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ケチケチ節約するだけじゃダメ!8年間で7000万円貯めた女性から教わる、メリハリお金活用術

  • 2023年3月16日
  • レタスクラブニュース


「今月の電気代がこんなに!」「また食料品が値上がりした!」…そんな昨今。節約に励んでいる方も多いのではないでしょうか。でも、ついついムダなものを買ってしまい、月末になるとため息をつくこともあると思います。そこで、『知識ゼロからのサイドFIRE 8年で7000万円貯めた子育てママのお金の増やし方 』を出版した「まなさん」にご相談。投資で7000万円貯めた彼女は、じつはたいへんな節約上手でもあります。会社を退職し、現在は資産運用と好きな仕事で稼いでいるまなさんに、節約のコツや、親としての教育費の考え方などを聞いてきました。

※FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、経済的自立と早期退職を目指すライフスタイルのこと。

賢く節約するなら食費を10円削るより固定費を下げよう

―――まなさんは、投資を始める前に、まずは節約して「生活防衛費」を貯めるほうがいいとおっしゃっていますよね。具体的な節約のコツってありますか?

まなさん:人間は我慢が苦手で、ストレスや嫌な環境から逃げたくなるものです。だから食費や光熱費など、自分でコントロールできるものを我慢するのは難しい。さらに、ムリな節約をすると、反動で浪費したりすることもあります。だから、自分でコントロールできないもの、「買おうか、やめようか」と選べないものにかける費用を下げるのがコツなんです。

たとえば、私は食費をあまり節約していません。1週間の予算は決めていますが、その範囲内であれば食べたいものを買います。それよりも、「買おうか、やめようか」といちいち選べない固定費を削るんです。固定費というのは、家賃や車やスマホなど自分でいちいちコントロールしない支出です。食費を10円20円とちまちま削るよりも、車の維持費を年間約50万円削る方が、だんぜん節約効果は高いですしね。

それと、欲望の優先順位をつけること。あれもやりたい、これも買いたいではお金が貯まりません。だから、やりたいことのリストを作り、「すごくやりたい」ものから順に並べて下位のものは思い切って切り捨てていくんです。車はあれば便利ですが、私にとっての優先度は低い。だから「すごくやりたいこと=FIRE」をかなえるために、車をもつのはやめました。

「FIRE」とは、資産運用で資産収入を得ることによって、生活費を気にせず自分のしたいことをする、というライフスタイルのことです。私の場合、仕事から完全にリタイアし、FIRE後の生活費は基本的にすべて資産収入でまかなうことになる「フルFIRE」ではなく、フルタイムワークからはリタイアしますが、FIRE後も自分の時間を優先しながら働き、生活費は働いて得た収入と資産収入の両方でまかなう「サイドFIRE」というスタイルを選んで実践しています。

サイドFIREのために節約をしようと、車をもたない選択をしたわが家では、歩くのが当たり前になり、子どもも1駅分くらい平気で歩きます。家も1LDKの築古マンションですが、狭いので冷暖房代などの電気代がかからないし、ものの置き場がないので余計なものを買わずに済みます。はっきりした夢や目標があると、節約生活もあまり不満に感じないものなんですよ。




子どもに与えるのはお金ではなく経験や選択肢

―――家庭の大きな出費のひとつに、教育費が挙げられます。塾や習い事で毎月何万円もかかる、というご家庭もあるようです。まなさんはお子さんの教育費についてどのようにとらえていますか?

