ループ組みひもの一種「小指組紐(こゆびくみひも)」の無料体験会が5月24日、「クロモジLab(ラボ)」(青森市浅虫)で開催された。(青森経済新聞)
森山公子さんから「小指組紐」の手ほどきを受ける体験者
19世紀後半、北前船が青森の油川港に入港していた際に伝えられたという歴史を持つ「小指組紐」。機械や道具を使わず、ループ状にした糸を指に掛け小指で組み上げる。
同体験会は青森で「ループ組紐の会」を運営している森山公子さんが企画。約15年前に「小指組紐」と出合う。当時、油川在住で小指組紐の伝承者・久米田禮子さんが主宰していた「小指組紐 紅の会」に参加し組みひもの歴史や技法を学んだ。「手芸などの経験は全くなかったが、歴史的価値と、ひもを組み上げる工程の面白さに魅了された」と振り返る。
技法を多くの人に伝えたいと2023年ごろからは、浅虫の道の駅で開催されるイベントにブース出店するなどして活動。今回は同ラボの店主・池田啓子さんの協力を得て開き、手操作での組み方や3種類の基本の組み方「2本同時組み」「角組み」「平組み」を分かりやすいように毛糸を使い初心者に丁寧に手ほどきした。自作も展示した。
参加した30代女性は「想像していたより古くからある組み方が受け継がれていることに驚いた。慣れるまでは手がつりそうになって大変だったが、慣れてくると同じ動作の連続でできているのが分かって面白い。忘れないうちに家でも復習したい」と話していた。
森山さんは「昔の人が考えた技法をたくさんの人に体験してもらいたい。興味を持ってもらい、小指組紐を一緒に伝えていく仲間を増やしていければ」と話す。
体験会は5月31日、6月7日・14日・21日・28日にも行う。開催時間は13時~16時。