東海地方の廃映画館の「記憶のカケラ」を集めた一冊 名古屋駅西の書店で販売

  • 2025年4月24日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 自費出版本「映画館のカケラ 東海編」の販売が4月16日、名古屋にちなんだ書籍のみを取り扱う書店「NAgoya BOOK CENTER(ナゴヤブックセンター)」(名古屋市中村区椿町12)で始まった。(名駅経済新聞)

 愛知・岐阜・三重・静岡に点在する、閉館した映画館の建物や痕跡、地域に残る文献などの調査内容をまとめた同書。著者の澤田佳佑さんは、日本各地の映画館のデータを収集・調査する活動に取り組んでおり、調査内容をウェブサイト「消えた映画館の記憶」やブログ「振り返ればロバがいる」で公開している。

 「民間企業のウェブサービスは手軽に利用できるが、企業がサービスを終了すればそれに伴ってこれまで集めた情報が失われる可能性がある点に不安を感じていた」と話す澤田さん。イベント登壇や学術雑誌での研究ノートの発表など、ウェブサービス以外での発表手段を模索する中で、在野の研究者たちが開催する自費出版本やZINEの販売会に足を運んだことなどをきっかけに「永続的に形が残る紙媒体の良さを改めて感じるとともに、自身の活動を紹介する際に本があることは好都合と感じ、自費出版に踏み切った」と振り返る。

 同書に掲載する写真は全て澤田さんが現地を訪れて撮影したもので、現地の公共図書館での文献調査などを基に作成したテキストを添える。「今後も地域別の本を出していきたい思いがある」と話す澤田さんだが、「遠方ほど満足いく調査ができないのが悩み」とも。

 同書は3月に完成したものの「具体的な販売方法までは考えていなかった」と澤田さん。「NAgoya BOOK CENTER」での取り扱いが始まることに対して「映画館がすぐ近くにある、とがった選書が魅力の書店で扱ってもらえるのはうれしい。映画観賞後に訪れてもらえたら」と笑顔を見せる。

 価格は1,500円。新栄の新刊・古書店「henn books」の店頭およびオンラインショップでも取り扱う。

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