いろいろなものの値上げが相次ぐなか、寒くなると光熱費もアップしてしまって頭が痛い…。そんな冬のお悩みを解決するヒントは、上手な体の温め方にあります。エアコンなどの暖房に頼りすぎず、衣類で温めるべきところを賢く温めて、体を保温する。そんな、お財布にやさしくて、快適な暮らしを実現してくれる簡単テクニックを、摂南大学の宮本先生にうかがいました。
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▶︎教えてくれたのは
宮本征一先生
摂南大学理工学部教授。快適な暮らしを実現するため、人が感じる暑さや寒さの側面から住環境を研究している。
「3首」と「胴」を温めれば光熱費はもっと節約できる
冬を暖かく快適に過ごすために必要なのは、暖房器具だけではありません。「衣服」もまた重要なアイテムの一つ。
「寒いなと思ったら、保温性にすぐれた素材の衣服で調整してみてください。例えばウールやカシミアのように繊維の間に空気を多く含む素材や、汗を吸収して発熱する吸湿発熱素材の服は、一枚着るだけでも暖かさを感じます。重ね着も効果的。服と服の間に空気の層ができて保温性が高まるので、より暖かさが増しますよ」と宮本先生。
さらに、体のある部位を衣服で温めるといいそうで……。
「首、手首、足首は、皮膚の近くに太い血管が通っている部分。ここを温めると、全身を巡る血液が効率よく温められるだけでなく、体内から熱が奪われるのも防げます。また、おなかを温めると、代謝や血流がアップ。リラックス感や安心感が得られる効果もあります」
■温めたいのはこの4か所！
【3首】
首、手首、足首の〝３つの首〟に通っている血管は、皮膚の近くにあるため、効率よく血液を温めることができる部分であるのと同時に、熱が逃げやすい部分。衣類でカバーし、しっかり温めて。
【 胴】
大切な臓器が集まっているおなかを温めると、全身への血流がアップ。冷えやすい手足にも温かい血液が届き、体全体が温まりやすくなります。特に体の冷えが気になる人は、使い捨てカイロを衣服の上から当てても。
賢く体を温めたいなら衣服の素材はコレ！
衣服の暖かさを左右するのが、生地の素材。素材ごとの特徴をチェックして、自分にぴったりな一枚を選んでください。
シルク
夏は涼しく、冬は暖かいといわれるシルク。暖かさの理由は、保温性の高さ。繊維の間に空気をたっぷり含み、体から放出される熱を逃しません。
ウールやカシミア
羊毛を原料とするウールと、カシミアヤギの毛から作られるカシミア。ともに保温性は抜群ですが、カシミアのほうが繊維が細かく、空気を含みやすいためより暖か。
吸湿発熱素材
ヒートテックをはじめとする吸湿発熱素材の衣類は、体から発散される水蒸気を吸着し、発熱します。そのため、肌に直接触れるように着用したほうが◎。
暖かく過ごすために、こんな先人の知恵も役立てて
古くから伝わる、寒い季節を暖かく過ごす暮らしの知恵。先人たちの知恵を取り入れて、あったかライフを過ごしましょう。
寝る前に湯船で体を温める
「手足が冷えて眠れないという人は、しっかり湯船につかって。入浴で体温を上げると、入浴後に熱が放熱されやすくなり、睡眠の質が向上するという効果もあります」。お湯の温度はぬるめが◎。
腹巻きは理想的なアイテム
「大切な臓器が集まるおなかは、体を温めるうえでとても大切な部分。腹巻きはそんなおなかを冷えから守ってくれる、理想的なアイテムなんです」。内臓を温めると代謝がアップする効果も。
素材にこだわった体温めアイテムを活用しよう
効率よく体を温めるアイテムがあれば、家事も仕事もやる気アップ！ どれも家で洗濯できるので、ケアも簡単です。
フリース素材で身に着けた瞬間から暖かい！
ヒートテックライニングパデッドマフラー
肌に触れる部分にヒートテックフリースを使用。ループ構造で着脱が簡単＆水洗いできるのもうれしい。コンパクトにしまえるポケッタブル仕様。98×15㎝ 全３色 各￥1,990／ ユニクロ
遠赤外線糸＆シルクのダブル効果でずっとぽかぽか
健康足首ウォーマー
外側に遠赤外線糸、内側にはシルクを使用。空気を含む特殊な編み方で熱を外に逃がさず、暖かさがしっかり持続する。発売以来20年以上愛されているロングセラー商品。長さ19㎝ 全17色 各￥1,298／山忠
おうちはもちろんアウトドアでも！
レディース洗えるフュージョンダウンスカート
ダウンの保温力と吸湿発熱綿の発熱性で体を温めるスカートは、ブランケットとしても使用可能。保温性の高いブラックアルミの裏地でさらに暖か。M～LL 全３色 各￥1,500／ワークマン
やさしい暖かさで体をすっぽり包み込む
コクーンフィット おなかまわりを温める天使の『のびパン』
シルク90％で保温性、吸放湿性にすぐれた腹巻き丈パンツ。おなかから太ももまで締めつけることなく、心地よく包み込む。ヒップ87～100㎝ 全４色 各￥4,180／砂山靴下
＊価格はすべて編集部調べ
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冬になると室内でベストを着る人が増えますが、ベストも胴を温めてくれる大事なアイテム！ この冬は暖房器具に頼りすぎず、衣類を重ね着したり、保温性の高い素材の服を着たりして、上手に節電＆省エネしましょう！
取材・文／恩田貴子
【レタスクラブ編集部】
