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共感の声多数!漫画家・わたなべぽんさんが描く実録コミックエッセイ。40年来の人見知りと、苦手な人付き合いが変化していった日々

  • 2023年9月22日
  • レタスクラブニュース


「日常生活でどんなことにストレスを感じますか?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょうか。
「職場や学校での人間関係で気まずくなったことがある」「ママ友グループになじめない」「義実家との関係がギクシャク」など、「対人関係」でストレスを感じたという経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

『スリム美人の生活習慣を真似したら、1年間で30キロ痩せました』シリーズや『ダメな自分を認めたら 部屋がキレイになりました』などで知られる人気漫画家のわたなべぽんさんも、長年「人付き合い」で苦心されてきたうちの一人。新著『人見知りの自分を許せたら生きるのがラクになりました』では、人見知り歴40年というぽんさんが「今日も1日誰とも話さなかった」日々から脱するべく一念発起!意を決して一人旅に出かけたり、自分から友人を作ろうと模索するなど、自分の苦手意識にとことん向き合っています。

今回は著者のわたなべぽんさんに、人付き合いにまつわる経験談、またそれを本作へどのように反映されていったのか、そんな制作背景をうかがいました!

『人見知りの自分を許せたら生きるのがラクになりました』で描かれるぽんさんの苦悩



子どもの頃から人見知りが強く、友達は数えるほど。ずっと人付き合いが苦手だったという漫画家のわたなべぽんさん。1日中夫以外の人とは話さない日々を送っていたぽんさんは、たまに友人に会っても聞き役&受け身な態度で、うまく自分の言葉が返せずにいたといいます。




「そんなだからぽんちゃんはダメなんだよ〜」と、キツイ口調で言われても何も言い返せず、最初は対等だったはずの関係も、いつしか変化してしまう…。気持ちのいい付き合いは長く続かず、友人関係がフェードアウトしてしまうことも少なくなかったと言います。




たまに新しい出会いがあっても、会話のひとつひとつを気にしすぎてしまったり、人見知り隠しに無理して笑顔を作ってしまったり、沈黙が怖くてわざわざ自虐的な話をしてしまったり…。しんどい人付き合いがパターン化してしまっていたのでした。


40代になっても変わらない苦手な人付き合いにずっとモヤモヤ。しかしひょんなことがきっかけで、ぽんさんの人付き合いに対する苦手意識が変わっていくのです…。



わたなべぽんさんインタビュー

――「人見知りの自分を許せたら」というタイトルからも、とことん自分の内面と向き合った一冊だと思います。本作を描いたきっかけ、また執筆にあたって意識された部分がありましたら、ぜひ教えてください。

わたなべぽんさん:編集担当さんとはよく私の自宅で打ち合わせをさせていただくのですが、同い年ということもあって、おやつを食べながら仕事と関係ない世間話をすることも多いんですよ。その時たまたま「人見知りで、人付き合い下手なところがあって悩んでいた」なんて話をしたら驚かれて。「それはどうやって克服したんですか?」と尋ねられたので、当時私が考えていたことや実践したことを思い返してみたのです。それを担当さんと相談して一冊にまとめてみることになったのでした。


実を言うと100%克服したわけじゃないんですけど、担当さんから見た今の私は、あまり人見知りにも人付き合い下手にも見えないらしいというのを知って、自分が変われたと実感したというか、なんだか嬉しかったことを覚えています。



――著書累計110万部という数字に、ぽんさんがこれまでに描かれてきたコミックエッセイでの実体験エピソードに、多くの共感が寄せられているということが見て取れます。本作でも、さっそく反響などはありましたか?

わたなべぽんさん:たくさんの方に読んでいただき、本当に嬉しいです。ありがとうございました。
今回の本も、X(旧Twitter)やお手紙でたくさん感想をいただきました。皆さん、作中の「ぽんちゃん」に共感したり励ましたりして、じっくり読んでくださっているんだなぁとありがたく思いました。
驚いたのは、人見知りでも人付き合い下手でもない方が読んでくださって、感想をくださったことですね。彼女はもともと他人とコミュニケーションを取るのが上手なんだけれど、年のせいか新しい人間関係に飛び込むのが億劫になってしまったそうなんです。でもこの本を読んで、「自分の気持ちのままでいいのかもしれない」と、ちょっと気が楽になったとおっしゃっていました。お役に立てて良かったなぁと思ってます。



――本作で特に反響のあったエピソードについて教えてください!

わたなべぽんさん:第5話「無理して笑わなくていい」について触れた感想をくださる方が多かった気がします。私はつい人の顔色を伺って笑ってみせる癖があったんですよね。その場を丸く収めたいから、友好的だと思われたいから、心配かけたくないから…などなど、色んなシーンでつい笑ってしまう。でもそれを同期の男子に「なんでヘラヘラ笑ってんの?」と指摘されたというお話なんですが、同じような体験をしたことがあるという読者さんが多かったです。


それから後半に登場するご近所さんと近くの公園でピクニックをするシーンが楽しそうという感想を書いてくださった読者さんも多かったですね。ピクニック好きなので、そのシーンはちょっと時間をかけて楽しんで描いたのです。楽しいのが伝わって嬉しいです。



――人付き合いが苦手な自分を変えるため「自虐しない」「悩み事で会話をしない」「無理して笑わない」を実践したぽんさん。その結果、距離を置きたくなりかけていた友人とも、心から笑える会話ができるようになったシーンが印象的でした。人のネガティブな話題で盛り上がるのは、自分だったり、相手だったり、または第三者だったりと、少なからず誰かが傷ついたり、その人に我慢が生じてしまいますよね。実際に会話の内容を変えてみるという実践をされてみて、「こんなにも違うものなの!?」という驚きはありましたか?


