筑土八幡町にコーヒースタンド「ハドマンズ」 祖父宅残したい思いを形に

  • 2025年5月19日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 コーヒースタンド「Hadmnz Coffee Booth(ハドマンズ・コーヒー・ブース)」(新宿区筑土八幡町)が筑土八幡町にオープンして、5月21日で2カ月がたつ。(市ケ谷経済新聞)

 「HadmnzCoffeeBooth」コーヒーを入れる様子

 店主の高垣翔さんは、猿田彦珈琲(コーヒー)で経験を積んだ後、焙煎(ばいせん)士として活動していた。スタンドは、高垣さんの祖父の家の庭先を定位置とし、キッチンカーを止めて営業する。コーヒー豆の焙煎は自宅敷地内に設けた焙煎所で行う。高垣さんは「コーヒーは幼少期から好きで、家族ともよく飲んでいたこともあり、焙煎を追求してみたいと考えた」と話す。出店の背景には「祖父の思いが詰まった家を残したい」という高垣さんの願いがあるという。店名は、高垣さんが大学時代に友人たちと名乗っていたグループ名に由来し、当時のつながりや記憶を反映したもの。

 高垣さんはアーティスト活動も行っており、自身の考える「世界観」も作るという。スタンドのビジュアルやロゴは、自身が描いたドローイングをベースにデザインしており、アート活動との親和性もにじむ。高垣さんは「これまで私が積み重ねてきたものが自然にリンクし、今の形にたどり着いた感覚がある。どんなジャンルや形でも、自分が作り出すものは何かしらのつながりがあると改めて実感している」とも。

 提供するコーヒーは、自家焙煎のブレンドやシングルオリジンを使ったハンドドリップ、水出しアイスコーヒー(以上540円~)など。看板商品の「ハドマンズブレンド」やオリジナルのブレンドのほか、「純喫茶へのリスペクトを示す」メニューとしてインドネシアマンデリンなども用意する。豆の選定においてはスペシャルティに限らず、プレミアムやコモディティなども幅広く取り扱うという。「焙煎とブレンドによって独自の世界観を表現したい。銘柄によるセレクトではなく、純粋においしいと思うものを提供する」とも。

 住宅街の一角という立地もあり、地域住民や通りがかりの人が立ち寄ることが多く、「周囲に自然と溶け込む形」で営業するという。「想定していたより多くの方に立ち寄っていただいている。一軒家にいきなりコーヒースタンドができたので、道行く人に二度見されたり驚かれたりすることもあるが、その中には幼少期の自分を知っている人もいるかもしれないと思うと感慨深い」と高垣さん。今後は、実店舗の開業も視野に入れながら、「この土地で受け取ってきたものを、今度は自分が返していく番。感謝を胸に、皆さんが『良い一日だった』と振り返られる、そんな日のきっかけになるような一杯を届けたい」と意気込みを見せる。

 営業時間は12時30分~19時30分。水曜・木曜定休。

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