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Vol.42 はじめての収穫

  • 2008年10月9日

市民農園を借りて、畑をはじめたということを以前に書きましたが、今回はその収穫のお話です。

●生命力

サツマイモ今年は、畑で一回も水をまいていません。そのくらい良いペースで雨が降ってくれたということです。おかげでこの半年でトマトや、すいか、きゅうり、サツマイモを収穫することができました。今回の経験で、「植物の生命力ってすごいなあ」とあらためて感じました。
いや、これらの意図的に作った作物ではなくて、雑草の生命力に感心しました。
畑に行くことをうっかりさぼっていると、あっというまに草が生えてきます。半日草むしりだけで終わることもありました。「いったいどこから生えてくるのだろう」と思うくらい、至る所から草が生えてきます。雨はどの植物に対しても平等に降るのですね。人間が考える都合の良さと傲慢さこそ不平等で、不自然なんだなあとつくづく思いました。


●畑は語りかける

収穫 子どもたちにとっては、たまに草抜きを手伝っただけなのに、いろいろな収穫体験ができました。考えると大した苦労もせず、けっこう美味しいとこ取りな経験だったと思います。それでも、畑ならではの「どうしてだろう?」と考える題材がたくさんありました。
ここのトマトは大きくて赤いのに、ここのトマトは小さくて青い。「何で?」「どうして?」僕も一緒に考えました。そうして導き出した結論は、正しいか正しくないかということが大事なのではなく、「しっかり考えて自分なりの答えを導く」良いトレーニングにもなったのではないかなと思います。


●命をいただく

蒸しパン
コロッケ
そうして収穫した作物は、しっかりといただかなくてはばちがあたります。
さっそく、サツマイモを「蒸しパン」と「コロッケ」にしてみました。
蒸しパンは、蒸しパンミックスを買ってきて、角切りにしたサツマイモを混ぜて、15分くらい蒸しただけ。コロッケは、ふかしたサツマイモをつぶして、バターで炒めたみじん切りのタマネギと混ぜて、衣を付けてあげただけ。できるだけイモの素朴な味が残るように薄味にしました。どちらもあっという間になくなりました。

種から育てて、人間の食べ物になるまで、一連のサイクルを自分の手で経験できることはとっても貴重な体験でした。子ども会などで、「芋掘り体験」ということはよく見かけるのですが、「育てる苦労も体験せずに、美味しいところだけ体験するだなんて。。。。」とつねづね感じていました。「体験だけ」ではなく、一年かけて、いつも食べている食べ物がどういうように育っているのか知ることは、子どもたちにとっても貴重な気づきでした。
まだまだこれからも続く畑作業ですが、とても楽しい経験をさせてもらいました。


(2008.10.9更新)

高瀬 宏樹さん

著者プロフィール
高瀬 宏樹 (たかせひろき)
日本キャンプ協会の職員として、全国を飛び回ってキャンプを指導することがしごと。ふだんはキャンプインフォメーションセンターで広報業務や相談に応じている。3歳と8歳の男児の父親として体を張った子育てを実践中。

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