福岡アジア美術館でコレクション展「アジアコレクション」 収蔵品から50点

  • 2025年5月12日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 福岡アジア美術館(福岡市博多区下川端町)7階アジアギャラリーで現在、コレクション展「アジアコレクション この手が未来を編み直す」が開催されている。(博多経済新聞)

 会場の様子

 本年度、同館は所蔵作品から異なるテーマで2つの大型コレクション展を開催する。第1弾となる今回の展覧会は、約1100平方メートルのアジアギャラリー全体を使い、「アジアの暮らしや文化のルーツを作品に取り込むことで、斬新な現代美術の表現を生んだアーティストたち」(同館)の作品約50点を紹介。絵画やインスタレーション、切り絵などを展示する。

 同館学芸員の五十嵐理奈さんは「福岡アジア美術館は、アジアの近現代美術だけでなく、アジアの近現代美術に影響を与えた民俗芸術(フォークアート)なども収集している。その収集方針が、コレクションのユニークさであり面白さを作っている。今回の展覧会では、フォークアートと現代美術の両方を併せて展示することで、福岡アジア美術館のコレクションの多彩さを伝えたい」と話す。

 会場では、「祝いと祭り」「暮らしの手わざから」「きらめく光と影」「瞑想(めいそう)の森」の4つのコーナーに分けて展示する。「祝いと祭り」では、アジアの祝いや祭りを表した作品などを中心に、ポーンチャイ・ジャイマさん(タイ)の絵画「イーペン祭り」などを、「暮らしの手わざから」ではバングラデシュに伝わるカンタ刺しゅうやインド西部の少数民族が描いてきたワルリ画などを、「きらめく光と影」では、リュー・ションジョン(呂勝中)さん(中国)の切り絵「魂を集める(萃魂)」やメインビジュアルにもなっているウー・ジエンアンさん(中国)の真ちゅうの素材を切り抜いた立体作品「手・脚」などを、「瞑想の森」では、ベート・ヨッククァン(麦毓権)さん(シンガポール)による、900個のふぞろいな銅製のわんが並んだ作品「火」やモンティエン・ブンマーさん(タイ)のインスタレーション「溶ける虚空/心の型」などを展示する。

 五十嵐さんは「現代美術の作家たちは、自分たちの文化が育んできた手業、ものづくりの技術、素材の使い方に敬意と愛情を持っていて、それを作品の中に取り込み、新しい形で表現している。そうしたところも見てもらえたら。空間全体を楽しんでほしい」と来館を呼びかける。

 開催時間は9時30分~18時(金曜・土曜は20時まで)。水曜休館。観覧料は、一般=200円、高大生=150円、中学生以下無料。6月22日まで。

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