わたなべぽんさん:これはもうホントに寝覚めが違います(笑)
私は人と会っている時よりも、その後に「あー、あの時あんなこと言わなきゃ良かったなぁ」と自分を責めたり、「あの時言われたあの言葉、モヤモヤするなぁ」なんて嫌なことを思い出して落ちこむタイプなんです。しかも一度そんな風に思ったら、しばらく脳裏にこびりついて、食事中でも入浴中でも、寝る前でも繰り返し思い出して、眠れなくなっちゃうんですよね。
だから『いつもアドバイスする立場の人』VS『いつも何か悩んでいるダメな人』という関係だった友人と私が、徐々に対等な友人関係に戻っていったことで、寝る前にぐるぐる思いを巡らせて『一人反省会』しなくてよくなったんです。格段に寝つきが良くなったし、その分朝も楽になった気がしています。



――人見知り歴40年、子どもの頃から人付き合いに苦手意識を持っていたというぽんさんですが、これまでにも人見知りを克服しよう思ったり、行動を起こしたことはあったのでしょうか?

わたなべぽんさん:ありました、ありました。人見知りを克服するために自分に変なキャラをつけて(例えば敬語を使わない開けっ広げなフレンドリーキャラ)なりきってみたらどうだろうか…なんて考えた黒歴史もあります(笑)結局無理して作ったキャラなんて辛くなる一方だし、すぐボロが出るし、そもそもキャラ作ってるなんてバレたら恥ずかしいし。良いことがなくてすぐやめました。
人見知りや人付き合い下手をリセットするために、交友関係も一度まっさらにしてしまおうと、数少ない友人を疎遠にしてしまったこともあります。友人を振り回してしまって申し訳なかったと思いますし、そんなことをしてもいい結果になるはずないのになぁなんて今では思いますね。





――本作でもぽんさんの迷える背中をそっと押す言葉をかけたり、寄り添う存在として、旦那さまが随所に登場します。ぽんさんの人付き合いに対する苦手意識が変化していったことを、旦那さまはどのように感じていらっしゃるでしょうか。

わたなべぽんさん:私が人見知りを克服しようとあれこれ実践していることに、夫はあまり気がついていなくて、一人旅で友達ができたこともご近所づきあいが増えたことも「人間生きてると、友達が増える時期がめぐってくることもあるんだなぁ」くらいに思っていたのだそうです(笑)。
これまでのスリ真似ダイエット(「美人になったつもり生活」で人生を変えた実録ダイエット漫画『スリム美人の生活習慣を真似したら 1年間で30キロ痩せました』シリーズ)も、やめてみた生活(「これって本当にいまの自分に必要?」と、なんとなくで使っていた身の回りのあれこれを手放していった実験的コミックエッセイ『やめてみた。』シリーズ。幻冬舎刊)も、私が何か始めていても夫は特に気がついていないことが多かったんですよ。後々になって知って「へ~、そんなことしてたんだ」って感じです。ただ、「これってどう思う?」と質問したことにはまっすぐ(時にはズケッと)答えてくれるので、それがヒントになることも多いですね。


余談ですが、夫はよく「漫画では僕が良く描かれすぎ」とちょっと怒ってます(笑)お話のヒントになる会話ばかりを抽出して描くとどうしても夫君がいい人に見えてしまうんですが、「僕は頑固で偏屈でズボラです」と言っていました。

――苦手な人付き合いに向き合うきっかけとなった鹿児島県与論島へのひとり旅ですが、その後もどこかひとり旅へ出かけたり、新たな出会いのある体験などはありましたか?

わたなべぽんさん:その後すぐ新型コロナウイルスの蔓延もあって旅行は難しくなってしまい、中々出かける機会は減ってしまったのですが、な、な、なんと!私、スナックデビューしました(笑)ご近所づきあいしている人に飲みに誘われ、「きっと楽しいと思うよ」と近所のスナックに連れて行ってもらったんです。そこは私と同い年の女性が一人で営業しているお店なんですけど、とても人懐っこい人ですぐに仲良くなりました。お店もすごく居心地が良くて、お客さんはみんなご近所住まい。共通の話題も多いので、おしゃべりしたり一緒に歌ったりするのがすごく楽しかったんです。そのスナックのおかげで近所に飲み友達がまた増えましたね。この私がひとりでふらっとスナックに出かけておしゃべりを楽しむ日がくるとは!自分でも未だに信じられません(笑)



――本作を手に取った方に、どんな風に読んでもらいたいでしょうか。読者さんへのメッセージをお願いします!

わたなべぽんさん:これまで描いてきた本のすべてに言えることでもあるんですが、この本は「こうすべき」というルールを描いたものではなくて、私自身が変わるために私なりに考えて実践した日々を描いたものです。だから描いたお話の中には参考にならないものもあるかもしれませんし、真似しても効果のないこともあるかもしれません。でも読者の方々が作中の『ぽんちゃん』が試行錯誤をしている姿を見て、「私も何かやってみよっかな」と心が動くことがあったのなら、そしてその動いた心の勢いが、新しいことを始める原動力になったなら、とても嬉しく思います。



      *     *     *

「会話が続かない」「相手の顔色を気にしすぎてしまう」など、人付き合いに苦手意識がある人もそうでない人も、「これはわかる…!」という共感エピソードが満載の本作。
「読んだ人の原動力になれたら」というぽんさんの言葉にもあるように、今の自分を変えたい、失敗が怖くて踏み出せないという人の背中をそっと押してくれるような一冊です。

取材・文=河野あすみ


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