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作新学院大学(宇都宮市竹下町)で5月24日、「超老舗企業のBCPとセルフメディケーションの神髄とは~家庭薬、健康、そして音楽の午後~」をテーマしたシンポジウムが開催された。(宇都宮経済新聞)
(右から)藤井隆太社長、佐手麻珠さんの演奏の様子
第1セッションは、宇津救命丸の宇津善行社長と船田元衆議院議員が対談する形で行われた。宇津救命丸は1597年、初代・宇津権右衛門が野州高根沢に帰農後、宇津の秘薬として創製したのが始まり。1959(昭和34)年に本社を東京都千代田区に移したが、2022年に善行さんが社長に就任すると翌2023年4月、本社を高根沢に戻す形で移転。「企業理念と原点回帰」「地域社会との共生と貢献」「働き方の変化と柔軟で合理的な経営判断」など本社移転に込めた決意を披露。「パッケージデザインも大正時代から基本的に変わっておらず、中央に描かれているのは親子だろうと思われているが、実は姉と弟」というエピソードも明かした。
続くミニセッションでは、第2セッションで話す龍角散の藤井隆太社長のフルートと、この日MCを務めたヴァリエーション代表でピアニストの佐手麻珠さんのピアノによる演奏を披露。栃木にゆかりのある野口雨情の「七つの子」などの童謡をはじめ、ドップラー作曲「ハンガリー田園幻想曲」を演奏した。
第3セクションでは、藤井社長が講演。龍角散が1797年に創業し、さまざまな難局を乗り越えてきたが、隆太さんの社長就任時には売り上げ不振。そこで愛用者へのヒアリングを重ね、大企業になりたい病を止めることを決意。「まねせず、まねされず」「余計なお金を稼がない」「全ては社会貢献のために」という方針を掲げ、オーナー体制を再確立し、オーケストラ経営を実践することで右肩上がりの業績に転換できた経緯を披露した。
シンポジウムに参加していたさくら市在住の安西克巳さんは「たくさんの試練を乗り越えてきた老舗企業から学ぶことは多い。その歴史を引き継ぐお二人の経営者の話とともに、名曲の演奏を聴くこともできて、大変有意義な時間を過ごすことができた」と話していた。
シンポジウム終了後、宇津救命丸と龍角散との戦略的資本業務提携が公表された。