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Vol.45 キャンプファイアーを企画する

  • 2009年7月2日

【イラスト】キャンプファイアー 子ども会や職場、地域のイベントなどでキャンプファイアーをやることになったと頭を抱えている人はいませんか?
今回は、キャンプファイアーの企画のしかたのコツを教えましょう。


キャンプファイアーに決まったカタチはない

キャンプファイアーは、「火の神がいて、、」などいろいろなイメージがあると思いますが、「こうでなくてはならない」というものはありません。
「メインをどのようなものにしたい」のか、「ファイアーを通してどのようなことを伝えたいのか」などの「ねらい」をはっきりさせると、組み立てがしやすくなります。

大きい火を焚く愚か者−ネイティブアメリカンの格言より

【イラスト】点火式 キャンプファイアーといえば、「天まで焦がす」ような大きな火をイメージするのではないでしょうか。小さく、一定の大きさの火を焚くことは技術がいります。私は、出来るだけ小さなたき火のような火でキャンプファイアーをするのが好きです。
大きな火を焚くと、近づけませんし、なにより火のありがたさ、あたたかさを体験することができません(だから私は夏よりも春や秋や冬のファイアーの方がメッセージを伝えやすいと思っています)。
灯油など使わず、できるだけ小さな火で行うのが、今のキャンプファイアーの主流です。※キャンプファイアーのセッティングについては、Vol.26を参考にしてください


キャンプファイアーの企画のしかた

【図】雰囲気とファイアーの明るさの移り変わり まずは、メインの活動を考えましょう。
キャンプの初日に、「参加した全員と仲良くなる」ことをねらいにするなら、みんなで遊べるゲームのようなものを中心に企画すると良いですし、キャンプの最終日に「みんなでキャンプの思い出をふりかえる」ことをねらいにするなら、グループごとの発表をメインにし、感想を述べたり、替え歌をつくったりするような内容が考えられます。
後はストーリーを考えて、始めと終わりは静かにしようとか、企画者のイメージをそのまま内容に込めていくのがよいでしょう。


【イラスト】キャンプファイアーを囲む 「火の神」や「女神」が出てくることが多いのは、火の神秘性やありがたみを伝えたいという意図があったからだろうと思います。「火の神」ありきではなく、どうしたら子どもたちが火のことに興味関心を持つのか、充分に考えてから企画しましょう。最近は、IHの調理台の普及など、直火を見る機会がない家庭が増えてきているのも事実です。火は人類が文化的な生活をするために獲得したいちばん始めの大切な技術です。キャンプファイアーは楽しい活動ですが、騒いで終わるだけでなく大切なことはちゃんと伝えましょう。
薪を燃やして暖をとるのに使ったり、灯りにしたり、炊事に使っていること、夜は本当は野生生物が静かに過ごす時間であること、視点を変えれば夜に学べることはたくさんあります。直接体験ができるこの機会にこそ、しっかり伝えたいものです。

(イラスト:ほしのゆきこ)


(2009.7.2更新)

高瀬 宏樹さん

著者プロフィール
高瀬 宏樹 (たかせひろき)
日本キャンプ協会主幹(指導者養成、普及サービス事業担当)
日本全国を飛び回って、キャンプの魅力を人々に伝えたり、指導者の養成に取り組んでいる。休日は二人の息子達をパートナーに身近な自然のなかで、ささやかなアウトドアライフを実践している。

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