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中学受験は親の関わりが必須?子どもの勉強をみる時間がとれないワーママはどうすれば?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

  • 2020年8月4日
  • レタスクラブニュース
Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第38回目のお悩みはこちら。




【お悩み】


小5の娘に中学受験をさせる予定で、4年のときから塾に通わせています。中学受験は親が関われば関わるほど、子どもも伸びるとよく聞くのですが、共働きでなかなか子どもの勉強をみてあげる時間がとれません。塾の宿題をやらせるだけでいっぱいいっぱいで、実際にきちんと定着しているのかの確認にまで至っていない状態です。

先日も、わからないところを「先生に聞いてきたから大丈夫!」と言っていた娘の言葉を信じてまかせた結果、やはりテストで同じところを間違っていました。

私にもっと余裕があれば、確認のためのクイズを出したり、再度問題をやらせて解けないところがないか確認したりなど、張り付いて手取り足取りしてあげたいと思うのですが、現実的にそれは難しい状況。時間のない中で親はどのような関わり方をすればいいのか、効果的な介入の仕方が知りたいです。(しとしとさん・38歳)

【小川先生の回答】


■『わかった』と『解けた』はイコールではないことを知る

お子さんは“勉強とはどのように進めたらいいのか”ということがわかっていないのだと思います。勉強の進め方を教えるほうが、毎週の勉強を一生懸命教えるよりもよっぽど大事なこと。なぜなら、学び方さえ身に着けば、自分で勉強してくれるようになるからです。

お子さんの場合、今育てるべきなのは、本人が「ここまではわかった」と自分で確認する力です。「宿題をこなさなきゃ」とか、「テストに間に合わせなきゃ」という目先のことに囚われるのではなく、“自己確認の技術をどうしたら身につけられるか”を当面のテーマに置きましょう。

そのためにまずは、「わかった」というのと「解けた」というのが違うことがあるのはなぜなのか、本人と一緒に考えてあげること。説明を聞いてわかった気がしても、実際に自分で解き始めてみると、考えを組み立てていく途中でわからなくなってくることがあります。そんな時は「わかった」の後に「本当にできるか試す」ようにすればいいと教えてあげるのです。

そういう勉強の仕方を本人がひとりでできるようになるところまでは、親の責任と思ってがんばってください。

■子どもの学力を左右するのは、“関わる時間”ではなく“関わり方”

さて、解き直してもうまくいかなかった問題については、わからない問題の量によって、単元自体がわかってなさそうなのか、特定の問題だけわからないのか、その判断を手伝います。

もし単元そのものがわかっていない場合、親が教えていたら時間がいくらあっても足りません。塾の先生に早急に相談に行きましょう。授業の受け方に問題はないか、宿題の仕方に問題はないか、現在の勉強のやり方について再考する必要があります。いっぽうで単発の問題がわからないのであれば、解説を見て教えられるものは教えればいいし、先生に質問しに行かせてもいいでしょう。また、「わからなくてはいけない問題なのかを先生に聞いておいで」という質問の仕方もありです。

このように、親が本人の現状を把握し、整理して、取るべき行動を選ばせてあげるようにすることが、望ましい関わり方です。横についてあげられる時間数が大事なのではありません。子どもにべったりついてあげられるかどうかと、子どもの学力は全然イコールではないことを知りましょう。

大切なのは、“関わる時間”ではなく“関わり方”。何をどれだけやらせるかではなく、子どもをどう見てあげるかに注力しましょう。そしてお母さん一人で抱え込むのではなく、ご夫婦で役割分担をしたり、塾の先生に頼れるところは頼ってください。そのほうがよっぽど効率的だし、子どもも伸びますよ。

回答者Profile


小川大介

教育専門家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』(https://www.e-juken.jp)主任相談員。

京都大学法学部卒業後、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を創設。教科指導スキルに、子育てコーチング、学習タイプ別の指導術を組み合わせ、短期間の成績向上ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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