介します。福田俊さんの実践例です。

なお、ヨモギの新芽のほかにも、その季節に勢いのある植物の新芽を利用して天恵緑汁をつくることができます。
スギナ発酵液、雑草発酵液など、いろいろな植物の新芽で天恵緑汁をつくって、野菜づくりに活用できます。つくり方は同じです。早朝に新芽を採取して黒砂糖をまぶして発酵液を採取します。

天恵緑汁のつくり方

01 ヨモギの新芽に黒砂糖を混ぜる
ヨモギの新芽をハサミか包丁でザクザクと刻み、黒砂糖をまぶす。黒砂糖はヨモギの重さの半分が目安。少ないとカビたり腐敗したりして、うまくいかない。 YD20_p88_flow_1_1671600412 02 容器に仕込む
カメなどに材料をギュウ詰めにし、重石をのせてフタをする。やがて発酵が始まる。 YD20_p88_flow_2_1671600423 YD20_p88_flow_3_1671600435 YD20_p88_flow_4_1671600448 03 液がたまりだす
仕込んだ翌日、フタを取ってみたらヨモギのカサが減り、液がたまり始めていた。 YD20_p88_flow_5_1671600455 04 発酵液を採取する
1週間で完成。容器を倒して、別の容器に発酵液を受けて採取する。ペットボトルに移すと保管が便利。
キャップをきつく締めると発酵ガスでボトルが膨張するので、緩めに締めておくこと。
使うときは水で500倍程度に薄め、葉面散布などに利用する。 YD20_p88_flow_6_1671600492 【+α】
初夏にスギナが生えだしたらスギナで天恵緑汁をつくれる。ヨモギ同様、包丁で刻んで黒砂糖をまぶして仕込むとよい。うどんこ病やべと病を予防する効果もある。 YD20_p88_map_2_1671600517

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