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Vol.44 活動に応じてふさわしい軍手を選びましょう

  • 2009年6月4日

【イラスト】家族キャンプ 小学校などでは、林間学校(地域によっては移動教室、自然体験学習など呼び方はまちまちのようですね)が各地で始まる時期のようです。持ち物に「軍手」と書かれていることが多いと思いますが、軍手にもいろいろな種類があるのをご存じですか? 用途に応じて、ふさわしい素材の軍手を選びましょう。


軍手の種類は素材別にたくさんある

軍手は、革、ナイロン製などいろいろものが、アウトドア用として売られています。
ひとくちに「軍手」といっても素材や編み方で様々な種類があるのをご存じですか。量販店などで販売されている軍手は主に次のような素材でできています。

  1. 純綿製
  2. 化繊製(アクリル、ナイロン、ポリエステル)
  3. 綿と化繊の混紡
  4. 繊維の上にゴムを塗装(手の平全面、ポツポツの凹凸仕上げ)
  5. 革製(厚手、薄手)

飯ごう炊さんなど野外炊事に適した軍手は、どれがよいでしょうか?最適なのは「5」です。でも、子どもが使うということを考えれば、おすすめなのは「1」です。
あなたが買った軍手の素材をチェックしてください。

素材で違う軍手の特性

野外炊事でよくあるケガは、「やけど」です。それを防止するのが軍手なのですが、「2」〜「4」の軍手で野外炊事をすると、軍手が溶けてしまうことがあります。

各種素材の軍手
右から「繊維の上からゴムを塗装したもの」「革製の軍手」「純綿製」「綿と化繊の混紡」「化繊製」
革製は少し焦げ、純綿製は焦げた状態だが、その他は溶けて穴が空いている
(飯ごうの取っ手を数秒間持った状態を想定して実験したときの写真)

日本キャンプ協会安全委員会の行った実験結果によると、化学繊維、混紡のものは熱を通しやすく、熱湯がかかった場合、短時間で中までしみ込んでしまいます。強い炎で熱せられた飯ごう、鍋のとって部分やフライパン等にふれた場合、すぐに軍手が融けだし、皮膚に付着して火傷になる危険性が大きいといえます。化繊の入った軍手で火を使う時は細心の注意が必要です。
綿100%の軍手は、熱の伝わり方が遅く、急に燃えたり融けだすことはないので化繊を含むものよりは危険性は少ないといえますが高温に熱せられたものにふれた場合には、混紡と同様の危険性があります。
ゴムびきの軍手は繊維の上にゴムがひいてあるため、繊維だけの軍手よりは丈夫で燃えにくいのですが、30秒以上火にあてていると表面のゴムが溶け出して激しく燃え出します。これは非常に危険な状態であり、火傷の危険性も大きく、ゴムびきの手袋は火を使うときには適していないといえます。
革手袋の場合は、熱湯がかかったときはまず火傷にはなりません。高温のものをさわった場合でも熱が手袋の内部に伝わる時間が、繊維性の軍手よりかなり長く、最も危険性が少ない手袋といえます。火を扱うときにはこの種の手袋が最も安全だといえます。子ども用の革手袋があるとが少ないのが残念です。溶接用の高級品もありますが、一般的な厚手の革手袋が100円ショップ等でも売っていますので、キャンプで火を使うときの手袋としておすすめです。

軍手を使うときのワンポイントアドバイス

【イラスト】野外炊事
  • 化繊製でも純綿製でも水に濡らして使うことは非常に危険です。高温部で水分が一気に水蒸気になり、火傷をしやすくなります。
  • 熱いものをさわり、軍手の中で熱さを感じたら、ただちに軍手を脱ぐか、軍手ごと手を水の中に入れれば火傷は防げます。
  • 火傷をした場合、応急処置としてすぐに流水で冷やします。ひどい場合は必ず医師に見てもらいましょう。
  • 軍手を過信したり、軍手を軽視することがいろいろな事故につながります。
  • 化繊のものは耐摩耗性に富み、濡れても乾きやすいという特徴を持っています。また革製のものは工作のような細かい作業をするには適していません。用途に合わせて使い分けることをおすすめします。

(情報提供:日本キャンプ協会安全管理委員会)
(イラスト:ほしのゆきこ)

(2009.6.4更新)

高瀬 宏樹さん

著者プロフィール
高瀬 宏樹 (たかせひろき)
日本キャンプ協会主幹(指導者養成、普及サービス事業担当)
日本全国を飛び回って、キャンプの魅力を人々に伝えたり、指導者の養成に取り組んでいる。休日は二人の息子達をパートナーに身近な自然のなかで、ささやかなアウトドアライフを実践している。

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