まなさん:私は2児の親ですが、教育にはお金をかけるべきだと思っています。わが家は年内に夫も会社を退職し、家族で海外に移住する予定です。現地では子どもをインターナショナルスクールに通わせたいと思っているので、それに備えて子どもたちもオンラインで英会話を学んでいますし、通信教育の講座も受講しています。

ただし、習い事は本人が本気でやりたいものひとつだけ、と決めているんです。上の子は以前、水泳スクールに通っていましたが、友達の影響でサッカーがやりたいと言いだし、今は水泳はやめてサッカースクールに通っています。サッカーは親が希望したものではなく、本人がやりたいと思ったことなので、モチベーションが高い。行きたくないと言ったことは一度もありません。

本は基本的に図書館利用です。あえて、予約して、待って、借りるというステップを踏ませています。もちろん、待てないほど読みたい本を自分のお小遣いで買うのは自由ですが、ほしいものがあったとき、なんでもかんでもすぐ親が買い与えるようでは、子どもから考える力が奪われてしまうと思うんです。ほしいものをどうやって手に入れるか。待つか、自分のお金を使うかと、まずは自分で考えて自分で選択してほしいんですよね。



―――まなさんはなぜ海外移住を決めたのでしょうか?

まなさん:ひとつには、海外で暮らすことが私の若い頃からの夢だったからです。でも、10代の私は勇気がなくて実行に移せなかった。そこで、就職先は海外とのやりとりが多い職種を選んだのですが、そこでも結婚や出産で海外研修に行くチャンスを棒に振ってしまった。一度きりの人生なのに、とずっとモヤモヤしたものを抱えていたので、定職に就かなくても生きていけるようになった今、ついに夢を叶えることにしたんです。

もうひとつが、子どもの教育のため。海外とやりとりする職場にいて、私は日本と海外のものの考え方や文化の違いを肌で感じました。これから日本はどんどん消費人口が減っていく。給料だって20年も30年も上がっていない。閉鎖的な考え方も残っている。だから、この先、自分の子どもたちが日本文化と日本語だけに頼って仕事をするようでは、世界で太刀打ちできないと考えたんです。子どもには自分の意見を強く持ち、それを表現できる人間になってほしいし、その選択肢を与えたいと考えています。




―――今日は節約のテクニックについてお聞きしましたが、まなさんが資産形成に成功したいちばんの理由はなんだったのでしょうか

まなさん:夫とお金の価値観を合わせたことですね。ふたりが同じ未来、同じ方向を見ていないと、チームとして結果が出せない。これは仕事も同じですよね。我が家は夫と私で同じ未来を共有していたからこそ、夫婦二人三脚で頑張れたんです。

それと、老後のためにとか、子どもの将来の学費のためにとか、遠い未来のためになんとなく資産形成しても大きな成果は出せないものです。私たちのゴールは老後ではなく、「40歳でのフルタイムワークからのリタイア」だった。人より20年前倒しでゴールを設定しているんだから、人と同じことをしていても結果は出ません。目指す未来のビジョン、ターゲットを「FIRE」とはっきり決めたからこそ、節約生活をつらいとは感じなかったし、資産形成のペースも上がり、「40歳までに」という目標より早く理想の生活を実現することができたんだと思います。

*  *  *

まなさん一家の資産は2023年2月の時点で8235万円に到達しています。でも、まなさんの目標は「お金を貯めること」ではなく、あくまで「自分のしたいことをすること」。そのための資産運用であり、節約です。あなたもぜひ一度、節約の先にある自分と家族の未来について考えてみてください。そうすれば、これまで遠い存在だった投資が資産形成が、身近に感じられるようになるかもしれませんよ。



まな
1989 年生まれ。
2014年に保険の解約返戻金300万円から家計管理・資産形成を開始し、8 年で世帯資産7000 万円を達成。目標は2023年度中に完全サイドFIRE達成。投資や節約術などのお金に関する情報を発信し、Instagramのフォロワーは10 .1万人(2023年2月時点)。2 児の母。 2 級ファイナンシャル・プランニング技能士。著書に『知識ゼロからのサイドFIRE 8年で7000万円貯めた子育てママのお金の増やし方 』(KADOKAWA)がある。
Instagram:@manamanamoney
HP:https://manabi-post.com/

取材・文=春日あずさ






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